こんにちは。
先日(3日前)くらいに根本さんのツイートから、
この記事を読んだわけです。
で、すごく面白かった。面白かったし、僕の予想以上にゲームについての知識があったので(偉そう)、素直に関心しました。
まあ、インタビュー記事なので、どうしてもよく書いているんだろうということは踏まえても、開発者がゲームが大好きで、知識も十分にあって、こういうことがやりたいんだという主張が伝わってきたので、とてもよいインタビューだったなと思うわけです。
まずこのインタビューで分かったこと
○MyCryptoHeroesの特徴
・MyCryptoHeroesの情報は
イーサリアムのブロックチェーン・・・アセットの所有者の情報
LoomNetwork・・・・・・・・・・・・・・・・・・アセットの内容の情報
オフチェーン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ゲーム本体
の3層構造で管理している
・MyCryptoHeroesはウォレット、イーサリアム無しで開始できる
→ゲーム本体がオフチェーン管理のため
・スタッフの中に他のゲームの経験者が沢山いる
○MyCryptoHeroesは何がやりたいのか
・dappsとして初の本格的なMMORPGがやりたい
→MMORPGでRMTが合法かつ奨励されている世界を作りたい
これが今回の肝だったと思います。これからMMOについて書くんですが、僕のMMOの知識はもう20年は前の知識になってしまうので、かなり古くなってしまっています。その古い知識でも今回のインタビューに思うところがあったので、今回の記事を書くに至りました。一応僕の経験したゲームをあげておくと、
・2002 リネージュ
・2003 メイプルストーリー
・2004 リネージュ2
・2004 巨商伝 -天下無双の戦人
・2005 遊戯王ONLINE
・2006 アラド戦記
・2007 Second Life(日本語版)
・2007 真・女神転生 IMAGINE
・2008 白騎士物語® -古の鼓動-
・2010 GUNDAM BROWSER WARS:ガンダムブラウザウォーズ
・2010 METALSAGA:メタルサーガ -ニューフロンティア
・2011 DARK SOULS:ダークソウル
・2012 鬼武者 Soul
・2012 ファンタシースターオンライン2
・2013 Clash of Clans:クラッシュ・オブ・クラン
・2013 Dragon's Crown:ドラゴンズクラウン
・2013 艦隊これくしょん -艦これ-
・2014 乖離性ミリオンアーサー
・2015 Dragon’s Dogma Online:ドラゴンズドグマオンライン
こういうHPがあったので拾ってみました。中にはMMOじゃないのも混じっている気がしますが、このHP準拠ということで。
・MMORPGの目的
MMORPGはみんなで一つの世界を共有するPRGです。
目的は「月額課金を払ってもらうこと」です。
月額課金を出来るだけ長く払い続けてもらうために、以下のような文法が生み出されていきました。
・とにかく「ゲームを辞めるきっかけ」をなくす
→エンディングを作らない
→悔しい思いをさせない
(プレイヤーに負けたから辞めるという要因。
初期はPK(プレイヤーキル)がありましたが、禁止になっていきました。)
→ゲームの強さは「プレイヤーの腕」ではなく「レベル」と「装備」で決まる
→共同体(ギルド)の作成を奨励し、ゲームを抜けにくくする
→独自の経済圏を作り、ゲームに使用した時間に価値を持たせる
→アップデートを繰り返し、続編を出来るだけ出さない。
・ゲームをやる意味を作る
→無限にプレイヤーキャラが強くなれる仕組みを作る
(レベル、スキル、装備品、ギルドスキル、合成、練成、等)
→強いプレイヤーが賞賛されるイベントを定期的に開催する
(ギルド対抗戦、プレイヤーランキング等)
→自分が使用できないアイテムを取得させ、アイテム売買を誘引する。
→スキルの効果、装備品の計算式を複雑にする
(実質的には同じ装備だが個体差をつけそれぞれに意味合いを持たせる)
大体こんな感じです。まとめると、
「プレイヤーがゲーム内で行う行動は常に単純作業だが、それをやめさせないように全力で歯止めをかける」ゲームなんですね。延命が何よりも優先。
つまり、長く行われているMMORPGだと、
「本質的には必要ないのに、延命のために追加した要素だらけ」
になってきます。そうすると結果、
・やたらと装備品のスロット(装着する枠)が多い
・最初の街にやたら店が多く、どこにいっていいか分からない
・他のプレイヤーキャラの見た目がやたら「ごてごて」している
・アイテムの能力の説明が画面からはみ出るくらい長い
・wikiを見ないとゲームが把握できない
・「初心者支援」と言う名でやたらアイテムをもらえるが使用方法が分からない
という謎のゲームになるわけですよ。もう歪でしょ。
何も知らずに飛び込むと絶望しかない。
でも、このゲームの中に入っている人にとってはこれが「普通」になってしまっているのです。で、この「普通」を前程に次のMMOPRGが作られるので、もう最初から歪んだゲームを想定して作られているわけです。
ここまで書いた上で、もう一度MMOPRGの戦闘について考えます。
MMOPRGの戦闘はとにかくいろんな数字を使って計算を行います。
いろんな数字を使って計算を行うんですが、結局「高レベルのキャラが強い装備を持っていると強い」ようになっているので、勝つか負けるかは最初から分かっています。
結果だけは分かっているのに律儀に計算をするわけです。
さながら、「ブロックチェーンを承認するために計算問題を解く」ようにまあ、言ってみれば無意味な計算をしているわけです。
ではMyCryptoHeroesの話に戻ります。
・MyCryptoHeroesはなぜ3層構造なのか
→ゲームの複雑さにブロックチェーンの計算力が耐えられないからです。
・MyCryptoHeroesはなぜ複雑なゲームになっているのか
→dapps上でMMOPRGを作成したいからです。
・MMOPRGに複雑な計算は必要なのか
→あれ、いらなくないですか?
コンピューターに複雑な計算をさせることは簡単です。式を書けばよいので。
でもコンピューターに楽な計算をさせることは大変なんです。命令を考えなきゃいけない。
且つ大きなデータでテストしないと実証できないわけです。
100件であったときはうまくいっても1万件ではうまくいかんわけです。
元々ゲームは「足し算」なんですよ。どんどん要素を拡大していって、一度拡大した要素はなくすことが出来ない。なぜならその要素に課金した人がいるから。
ここまで書くと、MyCryptoHeroesの3層構造は駄目みたいになってしまいますが、現在の状況ではこの方式が理想だと思っています。理由は
・仮想通貨ウォレットを使わないでゲームを開始させるためには
オフチェーンが必要
・どうせオフチェーンを使うなら多少複雑な計算式でも処理できるからOK
・プレセールでアセットを売っちゃってるからもう後には引けない
からです。
なので「今後の話」なんです。
インタビューにもありましたが、本来は完全にブロックチェーンだけで動かしたい。でも現状はいろいろな問題があって無理だ。その問題が解決されてもう一度ゲームが開発されたときへの願いです。気の遠いことですが。
なので言ってもしょうがないんですが、一応結論めいたことを書きます。大体これと同じです。
MMOPRGの文法は歪んでる。内容のほとんどが「仕方なく」組み込まれたものである。移行する必要が無いものであふれている。
「それ」が本当に必要なのかもう一度考えて欲しい。
ああ、本当に後の祭りですね。本当に言ってもしょうがない。