どうしてホームレスになったんだろう。
本当に純粋にそんな疑問を、この間の出来事がきっかけで抱きました。
オースティンのダウンタウンでは、バス停より短区間でホームレスがいます。
だいたい100m歩けば、見つけることができますね。家族ずれのように多数でいることもしょっちゅうです。
一度市街地を探索したときは、こっちのThanks Giving Daysという大きな休日でセブンイレブン以外のほぼすべての店が閉まっているなかで、日本ではまず見ない数の人々が、路上で生活をしているのを見ました。日本で生活していた時との違いに軽くショックを受けつつ、セブイレで必要な食料品だけ買って宿に戻りました。
その数日後、買った食料品を手に宿まで帰る途中、ある黒人の男の人に話しかけられました。イヤホンをして音楽を聴きながらだったので、外して話を聞いてみると、
男の人「I don't need money. Just please give me food」
そういっていました。私が手元の袋にポテトチップスが入っているのを見たのか、私がアジア系の顔だったからなのかはわかりませんが。
私自身時間を気にしていたこともあって、とっさに、「No, sorry」といってその場を後にしましたが、今起きたことを考えながら歩きました。
どうして彼は食べ物を恵んでくれと頼んできたのだろう。
もし自分がお腹がすいてその日の食べ物に困るような状況だったらどうしていたかを考えると、彼は明らかに
・仕事がない
・お金がない
・頼るつてがない
まず、自分ならおそらく親、兄弟、友人に助けを求めます。食べ物に関して赤の他人に助けを求めるのは、そのあとでしょう。
すぐにわかったのはそれくらいです。
私は食べ物をあげませんでした。が、そのあと歩きながら少し後悔しました。皆さんも想像してみてください。
後悔したのは、以下の理由からです。
・彼は3日以上何も食べてないかもしれない。
・彼は勇気を振り絞って、自分に声をかけてきたのかもしれない。そして断られたことによって誰にも声をかける気を失ったかもしれない。
・彼は精神的にまいっているかもしれない。
・もしかしら次の日彼は命を絶つかもしれない。
・自分は食べ物を持っていたが、それを渡しても命にまったく別状はなかった。
・知らない人に物をせがまれたら断る、という固定観念だけで行動してしまった。
まあ、一度あげたところでどうこうという問題でもないし、長期的に彼に大きな変化があるとも思えませんが、
食べ物を手に入れることで彼がWinになり、
良いことしたかなという意味で私がWinになればよかったな。
オースティンで貧富の差を考えた一コマでした。