京都・建仁寺塔頭の霊源院がこのたび庭園を改装され、とても立派で新しいお庭になり、お披露目の特別公開をされていましたので訪ねてみました!
あわせて、額あじさいのような甘茶が美しく咲いていて、初夏というか梅雨を感じましたのでレポートします。
霊源院(れいげんいん)は京都の街中にあり、祇園のメインストリートである花見小路を下がり(南に行く)ます。とても便利な場所です。
花見小路を下がると、突き当りがこの建仁寺。
木に囲まれた建仁寺の勅使門・三門を撮っているのは、撮影時点では新型コロナウイルス感染予防のために建仁寺のお堂内部はまだ拝観を再開されていなかったからです。
建仁寺境内をさらに下がってちょっと東に入ると、境内の端の方に霊源院はあります。
霊源院は建仁寺の塔頭です。
ご覧のように今川義元公生誕五百年記念ののぼりが立っていました。
今川義元は幼少時に霊源院で修行をしたとのことで、こことは縁があるそうです。
ちなみに一休さんも幼い頃にここで修行をされたそうな。
では、本堂に上がらせていただきましょう。
本堂の中に入ると、「関」と書かれたついたてがどーんとあります。
どんな意味があるのでしょうか?
霊源院オフィシャルサイトに説明が書かれていました。
禅— それは仏道修行における基本的実践の重要な徳目。
仏陀釈尊から摩訶迦葉へ、そして菩提達磨に継承され、中国で教えを広く伝えた事から始まります。入門を示す「関」から始まり、そして「関」に終わるとされるこの修行は、人種と地位を越えて多くの人を仏道へと導きました。
今も昔も分け隔てなく、民衆が自由に禅門の戸を叩く事ができる道場を“禅寺”といいます。
(霊源院オフィシャルサイト)
このように、霊源院は禅寺なのです。
では、ついたての向こうに行きます。
霊源院・本堂内部。
緑鮮やかな庭園が見えますね!
赤絨毯が敷いてあって、緑との対比が鮮やかです。
この新しいお庭は令和2年(2020年)5月23日からお披露目の特別公開となりました。
お庭の名前は「鶴鳴九皐」(かくめいきゅうこう)。
これは山奥の深い谷に美しい鶴の鳴き声が響くという意味で、そのような自然をイメージしているお庭とのことです。
それほど広くないながらも、枯山水の美しい庭園です。
白砂が大胆に配置されていて苔も植えられており、その奥には岩とサツキなどの緑が配置され色も豊かで賑やかな感じです。
少しだけお庭に降りることもできます。
白砂がお堂の隅をカーブしてずっと右側までまで続いていました。
大胆な造形で現代的な感じ。
どなたがお庭を作ったんでしょう?
お庭はお堂の角をぐるっと右にカーブして…。
角を曲がって、右側に続くお庭がこちら。
こちら側はちょっと意匠が変わっていて、でもしっとりとして素敵です。
風鈴が心地よい音を奏でて、曇り空の中でも夏がやってきていることを感じます。
梅雨の季節に入りますが、雨に隠れて夏が忍び寄っているんです。
広くない敷地にさまざまな要素を詰め込みつつもごちゃごちゃした感じはまったく無く、よく整頓され凝縮したような魅力がある庭園と思いました。
ちなみに下の写真は、改装前の2019年5月に撮影したお庭です。
改装前と改装後、かなり違いますね。
この新しいお庭は足立美術館の庭園を作庭し「昭和の小堀遠州」と言われた中根金作氏のお孫さんの中根行宏氏、中根直紀氏が作られたとのことです。
気合が入っていますね。
なお、足立美術館というのは島根県安来市にある美術館で、その日本庭園は非常に素晴らしく、日本一の庭園と言われています。
(この日本一の件は、昔から日本一の庭園と言われる京都・桂離宮の案内の方が「今は足立美術館の庭園が日本一で、桂離宮は二番」と僕に言われていたので、信頼度は高いでしょうw。)
さて、お庭の前面に目立って植えられているこの花が気になります。
額あじさい? 梅雨らしいですね!
と言いたいところですが、これが霊源院名物の「甘茶」です。
でも、甘茶は山アジサイが突然変異したものとのことですので、まぁあじさいの一種ですけどw。
この甘茶、文字通り煎じて飲むと甘いんです。
昨年、ここを訪ねたときには甘茶を出してくださいました。
確かに、めっちゃ甘~い!
と、去年の記事に書いています。
甘茶はお釈迦様の誕生日である花まつりの際に小さな仏像に注ぎかけますよね。
なので、仏教と大いに関係あるのです。
では、そろそろ帰りましょう。
帰り道、お茶屋が並ぶ祇園のメインストリート、花見小路。
新型コロナウイルス流行前は外国人観光客ですごい人出でしたが、今は閑散としていました。
以前の京都の落ち着きが感じられて、個人的には好きです。
鴨川の脇には納涼床が作られていて、夏の準備は万端のようです。
そして鴨川名物、カップルが等間隔に座る「鴨川等間隔」も見られます。
今になって思えば、京都人は新型コロナ流行以前からソーシャルディスタンスをしっかりとっていたんですw。
新型コロナウイルス流行があっても、それでも今年も京都は着々と夏になってきていました。
記事公開時点で京都は鬱陶しくもしっとりとした梅雨に入っており、そしてその後には暑い暑い京の夏がやってきます。
季節はどんどん進んでゆきますね。
Camera: LUMIX G8
Lenses: LEICA 15mm F1.7, LUMIX 25mm F1.7, 42.5mm F1.7
昨年、霊源院を訪ねた記事です。