
京都の紅葉の穴場を巡るシリーズ。
今回は、京都駅から近いのに案外訪れる人が少ない場所へ向かいます。
それは、泉涌寺の別院である「雲龍院」。
どんなところなんでしょう?
雲龍院(うんりゅういん)は下の地図のように、京都駅からほど近いところにあります。

京都駅からJR奈良線でほんの一駅、東福寺駅で降りて、そこから歩きます。
同じ場所に京阪電車の東福寺駅もあるので、京阪でも便利です。
東福寺は今や世界的な紅葉の名所になったので、最寄りの東福寺駅もすごい人出ですが、今回は東福寺には向かいませんw。
東福寺ではなく泉涌寺に向かって坂道を20分くらい歩きます。上り坂ばかりでちょっとしんどいのですが、頑張って歩いてください。
まあ、タクシーで行っても料金は安いので、これもお薦めです。

頑張って歩くと、泉涌寺に到着します。
泉涌寺(せんにゅうじ)は皇室との関連が深く「御寺(みてら)」とも言われる、とても格式の高く有名なお寺です。
令和元年11月下旬には、天皇皇后両陛下がこの泉涌寺内にある孝明天皇陵にて「親謁の儀」に臨まれたりと、今でも皇室との縁が深いお寺なのです。
今回はこの泉涌寺の本坊には行かずに、その奥にある泉涌寺別院の雲龍院へ向かいます。

泉涌寺の駐車場の横にあるこの小さな案内板を目印に、細い道をゆくんです。
このように雲龍院はひっそりとあるので、訪ねる人が比較的少なくゆっくりできる穴場的な存在なのです。

少し歩くと雲龍院に到着。早速紅葉が見られますね!
雲龍院は立派なお寺ですが、横の泉涌寺本坊が凄すぎるので、これでも見劣りしてしまうような感じです。
なので、参拝者がそれほど多くなく穴場なのですが。
では、山門をくぐって境内に入りましょう。

境内は静かで、落ち着く雰囲気です。
庫裡が見えるのでお堂に上がらせていただきます。

中庭。
紅葉に秋の日があたって、素敵な感じですね。
さて、雲龍院とはどんなお寺なのでしょうか?
公式サイトの説明がわかりやすいので、引用します。
泉涌寺の山内の一番奥、別院の雲龍院。
南北朝時代の北朝第四代天皇、後光厳天皇の勅願で作られたお寺で、
真言宗泉涌寺派の別格本山とされています。御本尊は本堂龍華殿に安置されている薬師三尊像で、
西国薬師霊場四十番札所です。
歴史を紐解くと、様々な天皇から援助を受けて長年に渡ってお寺を維持されていたようです。
泉涌寺本坊と同様に、皇室と関係が深いお寺なのですね。

ということで、皇室とゆかりが深いので、白砂の模様も菊の御紋で目立っています。
これは徳川家最後の将軍、徳川慶喜が寄贈した灯篭とのこと。

さて、これが雲龍院名物の「蓮華の間」。
四つの窓から見える景色が、窓それぞれに違うことが面白いのです。
見える景色は、左から椿・灯篭・楓・松。
これは「しきしの景色」と呼ばれています。
特にこの季節は右から二番めの楓が紅葉しているので、とても美しい景色になっています。

このお庭の紅葉のグラディエーションはたまりません。
参拝者はそれほど多くないのでゆっくりお庭を見ることができました。
そしてさらに寛げるように、雲龍院ではこの鮮やかな紅葉のお庭を見ながらお抹茶をいただくことができます。
せっかくなので抹茶をお願いしましょう。

抹茶と茶菓子が出てきました。
と、よく見てください。
なんと茶碗には菊の御紋が!
さすが、皇室ゆかりのお寺ですね。
そして茶碗は台に載せられています。
この台は貴人台と言われており、身分の高い人にお茶を出す時に載せられる台だそうです。
僕の身分が高いわけではないのですが、さすがに菊の御紋が入った茶碗を直に机や床に置くわけにはいかないので台に載せているそうです。
さてこの茶碗で抹茶をいただくわけですが、絶対に菊の御紋のところに口をつけてはいけません!
かならず茶碗を回して菊の御紋を正面から外して下さいと、最初に注意されます。
あまりにも高貴なので、抹茶をいただくにも緊張します。くつろぐはずだったのにw。
ちなみに茶菓子は皇月という、わらび餅で餡をくるんだ生菓子です。とても美味しかった。

もう、いたるところに菊の御紋があります。
皇室との関係を主張しまくってますね。

御朱印もいただきました。もちろん菊の御紋です。
龍華殿とは雲龍院の本堂、重要文化財です。
日付を見て下さい。
もう12月に入っているのに、まだ紅葉はしっかりあるんです。今年は冷え込みが少なく紅葉が遅いとのこと。

ということで、とても高貴なお寺で、僕も気分だけは高貴になってしまいました。
京都駅から近い場所で、これだけ品があってゆっくりできる場所があるのはちょっと驚きです。
今年は12月になってもまだ紅葉のピークなので、鮮やかな季節がもう少し続きます。
Camera: PENTAX K-3II with SIGMA17-70mm F4.5-6


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