どうも、インディー・ブロックチェーンゲーム制作者の「ゆうき」です。
今回は、ブロックチェーンゲーム運営によって得られた情報の1つ、BCGゲーム間における、NFTコラボに関する情報をまとめておきます。
ユーザーがBCGのNFTコラボに求めているものは、おおよそ、
A,ゲーム内の価値のあるキャラクターとしての利用
B,スキンチェンジ
のいずれか(もしくは、両方)になります。
「A,ゲーム内の価値のあるキャラクターとしての利用」に求められるものは、大まかに分けると以下4つでした
1,NFTと関連した対象のキャラクターは、コラボ先のゲームの現環境の性能と同じ以上であること
2,対象のNFTさえ保有していれば、実質無料で、そのキャラクターが利用できること
3,コラボ先のゲームに、コラボ元のゲーム以上の楽しさがあること
4,コラボ元のキャラクターの雰囲気を壊さないこと(表現が似ていると評価アップ)
これらの全てを達成していない場合、基本的にBCGユーザーはNFTコラボの価値があまり無いと判断する傾向がありました。
一方、「B,スキンチェンジ」に求められるものは、
1,コラボ元のNFT保有者であることを、ゲーム内で(積極的に)アピールできること
2,コラボ先のゲームに、コラボ元のゲーム以上の楽しさがあること
です。
ここで注意しておきたい点は「コラボ先のゲームに、コラボ元のゲーム以上の楽しさがあること」です。
コラボ元のゲーム以上の面白さを提供できていない限り(もしくは、コラボ元とは別の種類の面白さを提供できない限り)コラボの影響は、さほどありません。無風で終わってしまうことすらあります。
また、BCGユーザー等がよく口にする「NFTが他のゲームのキャラクターで使えたら良いのになぁ」という発言を鵜呑みにしてはいけません。
その発言の本質は「A,ゲーム内の価値のあるキャラクターとしての利用」の全てを満たすものであり、原則として、これは商業(キャラクター課金型のゲーム)では成し得ることができません(下記で説明)。
おおよそ、以下のとおりです。
1,集客
2,コストがあまり掛からない、コンテンツの増加
3,商用の場合は、既存のデータ(or IP)の価値を落とさないこと(≒ 収益がない場合は、コラボ先のキャラクターの劣化版か、ピーキーな性能のキャラクターしか作れない)(広告収入形式のゲームなどは除く)
4,ゲーム内にボイス等の個性表現がある場合、それと同じ規格でNFTコラボキャラクターを作らないこと(要は、コラボキャラだけボイスがないような状態は避けたい。全部ありか、全部なしに統一したいところ。キャラクターの一言メッセージなども含む)
5,なるべく支払いは避けたい。権利もゆるくあってほしい
この時点で「3」の影響により、課金型のゲームでは「ユーザーが求めるNFTコラボとは?」の項の「価値のあるキャラクター」を満たせないことがわかります。
つまり、商業において、NFTキャラクターの相互利用は、ユーザーと制作者との価値の合理性が欠けることから「BCG同士のキャラクターを使用できるようにするようなNFTコラボは、やるべきではない」ということです。
無理に行うと、何かしらの部分が満たせなくなり、ユーザーか制作者のどちらかが大きな不満を抱くことになると考えられます。
また、BCG同士でこれを行うと、客の奪い合いになってしまう懸念点も挙げられます(BCGが登場した頃は、客の分散として有効でしたが、競争が発生している現時点では、有効にはならないかもしれません)。
BCG同士のコラボは、界隈の発展には貢献しない可能性が高いと思われるので、(課金型のゲームにおいて)キャラクターを相互利用する方式は控えることが望ましいと思っています。
もしNFTコラボを検討するにしても、界隈のことを考慮するなら「ゲーム以外のコンテンツ」を対象としたほうが良さそうです。
追記:
発行数が少ないNFTほど、集客の価値は低くなりやすいです。
(また、発行数が少ないNFTを保有しているユーザーは、そのゲームのファンであることが多いから、あまりそのゲームから離れません。この点も集客にはマイナス)
私は以下のように考えています。
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1,ゲーム内のメインの環境とは関係ない、別の環境のみで使用できるようにする
クリスペSが用いている手法です。
2,パッケージ販売や、月額販売にする
これなら、キャラクターの性能と収益問題を回避できます。
3,課金型ではなく、広告収入型か、別のコンテンツの宣伝型にする(もしくは、完全無料)
こちらでも、対策は可能です。
4,スキンチェンジのみの利用とする(もしくは、マイルームに飾ったりする)
そもそも、キャラクターとして利用できない(課金制のあるコンテンツと衝突しない)のであれば、悪影響を与えることは、あまりないです。
5,NFTキャラクターの利用を課金性にする
ゲーム内に反映させたり、コンバートする際に追加料金を頂く形式。
少々ユーザーの希望から逸れてしまいますが、良い落とし所な気がしています。
但し、このパターンの場合は、NFTのコラボ元の著作権利用や、レベニューシェア(RS)交渉等の手間が生じます。
6,NFTキャラクターは無料で扱えるが、長時間プレイしないと理想的なステータスにならないようにする
育成時間を利用して、既存のデータの毀損を緩やかにすることもできます。
7,ゲーム内のキャラクターの利用は全て無料とし、別の要素で課金を促す
課金型のゲームでは、あまり現実的ではありませんが、一応、この手法でも対策可能です。
その他1,コラボキャラの性能を落とす
ソシャゲの無課金コラボで定番のパターン。ユーザーのニーズを全然満たしていない気がしますが……。
その他2,キャラクターではなく、何らかの発動条件に使う
性能や金銭的な収益ではなく、単なるお祭り的なお遊びでやる分には、良いかもしれませんね。
(一例、マイクリのNFTを持っていたら、マイクリのコラボダンジョンに突入できるなど)
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そもそも、基本的には、
他社のNFTの金銭的な価値を高める ≒ 自社の収入源の一部を放棄
ですので、「NFTコラボによって生じる集客の価値」が、その価値を超えない限り、あまり意味はないと思われます。
自分のBCGでコラボを実行しておいてなんですが「キャラクター課金型BCG同士でのNFTキャラクターの相互利用は、価値的合理性(経済的合理性)の点から望ましくない」という結論に至っています。
NFTコラボをする際は、ユーザーと制作者の価値的合理性を確立させてからが良さそうです。