前回、ステーブルコインについて基本的な事を語りました。
来年はステーブルコイン元年。期待部分と注意点
https://alis.to/yahweh777/articles/KOwoPzpvYepJ
ステーブルコインはペグされている事から利益を狙うのは難しいのではと考える方もおられると思います。
しかしステーブルコインの特徴を理解する事で利益確定を狙う事も可能であることもわかります。
取引においてのステーブルコインの使い方、考え方についてお伝えします。
仮想通貨取引における避難場所
仮想通貨取引において心配なのが保有していた仮想通貨が下落する事です。
ビットコイン(BTC)やイーサ(ETH)はボラティリティの影響により、急減に下落する事もしばしばあり、その大きさを利用して取引をする人もおれば、長期保有して後に売却したいと思い方もおられます。
心理的に急激な下落は長期保有をと考えている方にとっては精神的つらさを与えてしまいます。
そんな急激な下落における精神的ショックを防ぐためにもステーブルコインの活用は有効的です。
テザー(USDT)を例に例えれば、テザーを取り扱っている取引所、そしてテザーとの取引ができる通貨であれば、仮想通貨に悪い材料が出た時には早い段階でテザー取引をし避難する事ができます。
避難する事で米ドルにペグされている事から米ドルの相場に繋がれている状態であるために、仮想通貨の相場が下落し続けても資金を米ドル価格で維持するようになります。
最近、仮想通貨が下落しているなと感じ、一時的避難しようと考える時には有効な手段とも言えます。
ステーブルコイン同士の売買方法
最近、大手仮想通貨取引所においてテザー(USDT)とのペア取引においてステーブルコインを取り扱う事も増えてきています。
そのことから米ドルにペグされたステーブルコイン同士の若干の取引価格において誤差が生じることで利益確定を狙う事も可能と言えます。
コインマーケットキャップにて米ドルにペグされたTrueUSDとUSD Coinについて見てみたいと思います。
(参照:コインマーケットキャップ)
それぞれ米ドルにペグされていると言われながらも若干の誤差生じており、TrueUSDは$1.02、USD Coinは$1.01で取引されていると表示されています。
日本円に例えれば、2円、1円ぐらいの誤差が出ています。
金融機関の外貨預金においては1円~2円など誤差が金融機関同士で比べるとあまり見られる光景なく、仮想通貨ならではの光景と言えます。
大手仮想通貨取引所バイナンスにおいてはどちらのステーブルコインも取り扱っており、他のステーブルコインをも取り扱っています。
そのため米ドルと言う基軸から見て、$1から多く表示されていれば売り時、$1から少なく表示されていれば買い時と判断する事ができます。
ステーブルコインのアービトラージ(裁定取引)みたいな取引ができるようにもなります。
しかし注意点もあり、取引手数料が売買する時の利益確定以上に支払いをするならば、逆に損益になっているためにどれくらいで利益確定を狙っていけばいいのか自分なりに計算し判断する必要があります。
ペグは船で例えれば錨のようなもの
ペグは船で例えれば錨のようなものと考えるとわかりやすいでしょう。
船から降ろされた錨は海底に沈み、その場所から船が流されないために固定されます。
しかし海上では波が立つために多少の潮の流れを受けます。
錨を下ろせば、船は多少その場から離れますが大きく離れはしません。
ステーブルコインも同様に米ドルに錨を下ろし、多少市場の流れに少しは流されますが、米ドルの現状の相場から大きく離れることはありません。
むしろ離れすぎていれば、発行元が健全な状態に仮想通貨を維持しようとすることから米ドルの$1に戻そうと資金投入などをして力を注ぎます。
そのため$1から大きく離れたステーブルコインであれば、売買するチャンスと捉えることもできます。
その結果、最近のテザー(USDT)が上位に躍進した理由して購入が増えてきたことも考えられます。
(参照:コインマーケットキャップ)
上記は最近(2018年12月)のテザーの時価評価です。
コインマーケットキャップにて5位を位置していますが、半年前は10前後を維持していました。
なぜ上位まで上って来たかについて最近注目されているテザー疑惑が原因の一つとも読み取れます。
テザー疑惑により信用懸念、しかし売買のチャンスにも
テザー疑惑とはUSDTの担保として米ドルを保有しているのか疑われている件で、テザー財団側は大丈夫と言うコメントをしながらも周囲からは疑いの目が掛けられています。
そのためテザーが今後保持できるのか信用問題になったことからテザーが$1以下の水準に達した事もありました。
しかしテザーは昔からあるステーブルコインであるために発行元からも手放したくない意図からか、その後テザー側からは好材料として安全である保障をアピールすることに努めてきました。
その事からテザーは$1水準に戻し、価格が安めの時に購入した方は利益を得る形になったことでしょう。
信用懸念がありつつも信用を戻そうとするステーブルコインはチャンスの機会であるとも言えます。
取引所によっては取引価格はバラバラ
ステーブルコインと言っても取引所によっては価格は若干の誤差が生じます。
(参照:コインマーケットキャップ)
上記の取引所におけるUSDTの価格はバラバラであることがわかります。
取引所によるアービトラージ、米ドルにおけるステーブルコイン同士のアービトラージなど考え方によってビットコインの主要な変動幅の大きい仮想通貨以上にリスクを抑え、利益に向かわせる事もできます。
まとめ
ステーブルコインでもペグされているから保有してても意味がないと思う方もおられますが、考え方によってはボラティリティがビットコインなどによりは少ない事から取引リスクの損益を抑えることにも繋がります。
発行元のリスクは当然理解しこのステーブルコインが安全と確信を得るのであれば、今後仮想通貨取引の新たな売買の仕方として認知されていくことでしょう。