普段は拝観謝絶の門跡寺院が、天皇陛下御即位に合わせて特別公開されると聞きました。
そのお寺は慈受院(じじゅいん)。薄雲御所とも呼ばれる皇室と関係のあるお寺。
特別公開が大好きで京都在住で訪ねやすい環境の僕は、もちろん行ってきました。
しかも、令和初日に。
慈受院は京都の真ん中に近い市街地、堀川通に面しています。
すぐ近くに百々御所と呼ばれる同じ尼門跡寺院の宝鏡寺があり、こちらも訪ねています。
さあ、山門をくぐって入ってみましょう。
ん??
拝観謝絶の札が。
でも大丈夫。なにせ特別公開ですから、気にせず中に入ります。
慈受院は、なんと6年ぶりの一般公開とのことです。
玄関は木に隠されています。
京都の中心部なのでビルも多いのですが、その中でひっそりと落ち着いた雰囲気を残しています。
京都はこういう目立たないけれど素敵な場所がまだまだあるんです。
もちろん多くは非公開。これが京都の奥深さです。
では、上がらせていただきましょう。
洗練された玄関ですね。
慈受院は尼門跡寺院。
代々、皇室などから女性のご住職が入られています。
僕は尼門跡寺院をいくつか訪ねましたが、どこもこじんまりとした中にも洗練された雰囲気を持つので、とても好きなのです。
ちなみに、尼門跡寺院は京都や奈良に13ヶ所しか残っていないとのこと。
とても貴重な存在ですが、あまり知られていないのが残念です。
さて、お庭を拝見しましょう。
新緑が美しく、つつじが鮮やかで目立ちますね。苔も素敵。
白石で川の流れを表しています。
大きなお庭ではありませんが、素敵さがギュッと詰まっていると思います。
苔の上に落ちる、つつじの真っ赤な花。
とても鮮やか。
慈受院門跡のことが解説されたパネルが張ってありました。
格式の高さがよくわかります。
こういう、ちょっとした心配りも粋です。
尼門跡らしい気配りを感じます。
お庭以外にも、大織冠絵巻という物語絵巻や狩野探信筆の花鳥図などを拝見しました。
これらは写真撮影不可なのでお見せできませんが、いずれも保存状態がよいようで鮮やかな色彩が残っていました。
丸窓の向こうにも緑が見えて、落ち着いた雰囲気。
と、右上にはカレンダーが。
こんなところで日付を確認したい人なんていないはずなのにな…。
はっ!
さすがは門跡寺院ですね。
緑が多くしっとりとしたお寺の渡り廊下。
こじんまりとしていて、大々的に公開するようなお寺ではないのがわかります。
このようなお寺を静かに拝観するのは、とても楽しいひとときです。
このときは小雨が降っていて、雨に濡れてしっとりとして味わいが増しているような光景でした。とても落ち着きます。
さて、御朱印をいただきました。
一つは御朱印帳に直筆、もうひとつは書き置きです。
「奉祝 天皇陛下御即位記念」の印が押されています。
さすがに門跡寺院だけあって菊の御紋ですね。
日付はもちろん令和元年五月一日。
とても高値が付きそうな、ではなくて記念になる御朱印です。
もう一度、鮮やかなお庭を拝見して、帰路につきました。
次に慈受院が公開されるのはいつになるでしょうか。
貴重な光景を、目と写真に焼き付けました。
Camera: PENTAX K-3II with SIGMA 17-70mm F2.8-4
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