この映画に関しては漫画など前情報なく、頭を真っ白にして観に行きました。漫画が原作の映画は事前の知識や原作に対する思入れなどが邪魔することがあるので、実写。特にギャグ系の映画は事前情報なく鑑賞するのがオススメです。
この映画を製作した監督は「テルマエロマエ」でおなじみの武内英樹監督です。「翔んで埼玉」の構成は基本的にはテルマエロマエの勢いとクスッと笑えるギャグと同じような感じです。少なくとも私は似ているなと感じました。テルマエロマエが好きな人はおそらく「翔んで埼玉」も好きだと思います。
ただ「翔んで埼玉」はテルマエロマエ以上にギャグに振り切っています。ストーリーは二の次です。テルマエロマエのギャグとストーリーの割合が4・6だとしたら、「翔んで埼玉」は8・2ぐらいの割合です。銀魂もだいぶギャグ寄りだなと思いましたが、「翔んで埼玉」はそれ以上にギャグのパラメーター値が規格外です。
テルマエロマエはローマの世界と現代の世界を行き来していました。それにより視聴者に客観的な視点を持たせていました。「翔んで埼玉」もテルマエロマエとは多少違いましたが、2次元的な視点と現代日本風の視点を交互に構成していました。武内監督は他の監督よりも客観的な視点を伝えるのが上手いなという印象を受けました。特に島崎遥香はこの物語の緩和材としてなかなか重要な役割でほんといい役をもらったなと思いました。
ほんとここまで深みのない映画は久しぶりに観ました(褒めてます)。でも構成的には一貫性があって、起承転結が綺麗にまとまっていました。ストーリーとしてみてもなかなか面白いと思います。終わった後は仕事のストレスなど一気に解消されたので、ストレスを抱えた人や気分転換したい人にはオススメの映画です。