こんにちは、倉田幸暢です。
ぼくはいま、つぎの3つのことに夢中になっています。
・まなぶ
・つくる
・わかちあう
これは、ぼくの個人的な考えなのですが、人は、その人自身がおもしろいとおもうことについて、この3つのことをしていくことで、おもしろいことをしつづけながら、たのしくくらしていけるのではないかとおもっています。
ここでは、この3つのことについて、2019年にぼくがやってきたことをお話させていただきたいとおもうのですが、その前にまず、この3つのことについて、もうすこし、くわしく説明させていただきたいとおもいます。
なにかを「まなぶ」ことで、それまで知らなかったおもしろいことを知ったり、あらたな気づきを得たりすることは、とてもたのしいことだとおもいます。ですが、そのことを自分が知るだけでおわってしまうのは、自分にとっても、ほかの人にとっても、もったいないことではないかとおもいます。自分が知っていることを、ほかの人につたえようとするなかで、あらたな気づきを得ることはよくあります。ですので、おもしろいことは、せっかくなら、ほかの人にもわけてあげるのがいいのではないかとおもいます。
ですので、自分が「まなぶ」だけではなく、そのおもしろさを、ほかの人にもつたえるためのものを「つくる」ことも、たいせつなのではないかとおもいます。それは、文章かもしれませんし、絵かもしれませんし、映像かもしれませんし、音楽かもしれません。そのように、いろいろなかたちの「つくる」があるだろうとおもいます。また、「つくる」ことは、それ自体がおもしろいことでもあるとおもいます。そうして、「つくる」なかで感じたおもしろさも、ほかの人たちと「わかちあう」ことができる、いいもののひとつになるのではないかとおもいます。
そうしてできあがったものを、ほかの人たちと「わかちあう」ことで、自分がもっているいいものをほかの人にあげたり、ほかの人たちから感想や感謝をもらったりすることも、たいせつだとおもいます。そうすることで、自分がおもしろいとおもっていることが、ほかの人のためにもなっているということが、うれしくおもえるのではないかとおもいます。また、おたがいがもっているいいものを交換することも、「わかちあう」ことのひとつのかたちです。自分がつくったものを、ほかの人たちがもっているいいものと交換することで、この3つのことをしつづけていくための、いろいろな「資源」を得ることができるとおもいます。
この3つのことをしていくなかで、目をかがやかせながら、なにかに夢中になったり、もてる力をすべて出しきって、全力をつくすことができたときには、生きがいを感じることができるのではないかとおもいます。
このように、「まなぶ」、「つくる」、「わかちあう」、という3つのことをしていくことで、おもしろいことをしつづけながら、たのしくくらしていけるのではないかとおもいます。
また、この3つのことをしていくことで、おもしろいことをしつづけながら、たのしくくらしていける人は、ほかにもたくさんいらっしゃるとおもいます。ですので、ほかの人たちにも、この3つのことをおすすめしたいなとおもっています。
そのために、ぼく自身がこの3つのことをしているなかでうまれたものを見てもらったりして、そのおもしろさをつたえていって、ほかの人たちの好奇心をくすぐりたいとおもっています。
そうして、その人たちの好奇心をくすぐることができれば、その人たちにも、この3つのことをとおして、おもしろいことをしつづけながら、たのしくくらしていきたい、とおもってもらえるのではないかとおもいます。
このようにして、ほかの人たちも、この3つのことをとおして、自分がおもしろいとおもうことをつたえてくれるようになって、さらにほかの人たちの好奇心をくすぐっていく、というかたちで、おたがいの好奇心をくすぐりあうことが増えていくといいなとおもいます。
そんなふうにして、いろんな人がおたがいの好奇心をくすぐりあうことが増えて、たのしませてもらったり、たのしませてあげたりすることが増えれば、もっとたくさんの人が、目を輝かせてなにかに夢中になれるんじゃないかなとおもいます。
たくさんの人が、目を輝かせて生きている社会は、きっと、いい社会なのだろうとおもいます。
ここからは、2019年にぼくがやってきた、「まなぶ」、「つくる」、「わかちあう」、という3つのことについて、お話させていただきたいとおもいます。
また、参考として、いろいろと余談もいれていますが、もし興味があれば、ながめてみていただければとおもいます。
ちなみに、ところどころに、エピグラフ(題句)をたくさんいれています。ぼくは、エピグラフが大好きなので、もし興味があれば、そのあたりもたのしんでいただければうれしいです。
m(_ _)m
目次
1. まなぶ
1-1. 酒呑童子説話の絵巻物・香取本『大江山絵詞』の研究
1-2. いちばん大きなテーマは、「人間ってほんとはどんな存在なんだろう?」
1-3. ブログ記事での研究成果の公開と加筆・修正
1-4. 好奇心という名の果てしない沃野に踏み出せば、競争する必要がなくなる
2. つくる
2-1. 2019年に書いた、酒呑童子説話についての研究論文
2-2. 2019年につくった、「鬼シンポジウム」のPV映像
2-3. Blenderをつかった2Dアニメの映像(をつくるための実験的な試作品)
2-4. 参考: 過去につくったもののご紹介
2-4-1. アニメ的な映像や、3Dアニメーションなど
2-4-2. 3Dモデル制作: Sketchfabへの投稿作品
3. わかちあう
3-1. 「わかちあ
3
3-3.
4. 「それぞれの光を捜し求める長い旅の途上」
「わたしは、オーケストラの指揮のできる首相だの、考古学的発掘をみずからこころみる実業家だの、といった、はばの広い大きな人物のいる社会は、ほんとうに学問だの知識だのがたのしく生きている社会なのではないか、と思う。そして、そんなふうに多面的な人間をそだてる社会は、きっと、いい社会なのだろうと思う。」
(加藤秀俊『独学のすすめ』, 文春文庫, 190ページ.)
「よくしらべてみると、これまで東西の大学者、思想家と呼ばれる人たちのすくなからぬ部分が、学校教育をうけることなく、独学で勉強していたことがわかる。
いや、学校に入らなければ学問はできない、などという思想は、ついこのあいだ出来たばかりの新興思想にすぎないのであって、人間の知識の歴史のうえでは、「独学」こそが唯一の学問の方法であったのではないか。
だいいち、学校などというものが、こんなにいっぱいできたのはここ二、三十年の新世相だったのである。
人間が、なにかを学ぼうとするとき、たよりになるのはじぶんじしん以外にはなにもないのがふつうなので、「独学」以外に学問の正道はなかった。
〔中略〕
「教育」とは、一生つづくものであり、その大部分は「独学」によるものだ」
(加藤秀俊『独学のすすめ』, 文春文庫, 18ページ, 21ページ.)
「「独学」とは、主体的に学ぼうとする姿勢のことにほかならない」
(加藤秀俊『独学のすすめ』, 文春文庫, 222ページ.)
「子どもたちの世界は、いつも生き生きとして新鮮で美しく、驚きと感激にみちあふれています。残念なことに、わたしたちの多くは大人になるまえに澄みきった洞察力や、美しいもの、畏敬すべきものへの直感力をにぶらせ、あるときはまったく失ってしまいます。
もしもわたしが、すべての子どもの成長を見守る善良な妖精に話しかける力をもっているとしたら、世界中の子どもに、生涯消えることのない「センス・オブ・ワンダー=神秘さや不思議さに目を見はる感性」を授けてほしいとたのむでしょう。 」
(レイチェル・カーソン『センス・オブ・ワンダー』, 23ページ.)
「探究は風にえい知を乗せる……」
(「大森林の伝説(REMIX)」(『Final Fantasy 1987-1994』収録))
「まなぶ」ということについて、ぼくはいま、酒呑童子の説話についての研究をしています。(説話というのは、神話や伝説や昔話や民話などの総称です。)
ひとくちに、酒呑童子の説話と言っても、その範囲は、絵巻物や、書籍、能楽の謡曲(能本)、屏風絵、浄瑠璃、などなど、いろいろな分野にわたっています。それらのなかで、ぼくがおもな研究対象としているのは、現存最古の酒呑童子説話をつたえる絵巻物である、香取本『大江山絵詞』という絵巻物です。(香取本『大江山絵詞』は、「かとりぼん おおえやまえことば」と読みます。)
ぼくは、その香取本『大江山絵詞』の絵巻物を、研究対象の中心にすえて、日本の中世の時代につくられた酒呑童子の説話や、それに関連することがらについて研究しています。この研究でおもなテーマとしていることは、「酒呑童子の中世説話について考えることをとおして、見せかけのおおいをとりはらった人間のすがたを知る」ということです。
ちなみに、この「酒呑童子説話の研究」は、じつは、より大きな研究テーマをささえる柱のひとつなのですが、それについては、つぎのところでお話させていただきたいとおもいます。
さきほど、酒呑童子説話の研究についてお話しましたが、この研究をしている理由は、「人間って、ほんとはどんな存在なんだろう?」ということが知りたいからでもあります。さきほどお話したように、酒呑童子説話の研究をするうえでのテーマとして、「見せかけのおおいをとりはらった人間のすがたを知る」ということをテーマにしているのも、「人間ってほんとはどんな存在なんだろう?」という疑問についてのヒントが得られるとおもったからです。
ぼくのなかでは、この「人間って、ほんとはどんな存在なんだろう?」という疑問が、人生をかけて考えるべき大きなテーマのひとつになっています。人間というものにまつわる、虚飾や、喧伝や、隠蔽や、過小評価や、過大評価や、誤解や、常識、などの「おおい」をとりはらったときに見えてくる人間のすがたとは、いったいどんなすがたなんだろうか?ということが知りたいとおもっています。
その大きなテーマをかんがえるうえでの材料のひとつが、「酒呑童子の中世説話」なのです。日本の中世の説話のなかでは、人間のすがたは、つつみかくさず、あけすけに描かれていることが多いので、「ほんとの人間のすがた」について考えるうえでのヒントになります。また、説話のなかで、あからさまに表現されていない場合であっても、その行間からは、良くも悪くも、じつに人間らしくて、人間くさい、人間ドラマをかいま見えてくる、ということも多いです。このように、酒呑童子説話の研究をしているおもな理由は、「ほんとの人間のすがた」について考えるうえでの、ヒントが得られるからです。
このように、ぼくにとって、酒呑童子説話の研究は、より大きなテーマをささえる柱のひとつなのです。ですので、じつは、酒呑童子の説話についてだけ考えているわけではなかったりします。そもそも、酒呑童子の説話について調べはじめたきっかけは、「ハーメルンの笛吹き男」の伝説だったりします。また、チンパンジーをはじめとする類人猿についての研究や、人類学、「下から見た歴史」(民衆の歴史)、心理学、などについても、興味があっていろいろと調べていたりします。(このあたりの話も、またいつか機会があればお話できればなとおもいます。)
このように、「人間って、ほんとはどんな存在なんだろう?」という大きなテーマがまずあって、それをささえる柱のひとつとして、酒呑童子の中世説話についての研究をしている、というような位置づけなのです。
ぼくは、研究をすすめていくやりかたのひとつとして、研究している論題ごとに、複数のブログ記事をつくって、そこにすこしずつ内容を書き加えていくかたちで、研究の成果を公開していっています。(研究成果を掲載しているそれらのブログ記事は、この下に列挙しています。)
ちなみに、「ブログ記事を公開したあとで、内容を書き加えていく」というやりかたをとっているので、まとまりのない断片的な情報のあつまりのようになっている部分も多々あります。ですが、はじめは中途半端な完成度でもかまわないので、とりあえず、記事として公開できるぐらいの内容ができあがった時点で早めに公開して、あとから、すこしずつ加筆・修正をくわえていく、というやりかたを、あえて選んでいるので、その問題については、あまり気にしていません。
むしろ、研究成果を頻繁にすこしずつ公開していくことで、見てくれる人たちの目に触れる接触頻度を高めていくことができるので、広告・宣伝とおなじような効果がある、ということのほうがたいせつではないかとおもいます。また、研究をすすめていく過程のようすを見てもらうこと自体も、ひとつのコンテンツになるのではないかとおもいます。また、頻繁に研究成果を公開するためには、頻繁に締め切りを設定することになるので、頻繁に締め切りの強制力がはたらくことになり、研究成果をしあげていく作業のあと押しになるのではないかとおもいます。
ちなみに、それぞれの論題についての記事がある程度まとまったら、それらの内容をまとめて、Kindleなどの電子書籍として出版してみたいなと、おもっていたりします。イメージとしては、ブログ記事に掲載している研究成果の内容は、つねに流動的に変化し続けていく「いきもの」のようなものであり、一方、ある程度のところでまとめて、電子書籍などとして出版した研究成果の内容は、もうそれ以上変化しない、「石に刻まれた文字」のようなものである、といえるかもしれません。
この下に列挙しているブログ記事は、それぞれ、個々の研究論題についての記事です。さきほどお話したような理由から、書きかけになっている部分が多くなっていますが、あまりお気になさらないでいただければとおもいます。
【ブログ記事】
香取本『大江山絵詞』の「平野山」と「近江国かが山」: 比叡山延暦寺による土地領有権説話としての酒呑童子譚
https://wisdommingle.com/enryakuji-temple-on-mount-hieizan-claim-sovereignty-over-mount-hiranoyama-area-and-ominokuni-mount-kagayama-area-in-the-tale-of-oeyama-ekotoba-the-picture-scroll-of-shuten-doji-the-oni-king/
【ブログ記事】
山魈(マンドリル)の五色、大猩猩(ゴリラ)の黒色、白猿(ハヌマンラングール)の白色をあわせもつ、サイケデリックな「色々」のサルとしての酒呑童子
https://wisdommingle.com/multitudinous-psychedelic-colorful-aspects-of-shuten-doji-the-oni-king-as-mandrill-gorilla-and-hanuman-langur/
【ブログ記事】
現存最古の酒呑童子説話『大江山絵詞』(香取本)の絵巻物の詞書の文章や釈文や現代語訳や詞書・絵図の並び順など
https://wisdommingle.com/oeyama-ekotoba-narrative-caption-texts-the-picture-scroll-of-shuten-doji-the-oni-king/
【ブログ記事】
「鬼シンポジウム in ふくちやま2019」のイベント紹介レポート(世界鬼学会設立25周年記念イベント) | WisdomMingle.com(ウィズダムミングル・ドットコム)
https://wisdommingle.com/reportage-about-oni-symposium-in-fukuchiyama-city-2019/
【ブログ記事】
無動寺谷(比叡山延暦寺)の修験道山伏が、香取本『大江山絵詞』の祖型となった酒呑童子説話にあたえた影響
https://wisdommingle.com/relation-between-shugendo-yamabushi-buddhist-monks-in-mudojidani-area-of-enryakuji-temple-on-mount-hieizan-and-the-tale-of-oeyama-ekotoba-the-picture-scroll-of-shuten-doji-the-oni-king/
【ブログ記事】
鬼の霊木と竜宮たる比叡山延暦寺の水神 酒呑童子 | WisdomMingle.com(ウィズダムミングル・ドットコム)
https://wisdommingle.com/the-sacred-tree-of-shuten-doji-the-oni-king-as-the-god-of-mount-hiei-enryaku-ji-temple-as-ryugu-the-palace-of-the-dragon-king/
【ブログ記事】
酒呑童子の絵巻物を、みんなで修復して、 みんなで共有しよう | WisdomMingle.com(ウィズダムミングル・ドットコム)
https://wisdommingle.com/crowdfunding-for-repairing-and-sharing-picture-scroll-of-shuten-doji-the-oni-king/
【ブログ記事】
首塚大明神(酒呑童子の首を埋めた首塚)
https://wisdommingle.com/kubizuka-daimyojin-the-shrine-of-the-burial-mound-for-the-head-of-shuten-doji-the-oni-king-in-kyoto-city/
【ブログ記事】
Q&A:「比叡山延暦寺の酒呑童子ゆかりのおすすめ鬼スポットを教えてくださいな♬」
https://wisdommingle.com/my-recommended-place-related-to-the-tales-of-shuten-doji-the-oni-king-at-enryakuji-temple-in-mount-hieizan-qa-20191102/
【ブログ記事】
鬼王巡礼:酒呑童子八千箇所めぐり(酒呑童子やちかしょめぐり)
https://wisdommingle.com/multitudinous-pilgrimage-places-related-to-the-tales-of-shuten-doji-the-oni-king/
【ブログ記事】
花祭り(奥三河・東栄町)についてのメモ
https://wisdommingle.com/memorandum-about-hana-matsuri-festival-and-the-ritual-oni-dance-in-toei-town-kitashitara-county-aichi-prefecture-japan/
【ブログ記事】
麒麟無極と邪見極大の謎: 香取本『大江山絵詞』に記された酒天童子(酒呑童子)の側近たち
https://wisdommingle.com/kirinmugoku-and-jakengokudai-in-the-tale-of-oeyama-ekotoba-the-picture-scroll-of-shuten-doji-the-oni-king/
「知識のすばらしい一面は、それがまぎれもなく無尽蔵であることだ。アイデアや発見、発明が枯渇することなど理論的にもありえない。これが私の楽観論を支えるいちばんの理由なのだ。情報には物質よりはるかに膨大だという際立った特徴がある。まだこれから生まれる可能性のあるアイデアの世界に無数の組み合わせがあることを考えるなら、物質の世界など卑小なものだ。ポール・ローマーが述べたように、一ギガバイトのハードディスクに記録できるソフトウェアプログラムの数は、この宇宙に存在する原子数のニ七〇〇万倍にもなる。」
(マット・リドレー『繁栄』(文庫版), 424ページより.)
「道理に基づく確信をもっていえるのは、なによりも重要な資源と思われるもの ― つまり人間の創造力が、ますます利用できるようになっているということだ。ある有名な地質学者がかつていったように「石油は人間の頭のなかで見つかる」。二一世紀のためのエネルギー対策は、世界中のひとびとの頭のなかで見つかるだろう、とその言葉を修正しておこう。そして、その資源ベースは成長している。」
(ダニエル・ヤーギン『探求: エネルギーの世紀 (下)』, 433ページ.)
「経済学の基本的な考えですが
2国間で貿易を行うとしたら
その2国は異なる国である必要があります
もし あなたが私とまったく同じ人間なら
交換するものは何もありません
〔中略〕
理想的な貿易とは
異なる2国間で行うべきなのです
私の欲しいものをあなたが持っていたり
あなたのできないことを私ができたら
それが基本的な経済の重力です
異なる2つのものを引き合わせます」
(トーマス・セドラチェクの言葉, 「BS1スペシャル 欲望の資本主義 特別編 欲望の貨幣論2019」.)
「あらゆる境界は、わたしたちの想像や夢の源泉であり、始源のイメージ群が湧きいづる場所である」
(赤坂憲雄「内部と外部の神話」, 『異人論序説』 , 15ページ )
「日本でも西洋でも、ついこの間までは「学問」とは、しょせん「学問」ということであり、その「学問」とは、要するに知識を探求する、ということ以外のなにものでもなかった。知識の領域は、ぼんやりとわかれていたけれども、ひとりの人間の内部では、さまざまな領域にわたっての好奇心がひとつに統合されていた。レオナルド・ダ・ヴィンチなどはその典型ともいうべき人物であって、かれはいっぽうでは、揚水機だのハシゴ車だの飛行機の原型などをつくりながら、他方では人体解剖図をつくったり、流水の研究をしたりもした。そして、人生論も書いたし、あの「モナ・リザ」をもふくめて、たくさんの名画ものこした。かれののこした論考は五千枚におよび、そのテーマは、万華鏡のごとく多岐にわたっているのである。
〔中略〕
かれは、あらゆることに興味をもち、その興味のおもむくままに、あらゆることをしてみた、というだけのことなのである。「専門」という名の、ふしぎな制限をもたなかったことがあの、のびやかで雄大なひとりの人物をつくったのだ。学問とか知識とかいうものは、じっさいは茫洋としていて、どこにも境界線なんか、ありはしない。
〔中略〕
知識のありかたがバラバラであるほど、じつは、それを互いにつなぎあわせ、総合化する努力が必要なのではないか。そして、人間のがわも、かつての人間がもっていた健全な多面性を要求されているのではないか。
〔中略〕
わたしは、オーケストラの指揮のできる首相だの、考古学的発掘をみずからこころみる実業家だの、といった、はばの広い大きな人物のいる社会は、ほんとうに学問だの知識だのがたのしく生きている社会なのではないか、と思う。そして、そんなふうに多面的な人間をそだてる社会は、きっと、いい社会なのだろうと思う。」
(加藤秀俊『独学のすすめ』, 文春文庫, 182~190ページ.)
ひとりの人が興味をもっている分野だけにかぎったとしても、この世界には、調べるべきことがらや、考えるべきことがらが、とてつもなくたくさんあるとおもいます。 しかも、調べれば調べるほど、知らなかったものごとがたくさん見つかります。 これはつまり、「まなぶ」べきことが、ものすごくたくさんある、ということです。
ですので、もし、はじめは、ほかの人と似たようなことに興味をもって調べはじめたとしても、ふかく調べれば調べるほど、ふかく知れば知るほど、どんどん、ほかの人たちとは異なる知識が増えていきます。そして、おなじことを調べている人や、おなじことを知っている人が、どんどんすくなくなっていきます。
また、いろいろな分野の興味のあることがらを、たくさん調べれば調べるほど、たくさん知れば知るほど、いろいろな分野のなかの、一見すると無関係におもえることがらのあいだに、つながりを見いだせるようになっていきます。 そういった、いろいろな分野のことがらを組み合わせることで、それまでになかったようなものをうみだすことができるようになっていきます。
このように、ひとりひとりが、自分の好奇心にしたがって、おもしろいとおもうことをふかく探求していくと、自然と、ひとりひとりが、別々のことがらについて考えたり、調べたりするようになっていくのではないかとおもいます。そうすることで、ひとりひとりが、独自性をもった、この世に一人しかない、価値ある存在になることができるのではないかとおもいます。
「価値」と一言でいっても、いろいろな視点から見た価値があるとおもいます。そのなかでも、希少価値というのは、価値のなかでも大きな位置を占めているのではないかとおもいます。つまり、おもしろいとおもうものをふかく探求していくことで、自然と、希少価値が高まっていくのではないかとおもいます。
そうして、ひとりひとりが、それぞれ別々の希少価値をもつようになれば、不必要な競争をなくすことができるのではないかとおもいます。不必要な競争をなくすことができれば、それまで、不必要な競争についやされていた時間とエネルギーを、それぞれの人がおもしろいとおもうことに、そそいでいくことができるのではないかとおもいます。そうなれば、おもしろいとおもうことを、さらにふかく探求していくことができるようになり、さらに希少価値が高まっていくのではないかとおもいます。
ですので、好奇心のおもむくままに、自分がおもしろいとおもうことを、ふかく「まなぶ」ことは、とてもたいせつなことではないかとおもいます。
「頭にひらめいたことを、ただちに手を通してかたちのあるものにし、そのアイデアを実証せずにはいられない人間。こういう人のことをホモ・ファーベルと呼ぶそうである。変な表現だが、『手の人』『モノをつくる人』というわけだ。」
(本田宗一郎『やりたいことをやれ』, 125ページ.)
「遊びをせんとや生(うま)れけむ
戲(たはぶ)れせんとや生(むま)れけん
遊ぶ子供の声聞きけば
我が身さへこそ動(ゆる)がるれ」
(「四句神歌」, 『梁塵秘抄』巻第二.)
「すべては物語の問題である。
私たちが悩みを抱えているのは良い物語がないからだ。
私たちは一つの物語の終わりと新しい物語の始まりの間にいる。
昔話はもはや機能しない。
しかし私たちはまだ新しい物語を読んでいない。」
(Thomas Berry (1978年) "The New Story" Teilhard Studies, no. 1, p. 1.)
「よい物語とはもちろんすべて絵と思想からなる。
それらがよく混ざりあうほど、問題はうまく解決する。」
(ヘンリー・ジェイムズの言葉,『奇想の美術館』, 13ページ.)
「何かをうまくやるためには、それを愛していなければならない。ハッキングがあなたがやりたくてたまらないことである限りは、それがうまくできるようになる可能性が高いだろう。14歳の時に感じた、プログラミングに対するセンス・オブ・ワンダーを忘れないようにしよう。 」
(ポール・グレアム『ハッカーと画家』, 237ページ.)
「何かをしようっていう原動力は、いつだって、
初めは生存に関係していて、
それから社会的なものへと移り、
最後は純粋な楽しみになる。」
(リーナス・トーバルズ『それがぼくには楽しかったから』, 13ページ.)
「つくる」ということについて、2019年にぼくがしたこととしては、酒呑童子説話の研究についての研究成果として、下記の論文を書いたことがあげられます。(この下のリンクから、論文のPDFをご覧いただけます。)
「香取本『大江山絵詞』の「平野山」と「近江国かが山」: 比叡山延暦寺による土地領有権説話としての酒呑童子譚」
この論文は、世界鬼学会の会誌に投稿するために書いたものです。(世界鬼学会というのは、鬼について研究している人たちや、鬼好きな人たち、鬼に興味がある人たちがあつまっている団体です。ちなみに、世界鬼学会の本部は、大江山鬼伝説の地・福知山市大江町にある、日本の鬼の交流博物館(鬼博)です。)
この論文は、この下のリンクのブログ記事でもご覧いただけます。(いままだ、そこまで手がまわっていないのですが、この下の記事では、上記の論文の内容を、随時、加筆・修正していって、最新版の内容を見られるようにしていきます。)
【ブログ記事】
香取本『大江山絵詞』の「平野山」と「近江国かが山」: 比叡山延暦寺による土地領有権説話としての酒呑童子譚
https://wisdommingle.com/enryakuji-temple-on-mount-hieizan-claim-sovereignty-over-mount-hiranoyama-area-and-ominokuni-mount-kagayama-area-in-the-tale-of-oeyama-ekotoba-the-picture-scroll-of-shuten-doji-the-oni-king/
「つくる」ということについて、2019年にぼくがしたこととしては、ほかにも、「鬼シンポジウム in ふくちやま2019」というイベントのPV映像をつくったことがあげられます。(下記の動画が、そのPV映像です。)
「鬼シンポジウム in ふくちやま2019」非公式PV
このPVの映像は、2019年11月9日に、大江山鬼伝説の地・京都府福知山市大江町にて開催された、「鬼シンポジウム in ふくちやま2019」のイベントについて知ってもらいたくてつくった映像です。 (この映像は、ぼくが個人的につくった映像なので非公式なものです。)
(もうひとつの理由としては、北広島町の旭神楽団さんの広島神楽の公演が、めちゃくちゃかっこよくて、興奮のあまり、つくってしまった、という理由もあります(笑)。この動画は、ほとんど、旭神楽団さんの囃子のかっこよさに支えられていると言っても過言ではありません。)
このPVの映像については、この下のリンクの記事で、くわしくお話していますので、もし興味があれば、ご覧いただければとおもいます。
【制作作業の舞台裏についての記事】
PV映像の制作作業の舞台裏: 「鬼シンポジウム in ふくちやま2019」非公式PV
https://wisdommingle.com/behind-the-scenes-of-making-the-promotional-video-of-oni-symposium-in-fukuchiyama-city-2019/
また、このPVで紹介している、「鬼シンポジウム in ふくちやま2019」のイベントについては、この下のリンクの、イベント紹介レポートの記事で、くわしくお話していますので、もし興味があれば、ご覧いただければとおもいます。
「鬼シンポジウム in ふくちやま2019」のイベント紹介レポート(世界鬼学会設立25周年記念イベント)
https://wisdommingle.com/reportage-about-oni-symposium-in-fukuchiyama-city-2019/
「つくる」ということについて、2019年にぼくがしたこととしては、ほかにも、Blenderをつかった2Dアニメの映像をつくるための、実験的な試作品をつくったことがあげられます。(この下の画像に写っているものも、そうした試作品のひとつです。)
いま、ぼくは、Blender(ブレンダー)というソフトウェアをつかってつくった2Dアニメのキャラクターの映像と、実写の映像を組み合わせた映像をつくろうとおもっています。
ぼくは、酒呑童子の説話の研究のために、各地の神社や、お寺や、名所旧跡などをめぐっているのですが、そのときに、できるだけ、その現地の映像をカメラで撮影するようにしています。
そうして撮りためてきた実写の映像のなかに、2Dアニメのキャラクターを登場させて、その映像に映っている名所旧跡にまつわる伝承などの解説をしてもらう、というかたちの映像をつくろうとおもっています。
ちなみに、Blender(ブレンダー)というのは、3D制作のためのオープンソース・ソフトウェアです。こう聞くと、「3D制作用のソフトをつかって、なんで2Dアニメをつくるの?」と、疑問におもわれるかもしれませんね。
じつは、これまでに、何度か、Blenderをつかって、3Dアニメをつくろうとしたのですが、ぼくの技術と経験では、制作にものすごく時間がかかってしまったので、現実的な選択肢ではない、と判断したのです。
ですが、Blenderは、いろいろとおもしろいことができるソフトウェアなので、なんとか機会をつくって本格的につかっていきたいな、とずっとおもっていました。それと、Blenderがオープンソース・ソフトウェアであるというところも、オープンソース文化が大好きなぼくにとっては、赤丸要チェックなポイントでした。
そして、最近のBlenderは、Grease Pencil(グリースペンシル)という機能が強化されてきて、ひらべったい平面的な2Dアニメを制作するうえでも便利なソフトウェアになってきました。(この下の動画は、Grease Pencilの機能をつかってつくられた2Dキャラクターのデモ映像です。ご参考までに。)
そんなこんなで、いまは、Blender(ブレンダー)のGrease Pencil(グリースペンシル)の機能をつかって、2Dキャラクターのアニメをつくろうとしています。
この下の画面に映っている2Dキャラクターは、BlenderのGrease Pencil(グリースペンシル)の機能をつかって、2Dのキャラクターをつくってみるこころみのひとつとして、ぼくが実験的につくってみた試作品です。(ちなみに、このキャラクターは、あとで紹介するアニメ作品の登場人物です。)
この上の画面の2Dキャラクターの絵が、Grease Pencil(グリースペンシル)の線をつかって、どんなふうにつくられているのか、ということがわかりやすいような画面表示にすると、この下の画面のようなかんじになります。
こんなふうに、なにやらいろいろな線(Grease Pencilの線)が集まって、この2Dキャラクターの絵ができているらしい、ということがおわかりいただけるかとおもいます。
ちなみに、上の画面に写っている2Dキャラクターは、ミニアニメ『ガルパ☆ピコ』の主人公の戸山香澄というキャラクターです。(この下の動画をご参照ください。)
このアニメは、多くの人が「アニメ」という言葉を聞いておもいうかべるような、いわゆる「手描きアニメ」ではなく、「ベクター画像(静止画)アニメ」とでも言うようなかたちのミニアニメです。
(もしかすると、このような説明は正確ではないかもしれませんが(汗)、ここでは便宜的に、「ベクター画像(静止画)アニメ」と呼ばせていただきたいとおもいます。)
具体的には、キャラクターの絵は静止画(ベクター画像)でできているのですが、口や手などの体のパーツだけを部分的に動かしたり・部分的に切り替えたり、静止画を伸ばしたり縮めたり、拡大縮小したりすることで、キャラクターが生き生きと動いているように見せています。
このような、「ベクター画像(静止画)アニメ」は、アニメ制作にかかる手間や時間が、比較的少なくてすみます。逆に、「手描きアニメ」や、「3Dアニメ」をつくろうとすると、手間や時間がとてもかかります。
ぼくの場合は、自分ひとりの力で、できるだけ高い頻度で、映像作品をつくって公開していきたい、とおもっています。ちなみに、最初は、3Dキャラクターをつかったアニメ映像をつくろうとおもっていました。ですが、ぼくの技術や経験では、3Dキャラクターをつかったアニメ映像をつくろうとすると、ものすごく時間がかかるということが、途中でわかりました(笑)。そこで、方針を変えて、「ベクター画像(静止画)アニメ」のような、なるべく、手間や時間がかからないかたちの制作方法でつくっていくことにしました。
そのような目的にてらしてみると、この『ガルパ☆ピコ』というミニアニメは、すくない動きや、単純な動きだけで、キャラクターが生き生きと動いているように見せていて、とてもうまいつくりになっているなとおもいます。(とはいえ、ここまでよくできた作品にするには、センスや、技術や、手間ひまが、すごく必要なのだろうなとはおもいます(汗)。)
そういったこともあって、自分が2Dアニメの映像をつくるにあたって参考にしたい作品のひとつとして、このミニアニメを参考にさせていただいています。(ちなみに、ぼくがつくろうとしている映像では、そこまで2Dキャラクターの動きは多くならないだろうとおもいます。ですが、それでも、このミニアニメのような、生き生きとしたキャラクターの動きは、いい参考になるだろうとおもいます。)
ちなみに、この下の画像のたぬきと、いぬのラフ画は、ぼく自身のアバターのようなかんじでつかおうとおもっているキャラクターの絵です。自分のアバターのキャラクターを、いぬにしようか、たぬきにしようか、いろいろと悩んだのですが、いまのところ、たぬきにしようかなとおもっています。
このたぬきのキャラクターの名前は、「くら多縫鬼(くらたぬき)」にしようかなとおもっています。「くら多縫鬼(くらたぬき)」、略して「くらた」です(笑)。
(自分のアバターを、たぬきにしようとおもった理由や、「多縫鬼」という漢字をえらんだ理由などは、またべつの機会にでも、お話しできればとおもいます。)
この上のラフ画をもとにして、BlenderのGrease Pencil(グリースペンシル)の機能をつかって、平面的な2Dのたぬきのキャラクターをつくろうとしている途中の状態が、この下の画像です。
このときは、まだ、Grease Pencilの使い方がよくわかっていなかったので、なんだか線がうにゃうにゃしています(笑)。ちなみに、さきほどお見せした『ガルパ☆ピコ』の2Dキャラクターを、Grease Pencilをつかってつくってみる実験のほうを、さきにやることしたために、このたぬきのキャラクターは、制作途中のつくりかけ状態のままになってしまっています(笑)。
このようなかんじで、いまのところ、Blenderをつかった2Dアニメと、実写の映像を組み合わせた映像をつくろうとおもっています。もし、そういったかたちの映像ができたときは、ご覧いただけるとうれしいです!
(o≧ω≦)O
この下に掲載している動画は、2019年よりも以前につくったものなのですが、「つくる」ということについて、これまでに、ぼくがどんなことをしてきたのか、ということを知ってもらうために、紹介させていただきたいとおもいます。もし興味があれば、ながめて見ていただければとおもいます。
伝説の陰陽師 安倍晴明の真実の姿がついに明らかに!
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【制作作業の舞台裏についての記事】
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Blender 3D animation Perfume global site project #001 motion capture data & music data
【制作作業の舞台裏についての記事】
Perfumeのダンスモーションと楽曲をつかってBlenderでつくった3Dモデルをアニメーションさせてみました
https://wisdommingle.com/perfume-global-site-project-kashiyuka-san-dance-motion-and-music-blender-3d-animation/
【制作したキャラクターの3Dモデル】
Kanari Yoyo (鹿鳴よよ) FBX modeling with Blender - 3D model by Yukinobu Kurata (倉田幸暢) (@yukinobukurata) [b65d66c] - Sketchfab
https://sketchfab.com/3d-models/kanari-yoyo-fbx-modeling-with-blender-b65d66c150f649b0ae9b11240cc5cfd3
「最大の恐怖は自分の計り知れない力だ」
【制作作業の舞台裏についての記事】
自主制作3Dアニメ「最大の恐怖は自分の計り知れない力だ」
https://wisdommingle.com/our-deepest-fear-is-that-we-are-powerful-beyond-measure-independent-production-of-3d-animation/
「自由への欲求が勇気を与える」『自発的隷従論』より
【制作作業の舞台裏についての記事】
「自由への欲求が勇気を与える」『自発的隷従論』より - 「偽りの神に抗え」
https://wisdommingle.com/the-politics-of-obedience-the-discourse-of-voluntary-servitude-by-etienne-de-la-boetie-p16/
ZBrush modeling 3D animation
【制作作業の舞台裏についての記事】
で、でけた・・・!ZBrushで3Dモデルをつくってアニメーションさせてみました
https://wisdommingle.com/zbrush-3d-modeling-animation-2016-1-11/
【制作したキャラクターの3Dモデル】
ZBrush modeling for 3D animation 160111 005 048 - 3D model by Yukinobu Kurata (倉田幸暢) (@yukinobukurata) [3744610] - Sketchfab
https://sketchfab.com/3d-models/zbrush-modeling-for-3d-animation-160111-005-048-37446101e0a046e1b71f1492b58b0df1
(VR360度動画がおもしろそうだなとおもって、実験的につくってみた試作品)
VR360YouTube 160615 001 0001 0480 injected - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=bRJsjvtFjso
ここでは、Sketchfab(スケッチファブ)という、3Dモデルの共有サイトに投稿してきた3Dモデル作品を、紹介させていただきたいとおもいます。
Sketchfab
比叡山延暦寺の広域地図(3D地図)
https://sketchfab.com/3d-models/3d-794f1f9869534aecb9816ddaa66b87d4
Sketchfab
比叡山延暦寺の大比叡・東塔・西塔の地域の3D地図
https://sketchfab.com/3d-models/3d-f8cab9f523da4995bda48455e3f23f03
Sketchfab
比叡山延暦寺の小比叡・横川の地域の3D地図
https://sketchfab.com/3d-models/3d-704aac8ef7484cb5909ae76a6e6c8d64
Sketchfab
(フォトグラメトリーでつくった、ふなっしーのぬいぐるみの3Dモデル)
3DF Zephyr で生成
https://sketchfab.com/3d-models/3df-zephyr-5c7e9b53167f44bd8331629401b09ff3
「ほかの人と分かちあえば、ほかの人もまた、いいことを教えてくれるだろう。そうすれば、みんながよくなる!」
(ビッケの言葉, ルーネル・ヨンソン『ビッケと空とぶバイキング船』, 60ページ.)
「英語では、著作を「出版」することを publish といい、「出版物」のことを publication という。文字をみれば、すぐにわかることだが、これらは、ともに public という形容詞と同一の語源から出ている。パブリックとは、公共ということである。みんなでわかちあう、ということである。したがって、「出版」というのは、個々の私人がその経験を公にする、ということになるだろう。個人的な経験は publication になることによって、万人共通のもの、あるいは、誰でも自由に盗むことのできるものになったのだ。
本屋さんの店頭にならんでいるおびただしい数の書物は、われわれにむかって、どうぞわたしたちの経験を盗んでくださいな、と呼びかけているのである。われわれは、そのどれをどんなふうに盗んでもかまわない。さまざまな人のさまざまな経験は現代の社会では、すべての人びとのまえに公開されているのである。」
(加藤秀俊「読書について」, 『独学のすすめ』, 文春文庫, 53ページ.)
「人類の交換と専門化がこの地球のどこかで続く限り、指導者が手を貸そうが邪魔立てしようが文化は進化する。その結果、繁栄は拡大し、テクノロジーが発達し、貧困は減り、疾病が勢いを失い、人口増加は収まり、幸福が増し、暴力が減り、自由が栄え、知識が豊かになり、環境が改善し、原野が拡大する。」
(マット・リドレー「無限の可能性」, 『繁栄』(文庫版), 544ページ.)
「イノベーターの仕事とは「共有」することなのだ。彼らがすることのなかでいちばん重要な行為は共有することで、それがなければ、イノベーションは彼らにも他の人にも何ももたらさない。
〔中略〕
現代社会の真価は途方もないスケールの「つながり」にある。〔中略〕ほとんどすべてのテクノロジーは雑種(ハイブリッド)なのだ。」
(マット・リドレー「交換だった!」, 『繁栄』(文庫版), 414~415ページ.)
「私には夢がある、
いつの日にか、すべての谷は隆起し、
丘や山は低地となる。
荒地は平らになり、
歪んだ地もまっすぐになる日が来ると」
(マーティン・ルーサー・キング・ジュニア「I Have a Dream」.)
「みんなのために・・・
みんなのために使う
連邦もジオンも
宇宙も地球も関係ない
みんなのためにラプラスの箱を」
(バナージ・リンクスの言葉, episode6「宇宙(そら)と地球(ほし)と」, 『機動戦士ガンダムUC』.)
「運命の果実を一緒に食べよう」
(『輪るピングドラム』「第24駅 愛してる」より.)
ここでお話している、「わかちあう」という行為は、おおきくわけると、つぎの3つのおこないにわけられます。
・コミュニケーションをとる
・無償で提供する
・「資源」と交換する
この、「わかちあう」の3つのおこないのなかで、2019年にぼくがいちばん力をいれたのは、「無償で提供する」というおこないでした。ですので、ここからは、「無償で提供する」ということについて、2019年にぼくがしてきたことを、紹介させていただきたいとおもいます。
ここで、すこし、「無償で提供する」ということについて、ぼくがおもっていることをお話させていただきたいとおもいます。
ぼくは、「無償で提供する」ということを、たいせつにしたいとおもっています。これは、オープンソース文化に貢献したいとおもっているからでもあります。
ぼくは、22歳のころに、WordPress(ワードプレス)というブログソフトウェアに出会って、オープンソースという概念を知ったときから人生が変わりました。
はじめから恵まれた境遇にいる人ばかりではありません。
そういう人でも、自分の意志と努力しだいで、どこまでも成長していける社会。
オープンソースには、そのような夢物語を現実のものにする力がある、とかんじました。
ぼくにとって、オープンソースは、「可能性」であり、「希望の象徴」です。
また、「あらゆる可能性を秘め、絶え間なく揺れ動く未来」を見せてくれるものです。
多様性を守るためには、可能性を守るためには、機会の平等が必要だとおもいます。
多様性は、すてきなものだとおもいます。
多様性は、たのしくて、おもしろいものだとおもいます。
機会の平等がなければ、多様性は制限されてしまうとおもいます。
なので、ぼくは、できるかぎり、機会の平等をひろげて、多様性を増やしていく一助となりたい、そうおもっています。
オープンソースは、それを実現できるおおきな「力」だとおもいます。
オープンソースは、みんなのためのものです。
それは、可能性であり、希望であり、未来です。
「必要なのは、作者(使用したいアートワークに関わったアーティスト、編集協力者、および翻訳者)へのクレジットと、ライセンスへのリンク提供と、変更を行った場合はその内容を明記することです。」
(David Revoy「理念」, 「Philosophy - Pepper&Carrot」より.)
「強い返報性は、他人の行動によって引き起こされる感情だ。感情の集まりと呼んだほうがいいかもしれない。すなわち、それまで他人が自分にしたことをお返ししようと駆り立てる感情だ。
〔中略〕
わずかばかりの強い返報性ですら協力を魅力的なものにするには十分だったし、自分自身は律儀な返報者でない人にも(いや、特にそういう人にこそ)それは効果があった。純粋に利己的な人ですら、返報者である人々の反応をあてにしている。ごくわずかなイーストで、これほど大きなパン生地を発酵させられるのは驚くべきことだ。少しでも返報者がいれば、残りの仲間の利己性は信頼を減らすよりも増進する力として機能する。」
(ポール・シーブライト 『殺人ザルはいかにして経済に目覚めたか』, 89ページ, 93ページ.)
オープンソースのライセンスにも、いろいろあります。
そのなかでも、ぼくは、「パーミッシブ(寛容)なライセンス」といわれている、MITライセンスや、CC BY ライセンス(「クリエイティブ・コモンズ 表示」のライセンス)などが好きです。こうした「パーミッシブ(寛容)なライセンス」は、「コピーセンター」という言葉で表現されることもあります。
こうしたライセンスのことについて、もし興味があれば、この下の比較表や、この下のリンクの記事などをご覧いただければとおもいます。
(参考: 「コピー●●の比較表」)
(参考: 「ウェブコミック『Pepper&Carrot』とフリー(自由)でオープンソースでパーミッシブなライセンス | WisdomMingle.com」より)
ぼくは、酒呑童子説話のゆかりの地へ現地調査にいったときに撮影した写真の画像などを、できるかぎり、オープンソースのライセンスで共有したいとおもっています。
オープンソースのライセンスというのは、だれでも、自由に、無料で、利用できるようなかたちで共有することができるようにするための、ライセンスです。
具体的には、Wikimedia Commons(ウィキメディア・コモンズ)や、Flickr(フリッカー)で、CC BY ライセンスのもとで、写真の画像などを共有しています。
こうしたことをとおして、オープンソース文化をひろめていく一助になれればいいなとおもっています。
ここでは、Wikimedia Commons(ウィキメディア・コモンズ)をとおして、「CC BY」のライセンス(「クリエイティブ・コモンズ 表示」のライセンス)のもとに共有している写真の画像などを紹介させていただきたいとおもいます。
クリエイティブ・コモンズ 表示 4.0
CC BY 4.0
Creative Commons — 表示 4.0 国際 — CC BY 4.0
https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/deed.ja
User:Yukinobu Kurata - Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/User:Yukinobu_Kurata
File:Onitake Inari Shrine IMG 20181111 101813.jpg - Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Onitake_Inari_Shrine_IMG_20181111_101813.jpg
File:Kubizuka Daimyoujin Annual festival April 15, 2019 IMG 20190415 095838.jpg - Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Kubizuka_Daimyoujin_Annual_festival_April_15,_2019_IMG_20190415_095838.jpg
ここでは、Flickr(フリッカー)をとおして、「CC BY」のライセンス(「クリエイティブ・コモンズ 表示」のライセンス)のもとに共有している写真の画像などを紹介させていただきたいとおもいます。
クリエイティブ・コモンズ 表示 2.0
CC BY 2.0
Creative Commons — 表示 2.0 一般 — CC BY 2.0
https://creativecommons.org/licenses/by/2.0/deed.ja
Yukinobu Kurata’s albums | Flickr
https://www.flickr.com/photos/waltz-for-the-moon/albums
ここでは、Flickr(フリッカー)をとおして、「CC BY」のライセンス(「クリエイティブ・コモンズ 表示」のライセンス)のもとに共有している写真の画像などを紹介させていただきたいとおもいます。
この下に列挙しているのは、ぼくが、酒呑童子説話のゆかりの地へ現地調査にいったときに撮影した写真の画像などです。
♯ Onitake Inari Shrine (鬼嶽稲荷神社 (おにたけいなりじんじゃ) ) : Flickr Album | Flickr
♯ Sea of clouds (View from Onitake Inari Shrine in Mt. Ōe (Senjō-ga-dake)) (雲海 (鬼嶽稲荷神社 (大江山 (千丈ヶ嶽)) からの眺望)) : Flickr Album | Flickr
♯ Kubizuka Daimyoujin annual festival April 15, 2019 (首塚大明神例祭(2019年4月15日撮影)) : Flickr Album | Flickr
♯ 子安地蔵尊(地蔵堂) 老坂(老ノ坂)(大江の坂) | Flickr
https://www.flickr.com/photos/waltz-for-the-moon/albums/72157712045168328
♯ Matsuno'o Taisha (松尾大社) January 25, 2018 (2018年1月25日) | Flickr
♯ 狩籠岡 狩籠丘 大納艮岡 大納艮岳 西塔 北谷 比叡山延暦寺 | Flickr
ここでは、Flickr(フリッカー)をとおして、「CC BY」のライセンス(「クリエイティブ・コモンズ 表示」のライセンス)のもとに共有している写真の画像などを紹介させていただきたいとおもいます。
この下に列挙しているのは、ぼくが、酒呑童子説話について研究するなかで、「国立国会図書館デジタルコレクション」のウェブサイトなどで見つけた、「保護期間満了」(パブリックドメイン)になっている文化財の絵画などの画像です。
たとえば、この下のリンクの、『大江山酒天童子絵巻物』という絵巻物を撮影した写真の画像も、そうしたもののひとつです。
♯ 『大江山酒天童子絵巻物』第一巻、第二巻 | Flickr
♯ 葛飾北斎 (絵画) 『釈迦御一代図会』 (『釈迦御一代記図絵』) | Flickr
♯ 「怪童丸元服之図」『大日本歴史錦絵』一英斎芳艶(歌川芳艶) (絵画) | Flickr
https://www.flickr.com/photos/waltz-for-the-moon/albums/72157712006421656
♯ 『融通念仏縁起』絵巻 | Flickr
https://www.flickr.com/photos/waltz-for-the-moon/albums/72157711766700613
♯ 『春日権現験記』絵巻(『春日権現験記絵巻』) | Flickr
https://www.flickr.com/photos/waltz-for-the-moon/albums/72157711765686553
♯ 『和漢三才図会』 妖怪 図絵 | Flickr
♯ 『画図百鬼夜行』鳥山石燕 妖怪 絵図 | Flickr
♯ 『山海経』 | Flickr
♯ 『百鬼夜行絵巻』 [原図: 光重筆] 模写 | Flickr
♯ 『日吉山王光華』 | Flickr
♯ 智証大師円珍 | Flickr
♯ 滝夜叉姫 | Flickr
♯ 平清盛 | Flickr
♯ ブログ記事「ウェブコミック『Pepper&Carrot』とフリー(自由)でオープンソースでパーミッシブなライセンス」 | Flickr
https://www.flickr.com/photos/waltz-for-the-moon/albums/72157710828885968
§ 日本の鬼の交流博物館 | Flickr
§ 「芸北石見神楽の面と衣装展」令和元年度 日本の鬼の交流博物館秋季特別展 | Flickr
§ 広島神楽や北広島町についてのパンフレットやチラシなど | Flickr
§ 広島神楽公演(北広島町「旭神楽団」):演目「八岐大蛇」 | Flickr
§ 広島神楽公演(北広島町「旭神楽団」):演目「大江山」 | Flickr
§ 雲原 大江山 鬼そば屋 さん(京都府福知山市)(2019年10月撮影) | Flickr
§ 花祭り(奥三河・東栄町)のチラシやパンフレット(2018年入手) | Flickr
§ 真鍋和孝さんのまなべ農園のさつまいも(2019年秋) パープルスイートロード&シルクスイート&赤水菜 | Flickr
https://www.flickr.com/photos/waltz-for-the-moon/albums/72157711444371512
§ ガンダムユニコーン展 パルコ 2014/01/04 | Flickr
https://www.flickr.com/photos/waltz-for-the-moon/albums/72157639717330254
§ Vivi Ornitier ビビ・オルニティア(公開用) | Flickr
https://www.flickr.com/photos/waltz-for-the-moon/albums/72157629929875968
ここでは、GitHub(ギットハブ)という、プログラムコードの共有サイトをとおして、「MITライセンス」のもとに共有しているプログラムコードを紹介させていただきたいとおもいます。
これも、オープンソース文化に貢献したいというおもいから、自分がつくったプログラムコードを共有させていただいているものです。
ただ、ぼくは、プロのプログラマーではありません。ですので、ここで紹介させていただいているプログラムコードは、プロの目から見ると、子供だましのようなものに見えるだろうとおもいます(汗)。また、ほとんどがHTMLコードなので、そもそも、プログラムコードと呼んでいいかどうかも、すこしあやしいところです(汗)。
そのような稚拙なコードにすぎないのですが(汗)、それでも、オープンソース文化に貢献したいというおもいからの行為です。
この下に列挙しているコードは、具体的には、「YouTubeの埋め込み動画プレーヤーのおもしろい使い方」についてのコードです。もし興味があれば、ながめてみていただければとおもいます。
【MITライセンスについての参考記事】
MITライセンスってなに?どうやって使うの?商用でも無料で使えるの?
https://wisdommingle.com/mit-license/
GitHub
YukinobuKurata (Yukinobu Kurata (倉田幸暢))
https://github.com/YukinobuKurata
GitHub
YouTubeMagicBuyButton:
YouTube動画があらかじめ設定した時間再生された後に購入リンクを表示する仕組み(HTML、JavaScript、CSS)
https://github.com/YukinobuKurata/YouTubeMagicBuyButton
【このコードについての解説・使用例の記事】
YouTube動画と連動してあらかじめ設定した時間になると購入ボタンが表示される仕組み (HTML、IFrameプレーヤーAPI(JavaScript)、CSS)
https://wisdommingle.com/youtube-iframe-api-player-video-countdown-timer-magic-buy-button/
GitHub
YouTubeUnstoppablePlayer:
YouTube動画の一時停止ができないようにする仕組み (IFrameプレーヤーAPI(JavaScript))
https://github.com/YukinobuKurata/YouTubeUnstoppablePlayer
【このコードについての解説・使用例の記事】
YouTube動画の一時停止ができないようにする仕組み (IFrameプレーヤーAPI(JavaScript))
https://wisdommingle.com/youtube-iframe-api-player-video-unstoppable-player/
GitHub
YouTubeEndPointRedirect:
YouTube動画の再生終了後にリダイレクトで別のページに自動的に移動させる仕組み (IFrameプレーヤーAPI(JavaScript))
https://github.com/YukinobuKurata/YouTubeEndPointRedirect
【このコードについての解説・使用例の記事】
YouTube動画の再生終了後にリダイレクトで別のページに自動的に移動させる仕組み (IFrameプレーヤーAPI(JavaScript))
https://wisdommingle.com/youtube-iframe-api-player-video-end-point-redirect/
さきほど、「わかちあう」という行為のなかの、おこないのひとつとして、「無償で提供する」というおこないがあるということを、お話させていただきました。
この「無償で提供する」というおこないのひとつとして、ぼくは、クラウドファンディングなどをとおして、できるだけ、自分が実現したい未来にちかいとおもえるプロジェクトを応援するようにしています。
ここからは、そのような考えにもとづいて、ぼくが応援させていただいているクラウドファンディングのプロジェクトを、紹介させていただきたいとおもいます。
数奇な運命をたどった「酒呑童子絵巻」を修復し、 "みんな" で共有・活用したい。 | ブルーバックスアウトリーチ | 講談社
https://outreach.bluebacks.jp/project/home/7
【参考記事】
酒呑童子の絵巻物を、みんなで修復して、 みんなで共有しよう | WisdomMingle.com(ウィズダムミングル・ドットコム)
https://wisdommingle.com/crowdfunding-for-repairing-and-sharing-picture-scroll-of-shuten-doji-the-oni-king/
さとふる
鬼の棲家は大江山に!「鬼」伝説が紡いできた歴史や絆をこれから先も守り続けたい! | ふるさと納税サイト「さとふる」
https://www.satofull.jp/projects/business_detail.php?crowdfunding_id=36
CAMPFIRE (キャンプファイヤー)
鬼の棲家は大江山に!「鬼」伝説が紡いできた歴史や絆をこれから先も守り続けたい! - CAMPFIRE (キャンプファイヤー)
https://camp-fire.jp/projects/view/213199
READYFOR (レディーフォー)
学びたくても学べない、そんな方に ”無料” で学べる教室を。(下村和也(学習支援塾エール 山科校) 2019/11/27 公開) - クラウドファンディング READYFOR (レディーフォー)
https://readyfor.jp/projects/29858
CAMPFIRE (キャンプファイヤー)
3本の黒ペンで描く命の振り子。下書きなしの一発勝負で挑む真夏のライブペイント企画 - CAMPFIRE (キャンプファイヤー)
https://camp-fire.jp/projects/view/81105
Patreon(ペイトリオン)
Yukinobu Kurata | Patreon
https://www.patreon.com/Yukinobu/creators
ここでは、参考として、オープンソースのライセンスや、わかちうことについて、いままでにぼくが書いてきた記事を紹介させていただきたいとおもいます。なにかのご参考までに。
「ほかの人と分かちあえば、ほかの人もまた、いいことを教えてくれるだろう。そうすれば、みんながよくなる!」 | ALIS
図書館様さまサマー2019! (o≧ω≦)O | ALIS
酒呑童子の絵巻物を、みんなで修復して、 みんなで共有しよう | ALIS
MITライセンスってなに?どうやって使うの?商用でも無料で使えるの? | ALIS
『Pepper&Carrot』とフリー(自由)でオープンソースでパーミッシブなライセンス | ALIS
「虹はおそらくわが国の原初的な市、さらには原初的な交換の観念と密接な関係をもっていたといえよう。
〔中略〕
虹は天界(他界)と俗界とを結ぶ橋と考えられていたのであり、虹が立てばその橋を渡って神や精霊が降りてくると信じられ、地上の虹の立つところは、天界と俗界の境にある出入口で、神々の示現する場であった。そのため虹の立つところでは、神迎えの行事をする必要があり、その祭りの行事そのものが、市を立て、交換をおこなうことであったのである。」
(勝俣鎮夫「虹と市:神との交歓・人との交換」, 『朝日百科 日本の歴史 2 古代』, 2-213ページ.)
「市は本来示現した神に斎祀る所という意味であったらしい。古代では歌垣・祭祀・会議など、人々が集まる神聖な場所に市神が祀られ、交易がなされた。また高所や大木のある、神聖な場所が市の場として選ばれた。
中御門右大臣と呼ばれた公卿藤原宗忠の日記『中右記』の寛治六年(一〇九二)六月七日条に、「抑々世間の習、虹見ゆる処市を立つ」とあるように、古代には虹の立つ場所に市を開く習慣があった。虹がこの世とあの世を結びつけ、神が来臨するので、そこで市を開こうとしたのである。」
(笹本正治「市が開かれる時」, 『異郷を結ぶ商人と職人 (日本の中世 3)』, 106ページ.)
「富とはおおまかに定義するなら、経済学で「効用」と呼ばれるものがある何かを、単独でか共有の形で所有していることである。つまり、何らかの形の満足を与えるか、あるいは何らかの形の満足を与える別の形態の富と交換できるものである。
〔中略〕
富とは、もっとも広い意味では、必要や欲求を満たすすべてのものである。富の体制とは、金のためであろうがなかろうが、富を作りだす方法である。」
(アルビン・トフラー, ハイジ・トフラー『富の未来』上巻, 50ページ, 55ページ.)
この上の引用文のなかにもあるように、大昔は、交換や交易は、神聖な行事とされていたようです。 そのことが象徴しているように、自分がもっているいいものと、ほかの人がもっているいいものを、たがいに交換することは、とても尊くて、神聖で、ありがたいことなのだとおもいます。
さきほど、「わかちあう」という行為のなかの、おこないのひとつとして、「資源を交換する」というおこないがあるということを、お話させていただきました。このことについて、すこしだけ、お話させていただきたいとおもいます。
ここで言う「資源」というのは、お金以外のものもふくみます。お金以外にも、なにかをもらったり、なにかを手伝ってもらったり、なにかを教えてもらったり、だれかを紹介してもらったり、といったことも、交換によって得ることができる「資源」だといえるとおもいます。
ちなみに、ぼくは、農業をされている知り合いの方から、お野菜を買わせていただいているのですが、そのとき、おまけで、すこし多めに野菜をもらったりすることがあります。これは、その方が、ご自身の農園のブログや、そのサイトのショッピングカートの機能などをつくられるときに、ぼくがウェブサイト制作の作業をお手伝いさせていただいたことがあり、そのときのお返しとしていただいたものです。
この事例は、ある意味で、ぼくがウェブサイト制作の作業を代行することと、その方の農園の野菜を交換している、と言えるとおもいます。
このように、ここで言う「資源」というのは、お金だけではなく、もっとひろい意味での「資源」のことを意味しています。
このように、「まなぶ」ことや、「つくる」ことをとおして得たものを、ほかの人たちがもっているいいものと交換することで、いろいろな「資源」を得ることができます。そうして「資源」を得ることで、「まなぶ」、「つくる」、「わかちあう」、という3つのことを、さらにつづけていくことができるだろうとおもいます。そのようにして、おもしろいことをしつづけながら、たのしくくらしていけるのではないかとおもいます。ですので、自分がもっているいいものを、ほかの人たちがもっているいいものと交換して、「資源」を得ることは、たいせつなことではないかとおもいます。
このような交換は、ある意味で、商売であり、ビジネスであるともいえるとおもいます。この交換の話についても、お話したいことがたくさんあるのですが、かなり長い話になりそうですので、それについては、また別の機会にお話させていただければとおもいます。
ここまでお話させていただいてきたように、人は、その人自身がおもしろいとおもうことについて、「まなぶ」、「つくる」、「わかちあう」、という3つのことをしていくことで、おもしろいことをしつづけながら、たのしくくらしていけるのではないかとおもいます。
そして、そのような人が増えていけば、もっとたくさんの人が、目を輝かせてなにかに夢中になれるんじゃないかなとおもいます。
ぼくは、人は、「目を輝かせて夢中になること」があるからこそ、生きていけるのではないかとおもいます。なので、みんなが目を輝かせて、なにかに夢中になれるといいなとおもっています。
たくさんの人が、目を輝かせて生きている社会は、きっと、いい社会なのだろうとおもいます。そんなすてきなことをかなえる道をさがす旅を、いっしょに楽しんでみませんか?
倉田幸暢
「きっと、人はいつも、それぞれの光を捜し求める長い旅の途上なのだ」
(星野道夫『長い旅の途上』, 35ページ.)