くすぶりすぎな株シリーズ
日本電子材料の今後の将来性については正直言って不透明すぎるといっていいでしょう。なぜなら中期経営計画はださない。今後の方針についてさえプレスリリースされないようでは判断の仕様がありません。
日本マイクロニクスのMJC Future Visionによれば半導体業界は競争が激しく不確実性も高いために中期経営計画を実行することが難しいと書かれています。したがって日本電子材料は中期経営計画を作らないのかもしれませんが未来においてどのような企業でありたいかといったことに対して何も発信しないの明らかにおかしいといえます。
経営理念によってどのようなスタンスで今後事業を行うのかわかるかもしれないとも思いました。
「日本電子材料株式会社は、人類に幸福をもたらす技術の開発と製品化により社会に貢献する」
経営理念を評価するうえでシンプルであることは悪いことではなくむしろ良いはずですがこの経営理念はあまりにもシンプル過ぎる。もしも日本電子材料株式会社のところを違う会社に当てはめたとしても当てはまってしまうというなんとも不思議な経営理念です。
私であれば「人類の幸福のために使われる電子機器を安全かつ性能を保証するための技術の開発と製品化に努める」ぐらいの理念にするはずです。日本電子材料の経営理念には明らかにWhat need?、つまりどのような需要に対して供給を行うかについて書かれていないのです。
以上の点が私が唯一心配している点なのです。将来性について何も指針を出さない、不透明であることを早急に直してほしい!
ここまでご紹介してきた日本電子材料ですが個人的に調べていただいたかと思います。その時に疑問に思った方もいるかもしれません。
「なんでくすぶりすぎな株としてこの人は認識しているの?、一回ものすごい勢いで上昇しているじゃないか!」
そうなんです。去年の7月から9月の間で一気に2倍以上に跳ね上がっておりすでにくすぶっているとはいえないと思われるかもしれません。しかし2つの理由からくすぶっているということができます。
1つ目は超割安であることです。PERは1月6日時点で約12.6倍、PBRは約1.7倍とそこまで安いように感じないかもしれませんが現在のトレンドは5Gやデータセンターの拡充など半導体需要が急速に高まり今ホットなトレンドなのです。よってフェローテック(PER45.5倍)、ルネサスエレクトロニクス(同40.7倍)、ローム(同50.8倍)と急騰しているのです。日本マイクロニクスも21.5倍と考えるとかなり割安でありしかも成長企業という点からもおかしいのです。
2つ目は9月以降は長い調整期間に入ってくすぶっていたからです。
これは日本電子材料の週足チャートですここ数か月はずっと横ばい。というか少し下がった時期もありました。そしてようやく今週上抜けするとみられ上昇トレンドに乗るとみています。また取っ手付きカップの形も出来上がっています。10月から1か月ほどかけてカップを形成してちょうど先月の最終週に取ってを突き破ったと見えます。よって大きな上昇トレンドの波が来ているといっていいでしょう。
以上の2点からここ2か月くらいかけて上昇すると予想します。
予想レンジは最高値時の予想PERを15倍から25倍と推定して2400~4000円とします。今回はだいぶ強気ですがホットな半導体セグメントであるためかなり強気です。ただ注意点として長期での投資(3年以上)は考えない方がいいかもしれません。半導体トレンドが終わることは間違いありませんし将来に対して明示的な計画を出さない点からして長期では魅力は薄いと考えます。