
以前の記事(「『ショート』って何❓」)でショート取引の概要についてまとめました。ロングは買い(バイ)から入り、ショートは売り(セル)から入るのでした。両取引とも利益を上げるためには、安くバイして高くセルしなくてはいけないという点では同じでしたね🧐2つの取引は対称のように思えますが、非常に重要な非対称性が存在しますφ(..)
「ロングは家までショートは命まで」
この相場格言は、その不愉快な非対称性に起因しています。その非対称性とは、あるコインの価格には、(ゼロ円という)下限はあるが、原理的な上限は存在しないというものです。
ロング取引の場合、たとえば1BTCを80万円で買ったとすると(レバレッジをかけてないと仮定すれば)最大損失は80万円です。BTCの価格はゼロ未満には下がりようがないからです。価格というのは買い手と売り手の意思が合致したところで成立するものですが、ゼロ未満の価格でBTCを売ろういう意欲を持った人は存在しないでしょう。ゼロ未満の価格でBTCを売るということは、BTCを売った相手に(たとえば1BTC=マイナス1万円であれば)1万円も渡すという非合理なことになるからです。
ところがショート取引の場合、1BTCを80万円で売ってしまったら(レバレッジをかけてないと仮定しても)最大損失を事前に決定することは不可能です。というのは、合理的にそれ以上価格が上がらないというような、絶対的な上限をBTC価格について決めることができないからです。「いやいや、BTCのような実体のない電子情報を1億円で取引するのは非合理だよ」という人もいるでしょうが、将来1億円以上にBTCが価格上昇すると予測する人が1BTC=1億円で購入する意欲を持ち、その人にBTCを売る人がいれば1BTC=1億円は成立しますし、10億円だろうが100億円だろうがロジックは同じです。
このように、ある投資(投機❓)対象について、本源的価値(intrinsic value)によってではなく、単にもっと高くなると思う人にババを引かせるような感じで、期待のみでどんどん価格が上がっていくよというような理論のことを "Greater fool theory" と呼ぶそうです。
もしBTCが1000万円になってしまったら、80万の売りから入ったショーターは完全に焼き尽くされてしまいますね🔥
「ロングは家までショートは命まで」











