ALISの皆さま、お昼時に失礼いたします。仮想通貨Q&A「Beetalk」運営です。
今朝方、イーサが3万円代にのせまして、界隈が非常に盛り上がっており、大変にうれしい限りです。
さて、本日のQ&Aは世界で最初の金融バブルといわれた「チューリップバブル」、これとビットコインは同じようなものではないか、というご質問へのご回答を紹介いたします。
さまざま議論のあるところだと思いますが、こうした議論をオープンに繰り広げることで業界の健全な発展に貢献していくことをBeetalkは志向しております。皆様のご利用をお待ちしております。
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Q:ビットコインはチューリップバブルと違いますか?
A:まずビットコインとチューリップバブルの違いを挙げるとすれば、チューリップバブルは暴落後、需要がバブル以前の水準で落ち着いているのに対し、ビットコインは落ちてもまたゆっくりと上がっているという点です。
ビットコインの特徴はなんでしょうか。総量は固定されており、採掘コストはどんどん高くなります。また、約40%のビットコインがごく少数人の手中にあるとされ、相場に大きな影響を持ちます。また、実現していない「使用価値」が声高に喧伝され、それを信じた人々が採掘、購入に走る。
ビットコインはおそらく広く使われる通貨にはなりえないでしょうが、チューリップともまた違います。ビットコインは使用価値がないが、価格は(長期的に見て)堅調な「収蔵品」だといえます。
約40%のビットコインがごく少数人の手に握られていますが、彼らは草創期から注目していたオタクとエンジニアであって、投機家ではありません。これは「収蔵品」にとってはいいことです。「収蔵品の価格が堅調」なのはその収蔵品の占有率と大きな関係があります。
おそらくビットコインの占有率が高ければ高いほど、多くの人は「詐欺じゃないのか?」と思うでしょう。ビットコインの新規参入を増やして、価格を上げて、先行者が儲けを総どりする。これじゃあポンジスキームじゃあないかと。
これは、ビットコインが収蔵品であるということを意識していないからです。また、ビットコインの宣伝方法にも問題があるのでしょう。ビットコイン信者の多くは「技術派」で、彼らもビットコインを収蔵品として意識していません。彼らはブロックチェーン技術を褒めたたえてやまず、ビットコインには偉大なる「使用価値」があると信じ、またビットコインバブルの中で大きく儲けてさらに自信をつけています。しかし、ビットコインの値上がりは、ビットコインが持つ収蔵性と投機性の二つに目を付けている投資家によって起こされているものだということに気が付きません。
いかがでしょうか。
ブロックチェーン技術はとても偉大な発明です。しかし、それとビットコインとは別のこと。ブロックチェーンはナカモトサトシの論文から生まれたものですが、その意義と将来的な発展性はビットコインそのものを大きく超えたところにあります。ビットコインが仮に将来、ただのコードに成り果てても、ブロックチェーンの偉大さには影響しません。また、ブロックチェーンの革命的な意義は、ビットコインの使用価値と直結しません。多くの人が混同していますが、これらは別のことです。
ビットコインの使用価値は目下、部分的に実現されています。ほとんどがブラックマーケットや資金洗浄において。しかし、その収蔵価値は、ますます上がっています。参入者が増えるにつれて、それはさらに強固なものになるでしょう。
多くの人は、ビットコインはデフレ通貨であり、人々は使いたがらないのだから通貨として機能しない。したがってビットコインには全く価値がないといいます。
しかし、この言葉は半分正しく、半分間違っているといえます。確かに通貨として広く流通はしないかもしれませんが、みんな使わないからこそ、収蔵価値が生まれるのです。
そして、この収蔵品も2種類に分かれます。一つは皆が収蔵価値があると認めるものであり、もう一つは、認める人だけが収蔵価値があると認め一般人にはその価値がわからないものです。わからないどころか、「なんかの病気か」と思われるかもしれません。
例えば、私の大学の同期に、スニーカーの収集家がいました。使いもしないのにあんなに靴を買って、一回も履かず、うっとりと見とれ、お金が足りなくなったら高値で売る。私にしてみれば、病気としか思えません。彼だけではなく、そのコミュニティ全体もです。
ビットコインは、後者に属するかもしれません(受け入れる人は多くなってきてはいますが)。したがって、大部分の人はビットコインに収蔵価値はないと思うかもしれませんが、そのコミュニティはゆっくりと拡大していきます。この輪がどれだけ大きくなろうが、認めない人は一定数いるものです。私がスニーカーを全く分からないように。
では、ビットコインの収蔵価値はこれまでどうやって形成されてきたのでしょうか。
ある日、ある科学者が全く新しい宝石を見つけます。装飾に使えるぐらいで、使用価値は大きくありません。人工の宝石ほどきれいでもありません。
しかし、この宝石は地球上に21トンしかないことが分かりました。しかも各地に不規則に散らばっており、採掘難度は掘れば掘るほど高くなります。
そして、これに目を付けた商人が、「この宝石は装飾に使える」「金運が上がる」「石よりも固いから永遠の象徴になる」などの概念を作って喧伝し、大量に採掘させます。さらに、有名人などにも装飾品やコレクションとして使ってもらえば、この宝石の初期段階における価値が生まれ、人々は後に続きます。
やがて参入者の中に多くの投機家が現れ始め、短期的な値上がりと値下がりを繰り返すようになります。しかし、その希少性のために値が全くつかなくなることはなく、例えバブルを経験してもまた、正常な価格に戻っていきます。ずっと値上がりすることより、値がゼロにならないことのほうがよっぽど人に安心感を与えます。収蔵価値はさらに上がっていきます。
この宝石がビットコインです。
ビットコインがここまで値を上げているのは、初期の段階において「想像の共同体」をつくることに成功したからです。先の宝石の例でいえば、「この宝石は装飾に使える」「金運が上がる」「石よりも固いから永遠の象徴になる」など商人によって作り出された概念(想像)を信じるコミュニティのことです。技術が優れているかどうかは関係ありません。信じる人が多いかどうかが重要です。ビットコインがブロックチェーン技術としては他の仮想通貨より劣っているのにも関わらず、いまだに王座を独占しているのは、単純に信じる人が多いためです。
現在、ビットコインの趨勢を見てみるに、持続可能な産業に発展させる方向に動いていると感じます。その可能性を喧伝するものと、批判をするものとの間で熱いバトルが繰り広げられ、膨大な数の大衆にビットコインを認めさせるかそうでないかを競っています。一方は、ビットコインは人類社会を変える聖杯だといい、一方は詐欺だといいます。とりあえずのところ、ビットコインの支持者が一枚上手なようです。
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