電子書籍『ゲームやアニメ、漫画でこれからの生き方を学ぶ』で、アニメ版「巨人の星」の例をに挙げた話を無料公開しました。
……が。
実は割愛したものがありまして、今回はその話になります。
「巨人の星」は漫画原作のアニメですが、日本でアニメ化されてかなり時間が経った後に、インドにも輸出されています。
『スーラジ ザ・ライジングスター』というタイトルで、主人公は「星飛雄馬=スーラジ」です。
ただし、インドでは野球はそれほど盛んではなく、クリケットに変更されています。
何故、クリケットが盛んなのかと言いますと、植民地時代にイギリスから持ち込まれたから、なんですね。
私はこのアニメの一部をGYAO!で視聴させて頂きましたが、それで衝撃を受けたところがありました。
何と、花形満に相当する金持ちおぼっちゃまのご家庭の日常会話が、全部英語なんですよ。
つまりインドの上流階級って、植民地時代以降は宗主国イギリスの影響で、英語必須なんですよ英語。
で、最初は「日本は植民地にならなくて良かったー」と思ったわけですけれども。
残念ながら、現在はこれが裏目に出ているところがかなり大きいんですね。
例えば日本人がもっと英語が使えたら、ユーチューバーのお客さんを英語圏の人々も対象にできます。
あるいは、日本では激務でお給料の安い代名詞のように言われる美容師さんも、アメリカに行くとシャンプーテクだけで高いお金が貰えるそうです。
……ということを、アニメ版「巨人の星」でも学ぶことができますが。
実は、ここでも書きにくいので割愛したいような話も、学べます。
例えば、原作の漫画版「巨人の星」の漫画原作者、故・梶原一騎氏の話とか。
ご本人も波瀾万丈の人生でしたが、ご家族もいろいろと大変なことに……という話もありますけども。
私がここで最後に書いておきたいのは、別の話です。
故・梶原一騎氏の作品はどれもこれもすごいですよ?
今回の「巨人の星」もですが、高森朝雄という名義で書かれた「あしたのジョー」は、ライバルの力石が死んだ時にリアルにお葬式までありました。
(その葬儀委員長は故・寺山修司氏でしたし、豪華にもほどがあるやろと)
そんな売れっ子の梶原氏でしたが、いわゆるスポ根ものが時代の流れで衰えていくようになり、梶原氏はその流れに乗って作風を変えることができませんでした。
(というよりも、何といってもスポ根の天才ですから、それ以外の作品はそもそも書けなかったのではないかと思います)
そして暴行事件を起こして、そこから転落していくわけですけれども。
だからと言って、今でも「巨人の星」や「あしたのジョー」は名作ですし、それはこれからも変わることはないでしょうし、その作品を生み出した梶原氏の才能は素晴らしいものであったことは、間違いありません。
と、ここまでで私が学んだことはですね。
お金を稼ぐということは、評価してくれるお客さんがその時点で必要なのです。
しかし時代の流れによって、その時は評価してもらえないとなったら、お金を得ることができません。
これはクリエイターに限らず、今であれば文系の学者さんにも言えるかと思います。
(実際の話、欧州のすごい哲学者はお金持ちの家に生まれた人がほとんどです。
商人でユダヤ教団から破門されて貧乏になったと言われるスピノザですら、援助してくれるお友達は全員ド金持ちだったらしく、あんまり貧乏ではなかったらしいです)
だから親が金持ちではないのに、そういう仕事に就きたいと思ったら、金融や経済の勉強は必須だよねとか、あるいは国は早くベーシックインカムを導入すべきだ(再分配ではなく国民への投資のため)とも思うし……という考えに私はなったわけですけれども。
ここまで読んで頂いた皆さんは、どのように思われたでしょうか?
その考えるきっかけというものになるのであれば、アニメやアニメのような娯楽作品であっても、決してムダではないと思いませんか?