京都は真冬。
それは、観光客が少ない静かな季節。
そんな京都の冬にお客さんを呼び込もうと、毎年冬に企画されている「京の冬の旅 非公開文化財特別公開」。
今年も開催され、たくさんの非公開文化財が特別公開されています。
今回訪ねたのは、その中の「西陣 興聖寺(こうしょうじ)」です。ここは古田織部(ふるたおりべ)が創建したお寺で、通称・織部寺とも呼ばれます。
ここには珍しく面白い蹲踞(つくばい)があるのです。
実際に見てみると確かにとてもユニークで面白かったので紹介します!
興聖寺は京都盆地のやや北の方、堀川通に面して建っています。
このあたりは西陣に位置します。
宇治にも同じ名前のお寺があるので、こちらは「西陣 興聖寺」と名乗られています。
交通手段はバスが一般的。
堀川通は大きな通りで、京都駅などのターミナルからの京都市バスがしょっちゅう通っています。「天神公園前」バス停下車すぐです。
あるいは京都市営地下鉄烏丸線の鞍馬口駅から徒歩15分。地下鉄駅からだとやや遠いです。
堀川通に面して、広い敷地のお寺があります。
山門も立派ですね。興聖寺は臨済宗のお寺です。
興聖寺は普段は一般公開をされていないので、なかなか入ることはできません。
それが京の冬の旅 非公開文化財特別公開で一般公開されました!
これはなかなか珍しいようで、自分を含め前に位置する堀川通をよく通る人でも入ったのは初めてという方が多かったようです。
京の冬の旅非公開文化財特別公開は感染対策のため基本は予約制ですが、結構予約に空きがあったようで今回は予約なしで入ることができました。
山門をくぐると本堂が見えてきます。大きなお堂です。
お堂の中も拝観できます。
本堂の天井には雲龍図が描かれ、本尊・釈迦如来像や武将・藤堂高虎の寄進と伝わる達磨像が安置されています。内部は写真撮影不可。
次に方丈を拝観します。
庭園には苔の合間に雪が残っており、冬らしい光景です。
方丈内部。
襖絵は真っ青。
これは「青波の襖」という作品で、絵ではなく海中から撮った波の写真なのです。
写真家の杏橋幹彦氏が2021年に奉納されました。非常に斬新ですね。
この興聖寺を創建した武将であり茶人であった古田織部はとても斬新な方だったらしく、その斬新さを今に引き継いでいるように思います。とても面白いです。
それにしても古田織部(ふるたおりべ)って、どんな人?
僕もあまり知らないのですが、ふなっしーが古田織部の大ファンでちょっと動画で熱く語っておられるので、見てください。
って、なんでふなっしーやねん?
まぁ、それもまた斬新で良いでしょう。
というか、ふなっしーもきっとこの興聖寺の特別公開は拝観するはず?
梨皮は脱いで来るでしょうから、来たことがわからないのが残念。
ではいよいよ、その古田織部の斬新さユニークさを表す場所を拝見しましょう!
それが、興聖寺名物の蹲踞(つくばい)なのです。
これが古田織部が作った、その蹲踞(つくばい)。
「降り蹲踞」と名付けられています。
地面を掘って、その穴の底に手水鉢があるのです。
写真ではわかりにくいのですが、実際に見るとこの降り蹲踞は結構大きく深いです。
深さは小さな人の背の丈くらいあります。
地面を掘ることで立体的な庭の作りになっていて、人目を引きます。
降り蹲踞(おりつくばい)
地面を深く大きく掘り下げ、螺旋状の石段を降りた先に手水鉢が据えられている。
とあります。
蹲踞というのは、茶室に入る前に手を清めるための場所です。
降り蹲踞の一番下にある手水鉢(ちょうずばち)。
石段を何段も降りるため、地下に潜ってゆく趣きがありとても面白いです。
さすがユニークさで有名な古田織部ですね。
では、降り蹲踞で手を清めたら、茶室へ向かいます。
こちらが茶室・雲了庵(うんりょうあん)です。
この雲了庵は古田織部の院号から名付けられており、中には織部の木像が祀られています。
残念ながら茶室内部は撮影禁止。
茶室の前のお庭は雪が積もっていて、これまた風情があります。
さて、茶室を拝見し、方丈へ戻ってきました。
立派な生花に夕日が差して美しいです。
方丈庭園の溶けかけた雪も良いですね。
奥に見えるのは本堂です。
日も暮れつつあり、拝観時間も終了ですのでそろそろ帰りましょう。
雪の残る本堂から差す、冬の夕日が印象的。
今回の興聖寺は、降り蹲踞など古田織部のユニークさや粋に触れた興味深い拝観でした。
さすが京の冬の旅だなぁ。
雪の残る京都ですが、もうちょっとすれば京にも春がやってきます。
Camera: LUMIX G8
Lens: LEICA 12-60mm F2.8-4
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