この4月で医療ITの仕事に関わり1年が経つ。
日経新聞社が記事にしているようにIT化は中々進まない。
しかし、IT化というが中身は様々である。
この取材の中でも「地域医療介護総合確保基金」を使ったネットワークとなっているが定義が必要だろう。
・電子カルテの病診連携や病病連携、病診薬連携
・電子カルテ以外のリアルタイムな情報共有の多職種連携
大きく分けて2つである。
前者の方は昔から取組が行われているが、記事にも記載されている通り、3割程度の普及率。
これは現場にいる私も感じているが、病院はともかくとして開業医の高齢医師の診察室は未だにPCすら無かったりもする。
また、そういう診療所は基本的に紙カルテだ。勿論レセプト請求する際はそれまでに医療事務などがPCを使って請求出来る様に纏めるのだろう。
昔ながらの医師で患者も多く、地域に今まで貢献してきた医師に限ってこういうケースはある。
後者に関しては更に大きな問題がある。
介護職、薬局、ケアマネジャー、訪問看護師、行政など様々な職種や施設が関わる。どこが欠けても連携やネットワークとして上手くいかないのである。
電子カルテに比べて値段は安価で使う機能もシンプルなのだが、パソコン含めデバイスの普及がかなり遅いのだ。個人的には持っていても会社として持っていなかったり、購入の予定が無かったりで中々進まない背景の一つでもある。
そして良くある言葉がある
医師「多職種が沢山増えたら導入するよ」
多職種「〇〇先生が導入したら考えます。」
どっちも導入する気がない、もしくは使いこなせるか不安だったり、変化を望まない人達なのだ。
だが、私は彼らの気持ちも分かる。
誰しも新しい事をするのに面倒だったり、仕事を増やしたくなかったり様々な想いがある。
しかし、この手の議論をすると患者を置き去りにしている議論が多い。
〇〇県の医師会長が進めているのは〇〇市医師会長は良く思わないから県の進めているシステムは使わない
この政治的な発言はつい最近実際にあった事だ。
システムはある程度統一させるから本来の威力を発揮出来る。最低でも県単位ぐらいでは統一して欲しいものだ。
それは明らかに医療の質が上がる事だ。
IT化する事で二度、三度確認していた患者情報が一度で済み入退院時、転院時の情報共有が事前に素早く出来れば患者への対応が素早く出来、患者側の事務的ストレスも軽減出来る。
だからこそ医療者は患者とのコミュニケーション含め治療、診療、介護、看護に集中出来る。
そして質の向上に集中出来る。
より良い医療を受けたい患者は恩恵を受けられる。
そして普及率が上がれば上がるほど患者の利点は雪だるま式に増えていくだろう。
勿論、web3の世界は更に更に先にある事になる。
医療のweb3に関してはまた別の機会にでも書きたい。