ちょっとがっかりする事があったので吐き出すために書いてみます。
このコロナウイルス社会で普段は事務所に詰めている私も主に自宅で仕事をしています。いい機会なので、先週末に久しぶりに地元の古い友人とSkypeでビデオ通話してみました。
もう小学校時代からの友達なので、1年2年会っていなくても何も変わらない関係がそこにはありました。こういうのはうれしいものです。
しかし、途中から彼は妙な宗教の話を始めました。なんでも彼の友人の友人がブッダやキリストと同じように神の声を聞ける存在とのこと。そしてその人の言葉が、彼にはけっこう説得力があるものと聞こえる、とのことでした。第三者の私が聞いてみたところによると、神の存在がどうたらとか人間の存在がどうたらとか典型的なしょうもないよくある怪しい宗教の話以上のものではありませんでした。正直、聞く価値のある話ではありません。
古い友人の彼は、けして頭が切れるというタイプではありませんでした。しかし実直でまともな人間であり、そういった怪しいものには関与しないタイプかと考えていました。まともな判断力を持った人間と認識していました。しかし今回はどうやら、彼はそこそこその人の話に信憑性を感じているようです。おそらく彼とその仲介者の友人との関係性などもあるのでしょうが。
彼は私をその宗教に勧誘することもなく、ただ最近こういうものをやっていて、けっこう面白いなと感じていると話していました。熱狂的にのめり込んでいるというわけではありませんが、冷めてみているという感じでもありません。
私はべつに宗教を否定する人間でもありませんし、もしかしたらその自称預言者の方は本当に特別な方なのかもしれません(あり得ないでしょうが)。正直あまり興味は無いのですが、大切な古い友人がそこに少なくない興味を示している現状は、ひとことでいうととても残念でした。きみ、そんなにお馬鹿さんだったのか。。と。
そうはいっても、私は片道5時間以上かかる遠方の横浜在住ですし、こういうときに外野から何かを言われても人は聞き入れるものではないでしょう。共通の友人に相談するにも、彼は私との関係性があるから話をしてくれたわけで、勝手に情報を共有するというのもやはり違うように思います。私はやんわりと、彼から聞いた話の矛盾点を指摘するにとどめました(矛盾だらけの話でしたので。。)。今のところお金をせびられたり、何かを搾取されている様子はありませんでした。相手もそんなに悪い連中ではないのかもしれません。
彼は彼で、人生が成功しているとは言えないかもしれません。かつて夢がありましたがそれは破れました。20代と30代前半をそれに費やしたので、表現は難しいですが今の彼の生活はそのリスクに見合ったものです。自分の人生に満足していない、と言い換えられるかもしれません。そんなときに宗教などの一発逆転の可能性を示されると、人の心のサガとして揺らいでしまうのかもしれません。陰謀論や妙なスピリチュアル、似非科学やトンデモ理論、マルチ、酒やギャンブルに溺れる。共通しているのは現実逃避という側面でしょう。
私はSkype会議を終えた後、ぐったりと疲れてしまいました。なんというか、共通の価値観を持っていたかけがえのない古い友人との距離がだいぶ開いてしまったような感覚です。正直、彼からそんな話は聞きたくありませんでした。別に私を勧誘しようとしたわけでもなく、喧嘩したわけでもなく、友人関係が悪化したという話でも無いのですが。
人は変わってゆくものとは言え、残念だなと感じました。