こんにちは、ハッキング被害には遭わずに済んだゆーこです。
TwitterはZaifの話題で持ちきりですね。ホットウォレットからの盗難って何やってんのって感じですが・・・
さて、気になったツイートのご紹介。
Zaifのプレスリリース「仮想通貨の入出金停止に関するご報告、及び弊社対応について」を読むと、今後の対応等についての記述にこうありました。
②お客様の資産等に関する支援の要請、及び、契約の締結
(一部省略)
弊社は、本日(平成30年9月20日)、JASDAQ上場企業である株式会社フィスコのグループ企業である株式会社フィスコデジタルアセットグループの子会社を通じて、弊社に対して、50億円を提供する金融支援、弊社の株式の過半数を取得する資本提携、過半数以上の取締役及び監査役の派遣、を検討する内容とする基本契約を締結するに至りました。
どうやらテックビューロは株式会社フィスコのグループ企業から50億円の支援を受けてハッキング被害の補填に回すようです。
COMSAで集めた100億円は時計になったのかな( ◠‿◠ )
なるほど、そうなると補填してもらえるかどうかは株式会社フィスコのグループ企業とやらの体力にかかってそうです。
上場企業であればEDINETというページで財務諸表を見ることができるので、早速フィスコ(3807)のものを見てみましょう・・・最新の四半期報告書から。
これを見ると、「現金及び預金」は10億ちょっとしかありません。比較的換金しやすい「流動資産」でも56億、Zaifに50億円も渡すと事業に支障が出ます。
ツイートを引用させてもらったこぺるさんの言う通り、投資有価証券を売却でもしない限りは捻出できなさそうです。
・・・でも、実はこの分析は間違っています。
というより、この財務諸表からは分析不可能という方が正しいでしょうか。
なぜならば、株式会社フィスコ(3807)の「連結範囲」に株式会社フィスコデジタルアセットグループ(その子会社も)は含まれていないからです。
先ほど紹介した連結貸借対照表ですが、これには株式会社フィスコだけではなくて連結子会社の保有している資産についての情報も含まれています。
子会社の経営意思決定も基本的に親会社がするなら実質同じ会社みたいなもんだし、まとめた財務諸表にしてしまった方が良い情報になるんじゃないの?的な考え方からこのような財務諸表を作成するのです。
なので、子会社っぽい「株式会社フィスコデジタルアセットグループ」の情報も含まれているような感じがしますよね。
ですが、そのテックビューロに支援することになっている会社(名前不明)の親会社である「株式会社フィスコデジタルアセットグループ」について、先ほどの四半期報告書内にこのような記述があります。
第1四半期連結会計期間より、当社連結子会社であった株式会社フィスコデジタルアセットグループ(以下、「フィスコデジタルアセットグループ」といいます。)において第三者割当増資が行われ、同社が連結子会社から持分法適用関連会社に変更されたことに伴い、フィスコデジタルアセットグループ及び同社連結子会社である株式会社フィスコ仮想通貨取引所及び株式会社サンダーキャピタルについては、連結の範囲から除外いたしました。
・・・簡単に言うと、「株式会社フィスコデジタルアセットグループの経営意思決定権は他の会社に移っちゃったから、ここの資産を一緒に載せる意味なくなっちゃった☆だからもう載せてないよー」って感じです。
ややこしくなってきたので図示してみましょう。
上場会社であるフィスコの財務諸表(貸借対照表)上で資産が合算される子会社の範囲は下の図、赤丸の部分だけなのです。
テックビューロに金融支援をする「株式会社フィスコのグループ企業である株式会社フィスコデジタルアセットグループの子会社(ながい…)」は赤丸の外です。上場会社である株式会社フィスコが強調されているプレスリリースでしたが、なかなかの遠縁です。
という訳で、本当に支援可能かは株式会社フィスコの財務諸表だけからは読み取れないのでした。
被害に遭った人、補填してもらえる・・・よね?
ちなみに株式会社フィスコ(3807)の株は上がったようです。
<JQ>フィスコが大幅高 テックビューロに支援検討で合意
市場では「ブロックチェーン技術に強みがあるテックビューロをいずれ子会社化する内容とみられ、事業拡大期待が高まっている」(財産ネットの藤本誠之氏)との声が聞かれた。
ですって。
とりあえず、テックビューロさんには誠実な対応をして欲しいものです。期待できないけどw
今回もお読みくださりありがとうございました♪
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