こんにちは。ALIS CTOの石井(@sot528)です。
ALISブロックチェーンブログ、今回は現在私が訪れているドイツ・ベルリンで開催されたWeb3 Summitのレポートをお届けします。
このイベントはParity TechのCTO/Chairmanとしても有名なGavin Woodらが組織するWeb3 Foundation主催のテックイベントです。(ちなみにWeb3.jsを主導しているのはEthereum FoundationでありWeb3 Foundationではありません。より包括的な概念、分散化されたWebの未来としてWeb3という単語を用いているのでしょう)。
他のイベントと比較してもテック色が強く、その分濃い内容のイベントでした。プログラムをご覧いただければ分かる通り、Web3を定義する試みから始まり、近い未来の技術動向の予測、Foundationの存在意義とあり方、ガバナンス、プロトコル設計、WebAssemblyとWeb3の親和性(ewasm)、チェーンそのものの話、etc.. という興味をそそる話題ばかりです。
それぞれの登壇内容についてはWebで参照でき、書き始めると登壇一つでみっちり一記事書けてしまうので、ここでは写真を多めにざっとイベント全体の雰囲気と参加しての所感をお伝えできればと思います。
イベント会場は旧東ドイツの放送局だったFunkhaus Nalepastrasseという場所です。
歴史を感じる佇まいの会場へ足を踏み入れると、Crypto Geek達の熱気に包まれていました。
ネットの回線速度もさすがです。
Ethereum Foundationの中心人物の一人、Vlad Zamfirの講演。
いくつめかの登壇で、登壇者からのこんな質問がありました。
「この中でエンジニアは?」
- 大勢
「投資家は?」
- 数名
「で、がっぽり稼いだ人は?」
- 1人だけ
「正直に言ってくれてありがとうw」
参加者は、わざわざイベントに来てまでWeb3の情報に触れようというGeekばかりなので、会場はエンジニアである私にとって心地よい雰囲気でした。
Gavin WoodによるPolkadotのデモ。しかしこの前後で会場のネットワークの状況が悪くうまく動かなかった模様..。
WASM関連の話も複数ありました。
Vlad Zamfir,Gavin Wood,TezosのArthur Breitmanによるガバナンスに関するパネルディスカッション。さすがの人気で小さい会場は人でいっぱいです。
いかにもバトルしてくださいというようなメンバー&議題ですが、案の定ドンパチ激論を交わしていました..w
うっかり見逃してしまったのですがHTC EXODUSの発表もありました(見たかった)。今のところ日本から買えないようですが。
まだまだ書けるのですが、全体的な雰囲気を共有することが目的なので今回はここまでにいたします。
最後に、イベントを通して何よりもやはり海外は進んでいるなと感じ、日本の現状との乖離に危機感を覚えたポイントは、こちらはDecentralizationが当たり前でありその観点なくして次のWebは語れない、という認識が登壇者・参加者の全員が共有している(ように登壇内容やQ&Aの内容から感じられる)ことでした。
いくらWeb3の名を冠したテック・イベントとはいえ、日本ではついぞ感じたことのない空気です。登壇者や参加者のリテラシーのレベルが数年先行しているように思いました。
やはりその大元の考え方、新しいWebの潮流が何を意味するかをきっちりと理解&思考するエンジニア、プレイヤーを国内でもっと増してゆく必要があると強く感じました。来月登壇の機会をいただいたHi-Conでも、そのあたりを話せればと思います。
非常に簡素ではありますが、以上がWeb3 Summitに参加した所感です。
・ALIS CTO 石井(@sot528)
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