◆ 【BCG】「優れたブロックチェーンゲーム」を考察
2020年、5月に作成した記事です。
この記事を書いた当日、もし仮に「個人」もしくは「ベンチャー企業」がブロックチェーンゲーム(BCG)(or Dappsゲーム)を作るとしたら、何に気をつけなければいけないのか、何を必要とすべきなのか、について、トップクラスのブロックチェーンゲーマー同士で話し合いをしてみました。
その内容と、個人的な感想、軽い市場調査などについてまとめておきます。
(なお、考察するにあたって「マイクリ」「クリスペ」「コンサヴァ」辺りの有名ブロックチェーンゲームを参考にさせていただきます)
○ ブロックチェーンゲームの作り方について
先に。「BCGってどうやって作るんだよ!」と気になる方もいると思うので、2020年に使われている技術名の一部を載せておきます(すべてを使う必要はありません)。
◆ クライアントサイド
・Html5
・css(or scss)
・JavaScript(or TypeScript)
・Unity
・PlayCanvas
・Vue.js
◆ サーバーサイド
・AWS or VPSサーバー
・Ruby on Rails(Railsチュートリアル + nginx + mysql + unicorn + capistrano + Github)(ローカル環境が用意できない場合は、virtualbox + vagrantも必要)or PHP
・Firebase
・websocket.js
◆ ブロックチェーン関連
・Web3.js
・Solidity(ETH)
・クリプトゾンビ
◆ その他
・通常のブラウザゲームの制作方法(JavaScriptでOK)
・レベルデザイン
この内のいくつかの技術を取得すれば、BCGは作れます(個人でも可能)。気になる方は用語をチェック!
○ 収益性を上げる方法
コンテンツを長く維持するためには、ある程度の収益性も必要ですが、それには基本的に以下3つが必要だと考えられます。
・集客力がある
・継続力がある(すぐに離脱しない)
・(課金したくなるぐらいに)ゲームが面白い
これらを満たせば、多少稼ぐことが可能なはずです。
(= 仕事として成立するようになる)
プロのブロックチェーンゲーマー「根本さん」にも、このような意見があります。
私が一番大事だと考えるのは、「消費をいとわないほど熱中できる面白さ」ですかね~。
参加者全員が原資回収を考えるとババ抜きになる上に運営も儲からないので、 どこかで消費(もしくは投資額の損失を許容)しなくちゃいけない
ちょっと失礼な言い方かもですが、BCG作っている方によく聞きたくなるのが、 「それ自分でお金払って遊びたいと思って作ってる?」って
エコシステムの形成では、とても大事なポイントですね!
ただ「面白いゲームの作り方」というのは、この記事では省略します。
それは、ゲームを作りたいと思っている方のオリジナリティ溢れるアイディアによるものですからね!
この記事では、誰にでも対策が可能な「集客力がある」「継続力がある(すぐに離脱しない)」の方に追求していきます。
○ 集客力の作り方
まず、集客力から。
・話題性がある
・スマホのランキングに載る
・Youtubeで何度もとりあげられる
・人の集まるブログで紹介(SEO)
・アフィリエイトでとりあげられる(金)
この記事を作った2020年の時点では、おおよそ上記のいずれか1つ以上を満たすと、集客することができます。
お金が必要なアフィリエイトは「資本力」と「マーケットの規模」が必要なので、個人・ベンチャー向けのこの記事では省略。
(ベンチャー企業に優しい、お金のかからない)バイラル・マーケティング主体で考えるのであれば、
「話題性」「スマホ」「Youtube」「ブログ」
この4点を追求するのが良いと思います(例外はあります)。
・話題性
話題にしたくなるような内容、すなわち、インパクトのあるゲームの内容、ですかね。
フリーゲームやインディーズゲームは、よくここで攻める事が多いです。
よって、その辺を参考にすれば、このポイントは多少解決できると思われます。
・スマホ
今どきはスマホが当たり前なので、スマホアプリ、もしくは、ブラウザゲームで作らないと、集客があまり見込めません。
また、スマホのアプリランキングには以下のような性質がありました。
以下の項目のいずれか1つ以上を満たすのが望ましいと判断できます。
・(アプリ内を含めた)広告による集客の利用
・今話題のもの(知人との共感を深めるもの)
・ハイクオリティ(アニメーション、フルボイス、3D等)
・ブランド
・すぐに面白さがわかる
・オタク向け(萌え)
・アイコンかタイトルで一本釣り
・脳トレ
・パズル
・人の心に影響を与えやすいミニゲーム(かわいい、怖い等)
・謎解き(脱出ゲーム)
・斬新なもの
・有名なシステムのゲーム(ソリティア、ブロック崩し、ナンプレなど)
・勉強系(英単語とか)
・便利なツール
これ以外のジャンルで出すと、基本的には、大手の無料で遊べるハイクオリティなソシャゲに潰されます。
つまり「大手の無料で遊べるハイクオリティなソシャゲより、貴方の用意したゲームで遊んでみたい!」と思わせないとダメということですね。
十分な差別化とインパクトが必要になります(+それは、すぐにでも理解できるものであること)。
・Youtube
そのゲームを知らない人でも、ゲームのプレイ動画を30秒ぐらい見たら、なんか凄いと感じる上に、見ているだけで面白い。誰かに伝えたい!
というものでないとダメです。
また、映像がよく変化するものほど強みがあります。
3D、2Dアクションなど。
一方、画面が変化しない、しづらいものについては(例:カードゲーム)、アピールがとても弱いです。
Youtubeでプレイ動画が拡散されることに期待したいなら、
・画面がよく変化するもの
・プレイ画面でライトユーザーにも魅力が伝わること
の条件が必要ですね。
・ブログ
SEO対策できるなら。それに尽きます。
これらの要素を1つ以上満たせば、ある程度の集客はすることができると思います。
○ 継続力がある(すぐに離脱しない)
儲かるゲームというのは、初めてきたユーザーに対して、すぐにでも、面白い(ユーザーが好む)内容であることを理解させる必要があります。
できれば30秒以内で。長くても3分以内に。それまでにゲームの魅力を伝えることができなければ、ユーザーはすぐに離脱してしまうことでしょう。
しかし、この問題点は「マイクリ」「クリスペ」「コンサヴァ」等の有名なBCGの全てに当てはまります。
◇ マイクリの問題点
・ETHウォレットの登録難易度が高い
・BCGの知識が必須
・1人プレイは別に面白くない
・楽しむためには十分な課金が必要
・課金の手段がETHのみ
◇ クリスペの問題点
・1人プレイは別に面白くない
・ゲームの魅力が、すぐに伝わっていない
・課金の手段がETHのみ
◇ コンサヴァの問題点
・ETHウォレットの登録難易度が高い
・BCGの知識が必須
・ルールが分かりづらい
・楽しむためには十分な課金が必要
・課金の手段がETHのみ
これらの要素が、新規ユーザーのプレイを諦めさせている、といっても過言ではないと考えられます。
つまり、これからのBCGは上記の悪い点を排除すればよいということですね!
◇ 優れたBCGについて
・ETHウォレットのアドレス登録は基本不要
・BCGの知識がなくても遊べる
・1人プレイで十分に遊べる
・基本無料
・ゲームの内容がすぐに伝わる。ルールはわかりやすい
・ある程度ゲームを続けたいと感じる(対人戦を強要しない)
・課金の手段は複数(できればスマホ決済で)
そうすれば、ライトユーザーを諦めさせることもなくなるので、プレイ人口が大幅に広がるのではないかと判断できます。
○ おまけ:ブロックチェーンゲーマー同士の話し合いの一部
参考になりそうなものをピックアップしてみました。
根本さん:
コンサヴァは「勝つためにトークン燃やすぜ」っていう消費ポイントがあってそれなりにエコエンジンが成立しているから、トークン発行ペースが極端にユーザー増加数を上回らなければうまく続いていく気はしているけど、限界があるからもう1つくらい消費ポイント欲しいね。
→ ゲームシステムもそうだけれど、BCGはエコシステムも重要であるという趣旨。
根本さん:
アマギフキャンペーンも、「続けている」ってことは一定の効果があるということなんでしょうね
→ アマゾンギフトの抽選によるTwitterのフォロワー増加は、意外と効果的なのかもしれないです。
ungiftedさん:
アイドルオタの執念ならイーサとかの壁も乗り越えてくれそう。
サイン入りアセット配布や!
→ ニッチなユーザー+資金力が高いユーザーであれば、ニッチなジャンルでも生き残れる可能性はあります。一例としてオタク向けのコンテンツとか。
根本さん:
個人的にはBCGの失敗要因としては、、、
・「BCGだから」という言い訳に甘えて低クオリティ
・ブロックチェーンやdappsの思想を具現化することに目的が行き過ぎて肝心のゲームがおろそかに
・過去の失敗事例から学習していない
あと、致命的ではないけどリリースと同時にアセット販売ってのも微妙だと思ってます。
ある程度遊んでみないとそのアセットの利用価値や適性価格なんかわからないけど、「価格が上がってしまう」「売り切れてしまう」という恐怖感で買わされてる感。 進んで買ったものではなく「買わされた」ものを抱えているストレスでヘイトも溜まりやすくなる
→ この点は、ブロックチェーンゲーマーの私も、完全に同意です……。制作陣は気をつけたいところ。
bluemage(mitaku)さん:
ブロックチェーンなくても楽しいもの
ブロックチェーンがあるともっと楽しくなるもの が必要ですな
→ かくあるべきは、ブロックチェーンでなくても楽しいもの
自分:
もし、bcgに向かうなら、システムの革命が必要。
より安全に、より安心で、よりわかりやすく取引できるシステムが。
つまり、bcg自体が頑張っても、どーにもならない。
(もちろん、ちょっとずつbcgユーザーが増えることは、とても良いことですが)
→ BCGは手段の1つであると考えるべき。今の段階でBCGを主体にするとライトユーザーはついてこれないので……
bluemage(mitaku)さん:
BCGユーザーのモチベーションってどういうモチベーションなんでしょうね。 未だに答えが出てないのだけど
* 投機的(稼げるかも)
* 投機的(未来が楽しそう)
* 快感 ( 楽しい)
* 快感 (勝ちたい PayToWin)
* 暇つぶし
* 換金性
* マイナーだから
→ アセットが投機的である時代は終わりましたが、
軽い投機、PayToWin、換金性1(お小遣い稼ぎ)、換金性2(やめるときにいくらかを返金可能)
は、まだ求められていますね。
以上、人気の出るブロックチェーンゲームの考察でした。
BCG開発者の参考になれば、幸いです。
(´∀`)