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社畜人生小説 最終章

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  • Hideaki imoto
  • 2018/10/29 14:29

前回のあらすじ


当時の飛び込み訪問で成約に繋げる事はとても珍しかった時代。ワイン氏は2007年に飛び込みフィーバー確変を起こす。

そして月日は流れる
ある日の妻との会話に人生を変えるかもしれない出来事が・・・


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2008年初頭、※モノライン(金融保証会社)の経営不安が表面化。
そして3月にベアー・スターンズがJPモルガン・チェースに買収される。


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引用:https://toyokeizai.net/articles/-/2353
※モノライン(引用:https://toyokeizai.net/articles/-/2353
金融保証会社の総称。「モノ」は「単一」を意味し、複数(マルチ)の種類の保険を扱うマルチライン保険会社と対比されて使用される用語。地方債や民間の証券化商品の信用リスク保証に徹する保険会社だが、サブプライム証券化商品の保証で保険金支払いが増加するとの懸念から経営不安が高まっている。信用リスクを保証するという金融市場のインフラ的機能が大きく揺らぎ出したことを意味する。


そんな世界経済が音を立てて崩れ始めた頃


ワイン氏の家計もまた音を立てていた・・



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私の妻は特に収入に関しては文句も言わず、毎日お弁当も作ってくれて感謝していた。学生時代から付き合っており、殆ど料理もしたことのない人が毎日お弁当と子供の食事を作る日々感謝しかない。

そんな妻とこれからの教育資金や保険などの話をしていた。

オール私立とか行くと3000万コースの時代、この当時私の年収ではまず無理。

だが、お金で子供に迷惑をかけたくないと思いつつ、リッジレーサーを西野先輩とネット対戦しながら妻とお金の話をしていた。

妻「おい、聞けや!!」
ワイン「は、はい!!すいません。すぐやめます!」
妻「このままでは子供の学資保険やら車のローンやら家賃やら払って行くとかなり厳しいんやけど・・どうする?私働こうか?」
ワイン「え〜そんなにお金ないの??ほんまかいな〜結構車も売れて給料多少良くなってるやろ?」
妻「あぁ?こら!」
ワイン「え( ゚д゚)・・・そんなに上がってないの?」
妻「おお。これ見ろや!こら!」

毎月の給料を見せつけられた。

もちろん把握はしていたが、新人の時と比べてかなり増えていたので自信を持っていた
だが私一人だけではなく、妻と子供が増えた事を私は計算に入っていなかった。そして毎月の詳細な支出を聞いて愕然とした。

妻「はっきり言って毎月赤字です。毎月私が独身時代の貯金を切り崩しています。だからそろそろ私が働かないと行けないと思ってます。」
ワイン「・・・・すまん」


絶句・・・

よくよく聞いたら食費も足りないので実家から食料を分けてもらったり、節約の為に家にいない様に心掛けていた様だ。


自分が許せなかった。

ちょっと車が売れて調子に乗り、本当に幸せにするべき人を蔑ろにしている。


悔しかった。


2008年6月 某市内 国内最大手転職サイトを利用し面談へ向かった。

この転職サイトは実際に面談し、一緒に転職先を相談に乗って頂きながら決めていく。当時は始まったばかりのサービスで珍しかった。

そこで一番最初に紹介してもらい受けた会社から内定を頂いた。

26歳の夏。転職活動をして1ヶ月、最初の企業でいきなり内定。就職氷河期を経験した私からすると信じられない出来事だ。しかも一番条件が良かった。
即入社する決意が固まった。

2008年8月 M店長に退職届けを出した。
突然の退職届出の為、みんな驚いていた。特に公私ともにお世話になった先輩方からは叱咤激励を頂いた。感謝してもしきれない。本当に人に恵まれた。

社畜として会社に依存していた私だが、今回の転職で少し考え方が変わった気がした。学生時代は1度入った会社でずっと勤める事が良いと思っていた。まだまだ転職が当たり前ではない時代。転職貧乏という言葉が出てきて転職する事を躊躇させることも多かった。

だが私は妻の毎月赤字で貯蓄を切り崩しているという言葉がきっかけで転職を決めた。




そして





2008年9月


私が有休消化をしている時





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引用:https://toyokeizai.net/articles/-/2353


私はこんな事を予想出来る程経済に精通していない。

奇跡的に間一髪の所で転職する事になった。

辞める数週間の間の出来事。お客様の会社が倒産して車を売却する話や乗り換えではなく車検を受ける方が増える話が多くなっていた。

この当時の世界は金融緩和でお金の量を増やし、対策を施した。

しかし当時の日銀総裁は金融緩和などはせずに傍観し何も対策を講じなかった。お陰で更に景気が悪化していく。

これから大変な時代に突入していく中職場を後にするのは辛かった。


 


数年後



私は元職場がどうなったのか気になり同期に聞いた。




小田和正の「言葉にできない」と共にどうぞ






カーディーラーの100%親会社だったメーカーはファンド会社へ子会社の販社を売却し役員全員が退陣。給与体系は見直された。


M店長:店長の役職から外れ、生命保険事業部へ左遷。


土居課長:リーマンショック後、仕事中の株取引を会社PCでしていた事がバレてリストラで退職。その後生命保険会社へ転職。


大川係長:課長へ昇格し、新時代のリーダーへ抜擢。


西野主任:係長へ昇格。


森口先輩:主任へ昇格。


香織先輩:中古車販売事業部へ左遷。その後同期と結婚。


佐々木さん:不明。たぶん退職していると思う。




人生は何が起きるかわからない。

私のたった26年の人生ですらたくさんの出来事があった。

これから社会人になる若者はどんなドラマを作るのだろうか。

悔いのない人生にする為にも社畜という修行の場が合う人、そうでない人
色々あっていいと思う。


私が伝えたかった事

・大切な人に辛い思いをさせた時、揺るがない強い意志を持てた。

・目先の利益だけではなく、大局を見よ。

・意味のない行動なんてない。信頼は相手を思いやる行動と継続性によって成り立っている。



最後に


ここまでお読み頂いた読者の皆様ありがとうございました。
正直、皆様からのいいねやコメントがあったから最後まで書くことが出来ました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。また書く機会がありましたら宜しくお願いします!













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作者

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転職したやつ



公開日:2018/10/29
獲得ALIS:57.70
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  • @wine
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