巨大な炎が燃え盛る、迫力と熱気が満点の京の冬の行事。
今年も行ってきました、「阿含(あごん)の星まつり」。
この行事は、すごくでっかい護摩が焚かれるのです。
その炎に圧倒されてしまいます。
一昨年に訪ねたときの記事がこちら。
星まつりは今年も節分の時期、2021年2月7日(日)に行われました。
この星まつりは阿含宗の信徒さん向けの行事ですが、僕のような信徒でない人も誰でも予約なしに参拝可能です(入場無料)。
今回もまた、すごい炎を感じることができるのでしょうか?
星まつりは京都にある阿含宗(あごんしゅう)総本殿境内にて行われます。
この年に一度の護摩を焚く行事のために、会場が常設されているのです。
星まつり会場は、京都盆地と隣の山科盆地を隔てる東山の一つである花山(かざん)の山の上にあります。
ここは阿含宗総本殿の敷地内です。
会場へ向かう交通機関としては、星まつりの日のみ京都駅八条口からシャトルバスが頻繁に出ています。
片道300円の志納で、京都駅から直行なので便利。
特に今年は新型コロナ感染対策のためか、乗客定員に余裕がある状態でバスを発車させていました。
シャトルバスは会場の花山の麓にある、国道1号線(五条通り)に面した広場に到着です。
星まつり会場は花山の山上なので、バス降り場から山を登ることになります。
さあ、行きましょう。
最初は階段。
山道ですが、とても良く整備されています。
お年寄りの方も多数登られるので簡易な階段が整えられ、ところどころに休憩所も作られています。
どんどん、15分くらい山を登ります。
と!
一気に視界がひらけて、星まつり会場に到着!
なんだか、右手に炎が見えていますね。近づいてみましょう。
おお、なんだかでっかい炎で燃えている!
この炎は、護摩(ごま)が焚かれているものです。
写真左は観客席。今年は新型コロナの影響か参拝者が少ないように見えます。
ソーシャルディスタンスを保つようにとの張り紙も随所にあります。
星まつりには毎年阿含宗の信徒さんがツアーバスを仕立てて全国から来られます。
この星まつりは阿含宗最大の行事なのです。
では、観客席正面に移動しましょう。
中央に祭壇。
そして左右で護摩が焚かれています。
護摩とは、火中に供物や護摩木を投じて浄め祈願する密教系の宗教行事。
そして、この阿含宗の「星まつり」の星とは夜空の星のことではなく、人が誰でもが持つ「運命の星」のこと。
旧暦の年始めである節分に護摩を焚き「星」を供養(おまつり)するのが「星まつり護摩供」とのことです(星まつりオフィシャルサイトより)。
阿含宗では、神仏両界の両壇護摩を焚きます。
「阿含の星まつり」は、正面祭壇向かって右に仏界の本尊である真正仏舎利尊を、左には神界の主神として素戔鳴尊をお祀りし、祈願成就の神界壇と先祖供養の仏界壇を築いて皆さまから寄せられた護摩木をお焚き上げする、阿含宗独自の「神仏両界の秘法」を以って奉修しております。
(星まつりオフィシャルサイト)
人の大きさと比べると、とても巨大な炎ですね!
阿含宗の星まつりの護摩の火は、ご覧のように非常に大きく迫力があるのです。
そしてたくさんの山伏(やまぶし)がおられて、何やら投げ入れています。
その投げ入れているのが護摩木。
これが護摩木(ごまき)。
星まつり会場でいろんな大きさや値段のものが売られて、いや授けらています。
この木片に名前や願い事を書いて係の人に預けると、いくつかの護摩木を束ねて山伏が炎の中へ放り投げてくれます。
これはお焚き上げと言われています。
護摩木をダンボールに入れて運んで、山伏がどんどん炎の中へ投げ入れています。
これ、めっちゃ熱いんですよ。
観客席にいる僕にまで熱さが伝わって冬の寒さを忘れるくらいなので、山伏さんはとても熱いはず。
それでも燃やせ燃やせ!
そして、法螺貝を吹き鳴らせ、ブォーブォー!
太鼓を叩け、ドーンドン!!
こんな感じで、炎の熱気とともにどんどん会場が盛り上がってきます。
おっと、炎の勢いが強すぎる、水をぶっかけろ!
炎の熱と水と煙と灰でぐちゃぐちゃになりながらも、山伏さんは頑張る。
このように星まつりはとても見応えのある行事ですが、あまり有名ではないのは星まつりを主催する阿含宗がいわゆる新興宗教であることが関係しているように思っています。
自分は阿含宗の信徒ではありませんが、冬の寒く寂しい時期に圧倒的なエネルギーである巨大な炎を見るのは楽しく焚き火のように暖かいので、何回か星まつりを拝見しています。
さて、星まつりは護摩の炎だけではなく、阿含宗総本殿の建物も公開されます。
炎以外も見に行ってみましょう。
阿含宗総本殿。
めっちゃ立派な建物です。人の大きさと比べるとその巨大さがわかると思います。
こんな立派な建物が京都にあって観光名所にならないのかと思うくらいですが、普段は一般非公開なのです。
建物は新しい感じですが、1991年落慶とのことでやっぱり新しいです。
鉄筋コンクリート製。
星まつりに合わせて総本殿の内部特別公開もあり、有料で入ることができます。
中は撮影禁止なのでお見せできないのですが、中央奥には非常に立派で現代的な祭壇があります。
総本殿の横奥には、京都大仏が見えます。
京都に大仏があるんかい!とツッコみたくなりますが、これも阿含宗が近年作った物です。
その他、阿含宗とブータンとのつながりについて展示されたブータン広場や占いコーナー、なぜか恵比寿大黒天を祀った特設神社など様々な催しがあり、まさにお祭りのようで飽きさせません。
炎の星まつり会場に戻ってきました。
これからメインイベントが始まります。
それは…。
最勝金剛靖雄大覚尊 秘密九字!
なんじゃそれは?
これは、阿含宗の教祖である最勝金剛靖雄大覚尊、つまり桐山靖雄(きりやませいゆう)管長が秘密の九字の呪文を切るという、とてもありがたい行事なのです。
大型スクリーンに桐山靖雄管長が映し出されます。
この時は山伏も信徒もすべての人が手を止めて、スクリーンに向かって手を合わせます。
そして、教祖様のエィッ!との掛け声のもと、秘密九字が切られました!
ありがたや~、ありがたや~。
と、実はこの桐山靖雄氏は2016年にお亡くなりになっています。
ということは、この映像は過去のビデオなのですね。
ビデオだからか、この秘密九字は1時間に一回と結構しょっちゅう行われます。
秘密九字が終わると、山伏さんたちは活動再開。
ふたつの護摩の間の中央部では、山伏問答などいろんな行事が次々と行われます。
山伏さんたち熱くて重労働なのによく頑張っておられるなと感心しつつ、お腹が空いてきたので、まだまだ燃え盛る護摩を後にして山を降りましょう。
この護摩の炎は、夕方近くまで燃やし続けられます。
山を降り、国道1号に面したパス乗り場に戻ってきました。
ここからシャトルバスに乗って、山科経由で京都駅に戻ります。
いやぁ、今年も熱い炎の祭典でした。
寒くて色の少ない冬に炎というエネルギーの塊を見て熱さを肌で感じると、そのエネルギーを貰ってそこまで来ている春まで突っ走れそうな気になりました。
さあ、立春を経て京にもいよいよ春が来ます!
Camera: LUMIX G8
Lens: LUMIX 12-60mm F3.5-5.6, 45-150mm F4-5.6
2019年に星まつりを訪ねた記事。
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