ざっくりまとめると、ルールがある環境下でプレーヤーが取りうる選択肢を列挙して最適な行動とは何か?ということを考える理論です。この記事では、ゲーム理論の例を示し、そこから仮想通貨など取引における行動の指針が得られないか検討します。
まず、簡単な例として囚人のジレンマについて説明します。囚人Aになったと仮定して読むとよりわかりやすいと思います。
ルール
①囚人Aと囚人Bが一人ずつ取り調べを受けています。お互いの取り調べ状況はわかりません。
②A、B共に黙秘したら両者懲役2年。
③Aが自白し、Bが黙秘したらAは即釈放、Bは懲役10年。逆も同じ。
④A、B共に自白したら両者懲役5年
こんな状況になったとしたら、あなたはどんな行動をしますか?
黙秘したらBとともに2年お勤めするしかないなぁ・・・なんて思考停止していたらあっさり懲役10年になってしまうかも。
ABの選択肢と結果を表にまとめましょう。カッコ内左がAの懲役、右がBの懲役です。
B黙秘 B自白
A黙秘 (2,2) (10,0)
A自白 (0,10) (5,5)
Aの気持ちになってみると、黙秘すると懲役2年か10年、自白すれば0年か5年、相手がどっちの選択肢をとったとしても自白する方が得や!!行くで、やるで、自白や!!となります。
今度はBの気持ちになってみると、同様に自白や!!となります。
結果AB共に5年間お勤めすることになりました、めでたしめでたし。となりました、しかし何か納得できないところはありませんか?
AB両者の合計の懲役が最も少ない状況は両者ともに黙秘で4年、その他は全て10年で同じです。客観的にみると、両者共に2年ずつの懲役が最も利益を得られます。しかし、個人の利益を優先すると最も利益を得られる状況から遠ざかってしまいます。
このような思考を発展すると、実社会の取引、会社の人間関係などにも幅広く応用が可能です(理論上は)。
仮想通貨の市場でのある一場面を、わかりやすいように単純化します。あくまで、ただの妄想なので実際には参考になりませんので悪しからず。
A(あなた)はICOに参加するか迷っています。10万円持っています。
B (相手)ICOアフィリエイト収入をメインとしたブロガー
①Bは100%の利益がでるICO(ETHとします。)をAに紹介すると1万円の利益。100%損する商品(H○RO)を紹介すれば5万円の利益。紹介に成功しなければ0万円の利益です。(アルファベットに意味はありません)
②AがICOに参加した場合、Aの損益はETHだと+10万、H○ROだと-10万とします。
③AがICOに参加しない場合、損益は0です。
BETH BH○RO (Aの利益,Bの利益)
A参加 (10,1) (-10,5)
A不参加 (0,0) (0,0)
このルールの上では、Aはどちらを選んでも総利益は変わらず、BはH○ROを紹介するべしとなります。ただし、この仮定は単発の利益のみを想定しているため、複数回ゲームを行う時の最適戦略は変わります。(現実にやったら訴えられる可能性もありますし・・・)
現実で行われている仮想通貨の世界は様々なゲームが行われています。ルールや相手プレイヤーを把握(想像)するだけで無駄なリスクをとることは避けられると思います。
皆様も参加している市場のルールを想像して、自分が無意識にとっている行動は適切なのかチェックしてはいかがでしょうか?
過去記事、こちらも読んでいただけると嬉しいです!!
・世界半周!!仮想通貨と世界の通貨事情その1〜3
・SFと仮想通貨
タイ ルンピニースタジアム