今は昔、平成の世のお話です
これは、どこにでもいるような、ある平凡な主婦のお話
ある日、女の息子がポツリと言いました。
息子・・「お母さん、今幸せだよね!」
女・・「なんで?」
息子・・「だって、楽しそうじゃない!」
女・・「えっ!楽しいわけないでしょ!・・・お父さんと別れて、おまけに子供は病気で!・・・これから、どうしたらいいのか途方に暮れているわよ!」
息子・・「そうかな~?・・・お母さん生き生きして見えるけど・・」
女・・「なにそれ!」
息子・・「お母さんは、不幸が好きなんだね~」
女・・「・・・」
そんな馬鹿な‼・・・・でも返す言葉が見当たらない。
たしかに、わたし・・・
幸せな時より、不幸の時の方が、「よし!頑張ろう!」と力が涌いて来る。
不幸の方が、身体も動くし、頭の回転も速いような?
・・・・
あれ?・・・
私の好物は、「不幸」だったの?
今までは、気づかなかった。
私は自分より不幸な人を見て、あの人とくらべれば「私はまだましだ!」と思って生きてきた。
幸せな人といるより、不幸な人と居る方が、私の心は安定している。
それに、私には、不幸な人が寄ってくる。
夫もその一人だった
私は、不幸な人の近くに居て励まし、不幸な人につくしてきた。
いつしか、皆、不幸を克服して幸せになり・・・
気が付いたら、私から去って行った。
・・・・
今、私だけが残って、ここに留まっている
「そっか!」
これからは、不幸な人を探す必要は無いんだ!
・・・
だって!私が不幸の張本人だから、
自分を喰らって生きて行けばいいんだわ!
どうりで・・・この頃痩せてきているもの!私。
うふふ・・・
あれ?・・・・
何かおかしくない?
おしまい
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