関東地方も梅雨明けしましたね。
梅雨明けというのはつまり梅を干す時期が来たということです。
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昔住んでいた実家に、結構立派な南高梅の木が生えており、学生の頃から梅干しを付ける習慣がありました。(単に梅干しが好きなのと楽しいのとどっちもあります。ちなみに、大して田舎でもない普通の住宅街でした)
もはや実家も移動して、実の成るほどの梅の木は無くなりましたが、習慣は抜けず、毎年梅干しをつくっています。
完熟梅は6月頃から出回り始めます。
梅干しにするには木熟(木で黄色く熟したもの)よりも更に熟れた”完熟落ち梅”を使用するのが理想です。梅干しにした時、皮の薄さ(中身の多さ)が顕著に影響します。
木熟が手に入った場合は、梅酒か梅シロップにするのも良いです。梅干しにしたければ、漬けずにしばらく置いて、熟れるのを待ってもいいと思います。その際は風通しの良い涼しい日陰に置きます。(冷蔵庫に入れないように注意してください)
我流の手順をざっくりご紹介しますが、ググると沢山出てくるので、やりたい方は農家さんの記事を参考にしたほうが無難です。私の記事は「楽しそう」くらいに思ってください。
用意するのはこちら。
ー梅の実(今回は2kg)
ー塩(粗塩。梅の実の重量に対して18%の重さ。今回は360g)
ー40%程度のアルコール度数の酒(甲類焼酎、ウォッカ等クセのないもの)
ー新品の穴のないビニール袋2枚(もしくは重しとなるもの)
ー大瓶(もしくは清潔なバケツ)
ざっくり手順。
1.梅の実を漬けるのに使用するものではない清潔な容器に梅を全て入れて、水を注ぎます。完全に梅が水に浸かった状態で、30分〜45分(※)放置します。
※完熟梅はアク抜き不要ですが、落ち梅には虫が入り込んでいる可能性があります。落ちた梅に即座に卵を産むやつがいるらしく、2mmほどの幼虫が結構います。水に漬けることでほとんどの虫抜きに成功します。なおこれ以上漬けると梅が痛むので、30分でほぼ十分です。ぶっちゃけ食ってても気づかないので大丈夫(?)です。
2.大瓶をアルコールで洗います。水を切った梅もアルコールを回しがけ程度で構いませんので洗います。このとき、少しだけアルコールは残しておいてください。
3.大瓶をざっくり清潔な布(もしくはキッチンペーパー)でざっくり拭きます。梅は特段拭かなくてOKですがアルコールからはざるで上げておきましょう。見が潰れないように注意してください。
4.梅を大瓶に敷き詰めていきます。一つ一つ丁寧に、皮が破れないように注意しましょう。一段敷き詰めたら塩を掴んでまんべんなく振りかけます。この際、梅の実が多少濡れていたほうが塩がくっつくので◎です。(3.で丁寧に拭かなかったのはそのためです)
5.敷き詰めて塩をかけて、と繰り返していきます。梅の実を全て敷き詰めたら、残った塩を上からざざっとかけます。全部かけちゃったという人はやむなしですが、振りかけは全ての段でやるようにしましょう。
6.用意していたビニール袋2枚を二重にします。また、外側の底付近を残っていたアルコールで洗います。
7.便にビニール袋を二重のまま突っ込みます。二重にしたビニールの内側の袋の中に、梅と同じ程度の重量の水(+α)を注ぎます。(今回は2L+α程度)
こんな状態になります。
既に桃のような香りに塩分と酸味が混ざったような、少しだけ梅干しを思わせる香りが立ち上ってきます。
一日ほど経過すると、底に水分が溜まってきます。
これはいわゆる梅酢というもので、梅干しを買った際に梅が浸かっているものです。梅干しの水分がたくさんでてきた結果ですね。
ここ、とても大事なポイントです。
3日程度経過すると、理想的には以下のようになります。
この現象を「梅酢が上がる」といいます。重しと塩分の浸透圧を利用して水分を外に押し出すことですね。
梅酢が上がらずに時間が経過しすぎると、梅の実に満遍なく塩分が行き渡らないため、細菌が繁殖して腐ったりカビが生えたりしてしまいます。
48時間しても梅酢が全く上がってこない場合は、重しの水を1L追加してみてください。それでも駄目ならもう1L。それでも駄目…ということは、もう無いとは思いますが、梅の実に塩がまったく付いておらず底に溜まっていると、重しだけ増やしても無意味な場合がありますので、そこは注意してください。
よく「土用の丑の日に干す」ということを聞きますが、別にいつ干しても良いです。丑の日に梅雨明けしてないとかもあるので。
梅酢が上がったあとの日照りがある暑い日であれば、もういつでもOKです。
天気と梅の状態を観察して、予定のない土日に干すと良いでしょう。
干すことに特段のルールはありませんが、最近は以下がコンセンサスでしょうか。
・三日三晩干し続ける必要はない。2日でも1日でも、干し上がっていれば十分
・夜露に当てるため、夜も干し続けることは必ずしも必要ない。都心だと熱帯夜がひどすぎて夜露とか無い
・何度もひっくり返す必要はないが、風通しを考慮するなら一度ひっくり返したほうが良い
・夜は梅酢に戻してあげると、仕上がりがしっとりする(と言われている)
私は梅の状態を見て毎回変えますが、今のところ三日間干したことはないです。
夜は梅酢に戻して、翌朝もう一度干して完成というのが普段の流れですね。
こんな感じになります。
先程の写真では表面がテカテカしていましたが、もうこの写真はそんな様子はありません。サラサラですね。(ちなみに合計3回ほどひっくり返しました)
また、表面にうっすら白い粒が見えますでしょうか。これは塩の結晶ですね。
これを一つずつ丁寧に優しくタッパへしまっていきます。(干しているザルにくっついている可能性があるため、乱暴にすると梅が破けてしまいます。注意しましょう)
タッパへしまう際は、可能であれば梅同士が重ならないようにしましょう。平ったくて大きなタッパがあると◎です。
冷蔵庫に一晩置いておくと、今度は梅の中にある水分がじわっと染み出してきて、また少しだけ湿ってきます。ぺとペとする感じですね。そうなったら食べ頃です。(上の写真でも食べられますけど)
おにぎりに入れるもよし。和え物に使うもよし。夏場は塩分補給にもなるので、その点でも最近注目されていますね。
ちなみに私は焼酎の梅×ソーダ割りが大好きなので、ほとんどそれに消えると思います。
ご興味のある方はトライしてみてください。
それではまた!