
※本記事に出てくる計算は個人の事情を加味しない概算値です、ふるさと納税額が限度額を超えると自己負担は2,000円で済まなくなりますのでご注意ください🙇♂️
各サイトが用意しているふるさと納税の上限額シミュレーションの利用を強くお勧めします、本記事はどうしてもちゃんと計算してみたい変態が書いた記事です、ご理解の上この先へお進みください。
ただ税金で支払うだけだった部分が30%戻ってくるという素敵制度ではあるのですが
「後で払う税金を先に払う」という仕組みなので現金が先に出ていく上に、返礼品が欲しくて制度を利用しようとしたのに上限を超えたらただの寄付になるという不安、さらにいざ始めても所得税と住民税でバラバラに控除される為「あれ?これやっぱり負担2,000円じゃなくてもっと負担あるんじゃ…」と、やめてしまう人やなかなか手を出せない人の多い印象のふるさと納税さん。
複雑な計算が必要になるので各ふるさと納税のサイトでシミュレーションし、それをざっくり上限として安全に寄付金控除を行うのが一般的だと思いますが「今年は正味いくらまで寄付金控除出来るのかな?」としっかり計算しようとすると…
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もう考えないでシミュレーション通りでいいや…となることでしょう、確かに
例えば上限が21万円の人がふるさと納税を行う場合、国税庁の計算で言えば
① 所得税からは【21万円-2,000円で208,000円×23.483%で48,845円】
② 住民税からは【21万円-2,000円で208,000円×10%で20,800円】
③ ①②で控除出来なかった分を特例控除で全額控除で138,355円。
(計算式はROUNDDOWN(208000*(100%-10%-23%*102.1%),0))
で、48,845+20,800+138,355で208,000。
21万円寄付して自己負担が2000円なのでピッタリですね。
上記①および②により控除できなかった額を、③により全額控除(所得割額の20%を限度)します。
ん?これ結局住民税の所得割額の20%を上限として控除出来なかった分を全額控除するならここだけ計算すれば良いんじゃ…
そう、つまり全てを精算する特例控除から上限額が見えるハズなんです。
本年度の所得云々はもちろんありますのでこれもざっくりというか概算の域を出ませんが、住民税の支払い用紙さえあれば特別所得の動きが無い人はかなり高精度な上限が見えるような気がする。
【上限額 =(◆住民税の所得割額×20%)÷(★100%-所得税と住民税と復興税)】
以上。
「上限額◆」を確認するのは住民税の決定通知書の中の「算出基礎」
【市区町村 算出 所得割額】と【都道府県 算出 所得割額】を足して、
【市区町村 調整額控除】と【都道府県 調整額控除】を引きます。
これで所得割額の合計が出ますので、これに20%を掛ける。
「上限額★」は所得税率が分かれば良いので、これも「算出基礎」から課税標準額を確認し、自分の所得税の税率がどこに対応しているか確認。
さて、準備完了。
↑の計算の流れを例で出した21万円の人で数値を当ててみると
210,000円(千円以下切り捨て) = 139,500円 ÷ 66.517%
「上限額◆」を確認するのは住民税の決定通知書の中の「算出基礎」
【市区町村 算出 所得割額42万円】と【都道府県 算出 所得割額28万円】を足し、
【市区町村 調整額控除と都道府県 調整額控除:2,500円】を引きます。
この段階で課税所得が700万円だという事が分かりますね。
所得割額の合計は697,500円、これに20%を掛け139,500円。
「上限額★」は所得税率23%なので
100% - 住民税10% - 所得税23%×復興税102.1% = 66.517%
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先ほどの税制別で控除される表を見てみると…
OK、大丈夫そうですね。
しかし…結果から見れば住民税の特例控除で全てを精算するという分かりやすいスタイルなのにこんな複雑に、所得税と住民税で管轄省庁が違うからだろうか。
所得税で所得税率×復興税率が控除、住民税の基礎控除で10%の部分を割り戻しているだけなので千円の位で切り捨てて計算。
別の所得(譲渡や一時所得)があったり、例えば個人事業主で本年度中に赤字を出して所得税と住民税が無税になっている、もしくはなりそうだという人はこの計算では成り立たちません。
そもそも所得税も住民税も払っていないなら控除も何もないという事ですね。
そしてもっとも危険なのは「譲渡所得がある場合」で、不動産の売却益や保険の返戻金などは総所得から引かれるので、手元にお金がいっぱいあるし所得が多いから税金も多い、課税所得として計算してふるさと納税しようとすると額が大きければ大きいほど見込額は少なくなりますので、↑の計算や簡易シミュレーションで出した金額をアテにすると痛い目に遭います。
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いや~しかし複雑。
本年度の事だからって本年度中に定まらない所得を計算に入れなければならないのは違うだろうと思うわたくし、でも上限値は決まっているという不思議。
税金の勉強は近しい親族皆様の為に役に立つので学び続けますが、所詮複雑っぽくしている数値の羅列ですからいずれAIが国別さらには地域別で最も効果的な節税や補助金が出る地域などを斡旋してくる時代もそう遠くないように思います。
ので、同様に情報を選択していこうと思います。
ではでは。