先日、ピクテ投信投資顧問株式会社様の動画を拝観致しました。
テーマは『資産保全の時代』です。
22:45頃の「一人当たりGDPと物価上昇率の関係」で、一人当たりGDPの低い国はその後に物価が上昇する傾向がある、というお話をされています。
その辺りの動画を切り出して加工させて頂きますと、以下のようになります。
1995年の19位アイルランドはグラフになかったので、隣の18位イタリアで表してみました。
これって、やばくないですか?
ちなみに当時も今も不動の一位のスイスってすごいですよね。
(もちろん、ずっと一位だったわけではないでしょうけども)
日本とスイスの何が違うのかと言いますと、スイスは日本と違って「金融」と「高級品を含む嗜好品」で絶好調なんですね(既に散々書き散らかしていますけど)。
昔、まだ私が若かった頃に先生から「スイスでは、労働で貯めたお金をネスレに投資して、老後の資金を潤沢にすることは一般的だ」という話を聞いていました。
また、観光業に、高級な腕時計に、高級なチョコレートに、あとなんだっけ……ま、そんなこんなで、労働と工業製品を含む日用品だけでやっちまった日本とはえらい違いがあるわけですよ。
で、ここからがタイトルの「アルゼンチンの二の舞を演じることになるかも」の話に入ります。
皆さん、アルゼンチンてデフォルトばっかりやってやばい国だと思ってません?
確かに近年は、残念ながらそのイメージでまぁまぁ正しいとも言えますけども。
しかし昔は、農業と畜産業により世界でも有数の裕福な国に数えられていました。
それが何で、今のような国になってしまったのか?
日本と共通しそうな理由を一言で言えば、以下です。
●成功体験が裏目に出た
農業で絶好調だったがために、工業化が上手くいきませんでした。
それともう一つ、金融や経済の政策で失敗したというのもあります。
(この点については日本は当てはまらない……と思いきや、国民に対するこれらの教育には失敗しちゃった感があります。
「アメリカや中国も、そこまでやってないんやないか(貧民層も多いし)」って言われそうですけど、彼らは人口が多いので。
優秀な人の割合は変わらなくても、人数は違いますから。
あと、あそこら辺の上の方は多分日本の優秀な人よりも優秀でしょう。
何せ、人数が多い分、競争も激しいですからね)
そしてついでにもう一つ。
ネットがインフラ化したことで、中央集権化→分散化が激しく、個人の時代となってきました。
つまり、国民の一人一人の金融リテラシーが直接問われる時代になっています。
というわけで、どの辺りがアルゼンチンの二の舞かと言いますとですね。
一つ目は、工業製品を含む日用品から、IT産業や既存企業のIT対応、高級品を含む嗜好品への移行が上手くできなかったこと(観光は上手くいったと思いきやコロナ)。
二つ目は、国民の金融リテラシーの教育に失敗したこと。
つまり「農畜産業から工業化に失敗し、金融政策でも失敗した、アルゼンチン」のような国に、日本はなりつつあるじゃないですかと。
まぁ、上記のピクテ様の動画を拝観して、そのように思ったわけです。
……が。
「災い転じて福となす」という諺があります。
今回の日本は「成功体験が裏目」に出ましたが、ここからですよここから。
我が国日本は「石油や鉄鉱石などの物の資源がない」ことから、質の高い労働者という「人を育てて資源とする」ことによって、豊かな国になることができました。
原因がわかれば後はもう、それに対応するだけです。
それに今は「個人でも、対策できることがたくさんある」時代ですから。
「個人の金融リテラシーが直接問われる」という厳しい時代だからこそ、逆に言えば「個人でも、できることはたくさんある」という大きな利点もあるわけです。
ここからですよ、ここから。