大和総研グループの経済調査部 研究員 中田 理惠さんのレポートが面白かったので紹介です。
こちらのレポートですが、経常収支の増減など、中国と海外との貿易や金融によるお金の流れが纏められています。
言葉の定義を紹介します。
経常収支
海外で物やサービスを売って得た収入
資本収支
日本の企業が米国債や米株に投資すれば、日本の赤字になり資本収支はマイナスとなる。 米国のファンドが日本の会社を買収すれば、日本の黒字になり資本収支はプラスとなる。 逆に資本収支が黒字(赤字)の場合は、資本の流入(流出)を意味する。
外貨準備高
外国為替相場を安定させる目的で、各国の通貨当局が外国為替市場へ介入するために保有している資産の額。
誤差脱漏
国際収支を表すのに、経常収支 + 資本収支 + 外貨準備増減=0という“理論上”の要請を満たすために、0にならない部分を「誤差脱漏」として計上するものである。この項目には単純な記載漏れや物や金の移転にともなう雑費やその他もろもろの要因が入っている。
理論上は経常収支が黒字であれば儲かった分を海外へ投資したりするので資本収支がマイナスになるのだが、溜め込む人もいる。
しかしどの部類にも入らない金額がある。それが誤差脱漏(ごさだつろう )である。
2018 年 7-9 月期の中国の経常収支は 233 億ドルの黒字となり前期比で黒字幅は拡大した。金融収支(外貨準備を除く、以下同様)は 140 億ドルの資金流入超となり、資金流入額は前期比で減少した。誤差脱漏は▲401 億ドルとなりマイナス幅を拡大した。(本文引用)
このレポートによると
経常収支:+233億ドル
資本収支:+140億ドル
外貨準備高:増減なし
誤差脱漏:−401億ドル
経常収支+資本収支=373億ドル
誤差脱漏=−401億ドル
この意味をどう捉えるか。
海外取引や海外投資をして儲かったお金が誤差脱漏(海外資金逃避)に流れていると考える事も出来る。
グラフで見てみよう。
赤い丸印で囲んだ年代に暗号通貨界隈で何が起きたかである。
中国人の資金流入によるBTCなどの主要アルト爆上げ祭り期間である。
私の憶測だがそれを証拠に資本収支である金融収支がマイナスでかなり中国国内の中でも暗号通貨投資が流行った年とも重なる。
また2017年9月に向けて中国の暗号通貨への規制が厳しくなり、一気に金融収支も黒字化。
さて、話は戻しますが
この誤差脱漏の−401億ドルの行方は一体どこへ行ったのか。
もしかすると北海道の土地代に消えているかもしれないし、沖縄の土地買収に使われたかもしれない。
海外に物を売って、投資して設けたお金がそっくりそのまま誤差脱漏として消えたいる中国の今後の動向に目が離せない。