お疲れ様です。ZAPです。
今回からのテーマはレベルデザイン(バランス調整)です。
その前段として、ウィムジカルウォーの先祖について書いていきます。
それぞれのゲームには必ず元になったゲームがあるわけです。CLASH&GOの記事でも書きましたが、それは悪いことではありません。また、完全に一致したゲームが発売されることはありませんから、少しずつゲームは形をかえていき、ある時、突然変異のようなゲームが生まれます。これが新しいジャンルを生み出し、さらにそれを基にしたゲームが生まれての繰り返しです。
そんな「突然変異」のゲームを観測できたときの喜びはゲームを長年遊んでいるものにとって至福の喜びです。
残念ながら僕的には、ウィムジカルウォーはこの「突然変異」に含まれていないのですが、大きめのオリジナルの要素もあり、かなりがんばって作られていると思います。
では、ウィムジカルウォーの祖先に当るゲームを「陣取り」「RTS」「デッキ構築」の要素に分けて、順に追っていきましょう。
※各ゲーム中の「主な要素」は、出来るだけウィムジカルウォーに関連するものに絞っています。
だんだんプレゼンの資料みたいになってきましたね・・・
[陣取り]
1981年:QIX(クイックス)
ゲームの内容:プレイヤーは四角で構成されたフィールド内にあるマーカー(自機)を動かし、QIXと呼ばれる線状の物体(生物)に触れないようにしながらフィールドの領域内にラインを引いて面(エリア)を作ってゆく。エリアの総面積が各ステージで要求している占有率に達するとQIXが消滅してクリアとなり次のステージへと移る。なお最初のステージで要求する占有率は75%(設定による)である。(ウィキペディアより)
主な要素
・囲むと陣地になる仕組み
・リアルタイムの対戦(対CPU)
日本ではゲームボーイとして発売されたクイックス。確かあの時は任天堂販売で、南京玉簾のCMが妙に頭に残っています。
このジャンルのゲームはこのQIXですでに完成しており、あまりこのジャンルでのイノベーションはありませんでした。順当進化では、遊楽舎の店長さんが得意なことで知られるヴォルフィード(1989年タイトー)がこれに当ります。
[デッキ構築]
1993年:マジックザギャザリング
ゲームの内容:1993年に発売された世界初のトレーディングカードゲーム(TCG)である。一定の制限内で好きなようにカードを組み合わせたデッキ(山札)を各プレイヤーが用意する。さらに、多くのカードが原則を破る特殊ルール(極端な一例として「ライフが0になっても敗北しない」「山札切れすると勝利する」など)を持っている。(ウィキペディアより)
主な要素
・カードプールから「デッキ」を作るという仕組み。
・カードをコレクションして対戦を有利にするという仕組み。
・「デッキ」からランダムにカードを引くことで対戦毎の展開に変化をもたせる仕組み。
TCGの元祖。自分としてはこれははずせません。
いまだ現役で今年25歳を迎えました。あまりに新しい要素を多く生み出しているのでこれ一本で何回分も書くことができます。このゲームの作成者(リチャード・ガーフィールド)がnovablitsのアドバイザーになっており、話題になりました。
Novablitzはもっと評価されてもいいと思うのですが、超ガチのゲームなので、他のゲームと掛け持ちしていると、勝つことは難しいです。あ、マジックザギャザリングは当然もっとガチのゲームです。プロがいっぱいいますからね。
2014年:ハースストーン
主な要素
・カードを破棄し、好きなカードを「鋳造」できる、擬似的なトレード要素
・CPUと戦う専門のクエスト要素
ゲームの内容:プレイヤーは9人のヒーローの中から一名を選択し、ゲーム中は相手ヒーローの体力を0にする事を目的とする。各プレイヤーは初期体力は30ポイントあり、30枚で構築されたデッキを持つ。デッキ内のカードは対戦中以外であれば自由に組み換えが可能であり、また組み替えのカードもパックの購入等で補充する事が出来る。(ウィキペディアより)
TCGをビデオゲーム化した作品。他にもTCGのビデオゲーム化した作品は大量にあったが、その恐ろしいまでの完成度で、この後に作成されたTCG型ビデオゲームはこのゲームを元にしています。
とにかく隙のない作りで一見誰にでも作れそうですが、これ以上のものをつれるかと問われたら、えっ?となってしまう。結果コピー商品を作ったほうが無難ということに追いやられるゲームです。
因みにマジックザギャザリングは改良の余地が多段にあったが、むしろ現在ではその部分が味になっていて、元祖ゆえのカードの多様さ、新カード作成のノウハウ、定期的に行っているマーケティングのため今日まで残り続けることができているわけです。
長くなってきたのでRTS要素以降は次の記事に続きます。