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[Focus]METAPIXELに関心を持つべき3つの理由

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  • ブロックチェーン通信
  • 2023/03/29 23:27

 

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編集・翻訳:Takeshi@Think Globally, Act Locally

 

🔴 「また金儲けのためじゃないの?」

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私の周りのゲーマーに「NPIXELがブロックチェーンゲームを作るらしい」と伝えた時、その返答はとても冷ややかなものでした。もちろん、このゲーマーはWeb3分野に好意的な方ではありません。でもこれが一般的な反応なのかもしれません。

グランサガは、セブンナイツの開発陣が立ち上げた会社「NPIXEL」が最初にリリースしたゲームです。新規IPであるにもかかわらず、高いクオリティと積極的なマーケティングでGoogleの売上ランキング3位まで上がった実績があります。また、同年、NPIXELは1000億ウォンの投資を獲得し、ゲーム業界において最短期間でのユニコーン起業となりました。

それでも、現在のイメージがあまりポジティブでないのは、運営上の失敗が理由の一つであると言えます。一度不信感を抱いたゲーマーを新作ゲームに呼び込むためには、それなりの大義名分が必要となります。一般的に未知の領域である、Web3やブロックチェーンゲームとして展開するのであればなおさらです。

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NPIXELは、2023年から本格的に新領域の開拓に向けて動き出しました。そのWeb3プロジェクトを「METAPIXEL」と名付け、多くのゲームを含むプロジェクトがオンボーディングされることを発表しました。 驚いたことに、彼らが選択したブロックチェーンは「Aptos」でした。さらに2月には、最初のゲームとしてグランサガのIPによるMMORPG「グランサガ:アンリミテッド」を発表しました。
 

🔴なぜNFTカルテルがMETAPIXEL、そして「グランサガ:アンリミテッド」に興味を持つべきであると言えるのでしょうか?

NFTカルテルは、METAPIXELと「グランサガ:アンリミテッド」がやろうとしていることに注目しました。 なぜ彼らがブロックチェーンゲーム、NFTゲーム、Web3ゲームを選んだのかについて考えてみました。

その回答につながる3つのキーワードを提示します。
 

1️⃣ グランサガのビジュアルとAptosのサポート

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まず質問ですが、グランサガの良さは何だと思いますか?

私は「ビジュアルが優れていること」だと思います。 グランサガがリリースされた2020年から3年経ちましたが、グランサガのビジュアルクオリティは現役のゲームと比較してもトップクラスであることは否定できません。

ゲームコミュニティでゲームが評価される際には「アートチームに罪はない」という言葉も良く交わされます。

これまでのグランサガを取り巻く話をまとめると、以下のように要約できます:

肯定:レベルの高いモデリングとキャラクターデザイン、著名作曲家によるOST

否定:収集型RPG+MMORPGというジャンルの組み合わせの難しさ、ガチャシステム

ご存知の通り「グランサガ:アンリミテッド」はグランサガのリソースを活用して制作されるPC MMORPGです。 そのため、Web3ネイティブゲームの中で「グランサガ:アンリミテッド」に匹敵するビジュアル・クオリティを持つゲームは非常に少ないです。

最初にMETAPIXELとしての取り組みが発表されたのは2022年半ばであり、実際のプロジェクト開始はそれよりも早く、現在のチーム規模は数十人以上、プロジェクト開発は約1年以上続いています。テストスケジュールまで含めると、まだ1年ほど時間が残っています。決して昨日今日できたプロジェクトではないのです。

「ビジュアルはともかく、チェーン選択が気になるんですけど、なぜAptosなのでしょうか?」

「グランサガ:アンリミテッド」をはじめとするMETAPIXELの各プロジェクトは、Aptosチェーンの上に構築されます。AptosチェーンはRustベースのプログラミング言語「Move」で構築されており、セキュリティとスケーラビリティ、そして脱中央集権化を目指しています。

最初にNPIXELが、その基盤となるチェーンとしてAptosを選択した時、本当に多くの疑問符がつきました。 それもそのはず、Aptosは荒野のような状態です。APTトークンはリリースしましたが、実質的なキラーアプリやコンテンツが未だ不足している状態です。

おそらくこれはチェーンの性能云々ではなく、お互いの利害関係が一致した結果ではないかと思います。Aptos Foundationの立場からすると、NPIXELエコシステムを取り込むことは「大物釣り」そのものです。ゲーム一つでチェーンのシェアを引き上げることが可能であることは、ArbitrumチェーンのTreasure DAOが証明しています。

METAPIXELは、未開拓のチェーンを選んだ見返りに、 Aptos Foundationとの緊密な関係構築ができたのではないかと思われます。様々なイベントの共催はもちろん、APTOSのCEOであるMo氏はソウルハッカソンを訪れ、「韓国のゲーム市場は非常に重要な市場です。」とMETAPIXELを称賛しています。
 

2️⃣ ブロックチェーンとWeb3がもたらす新体験へのジレンマ

さておき、METAPIXELによる「グランサガ:アンリミテッド」の取り組みはとても新鮮です。しかし、このゲームはWeb2ではなく、Web3です。

「ビジュアルがいいのはわかるけど、肝心なのはそこじゃないでしょ?」

その質問の通り、素材が良いからといって最高の料理が作られるわけではありません。 最高のロブスターとステーキであれ、どのように調理するかで最高の料理にも最低の料理にもなります。

それぞれのゲーム会社は「Whyブロックチェーン? Web3?」 という問いに答えを出しています。METAPIXELも同様です:

NFTによるオーナーシップの構築と取引所のサポート

実需の変化に応じたトークンやNFTの弾力的な供給

ブロックチェーンの概念から得られる付加的なユーティリティ

ブロックチェーン要素が加わったとき、一般的なゲーマーがどのような変化を体験できるのか」に焦点を当てた場合、ここまで聞いただけでは、実はそれほど目新しいことが生まれるわけではないように思えるかもしれません。

「ブロックチェーンゲームはNFTの所有権を提供するから儲かる」という主張は説得力を失って久しいです。それはWeb3ゲームであることの利点ではありませんし、METAPIXELがそのようなゲームを作ろうとしている気配はさらさらありません。

🔴「グランサガ:アンリミテッド」でブロックチェーンを通じてユーザーに提供できる代表的な革新性はどのようなものがありますか?

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特筆すべき部分は「Proof of play」というアルゴリズムにあります。Proof of Playは、ビットコインとハッシュレートをモチーフにしたもので、ビットコインはマイニング(採掘)可能なコインであり、採掘する人が増えれば増えるほど採掘の難易度が高くなる仕組みをとっています。ハッシュレートの上昇と下降は、ビットコインの価格にも大きな影響を与えます。

METAPIXELはこれをNFTに応用しています。まるでビットコインのように、ゲーム内でドロップされる特定のNFTの総量(またはパーセンテージ)を決めておき、ゲームプレイヤーが「採掘者」の役割を担います。 一定の条件を満たす採掘者が増えれば、NFTの採掘難易度は高くなりますし、逆にそのような採掘者が少なくなると、NFTの採掘難易度が下がり、ドロップ率が高くなります。

つまり、このアルゴリズムは動的に調整されます。

「目新しそうだけど、それで何が変わるの?」




 

METAPIXELのサーバー構成とコンテンツ構造

MMORPGは、必然的に複数のサーバーを運営することになります。しかし、全てのサーバーにユーザーが均等に分布しているわけでは なく、都市サーバーと田舎サーバーが存在します。 そして、このようなサーバーの格差を作る最大の理由は「アイテムの流動性と相場」にあります。

一方。Proof of Playモデルを採用することによって、都市サーバーになればなるほどNFTのドロップ率は低くなります。田舎のサーバーはより簡単にNFTを獲得できるようになります。プレイヤーはより快適なプレイを楽しむためにサーバー移動を選択することができます。これによって、サーバーごとに極端に異なる不均衡を是正することができるのです。

「この仕組みは他のゲームでも見たような気がしますが、どう思いますか?」

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METAPIXELはブロックチェーンの透明性を重視しており、ユーザー全員が上記のハッシュレート指標をオンチェーンで常時確認することが可能です。特に収益に関心の高いプレイヤーは敏感に反応することで、これまでにないプレイ体験が提供されることにもなります。

「グランサガ:アンリミテッド」のゲームの根幹はNFTにあります。 そして、ほとんどのNFTはゲームプレイ中にユーザーが獲得可能なNFTによって構成されます。 だからといって、NFTで大儲けできる構造があると思ったら大間違いです。実際、彼らは言葉だけでなく、こうした公平な仕組みを構築するという行動で示しています。

これは私たちがMETAPIXEL、そして「グランサガ:アンリミテッド」に興味を持つべき3つ目の理由につながっていきます。
 

3️⃣ ゲームファーストなコミュニティの構築

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ほとんどのWeb3やブロックチェーンコミュニティは「報酬」がなければ動きません。 NPIXELがブロックチェーンゲームを作る?-> コミュニティがオープンした?-> NFTやトークンの割り当てを受けよう! -> OGやWLはいつ?といった構造から大きく外れません。 これは否定できない事実です。

一方で、「グランサガ:アンリミテッド」が現在まで繰り返し強調していることがあります。ゲームのリリース前に「ゲームに影響を与えるようなNFTの発行計画はない」ということです。 現在まで独自トークンの発行に関する情報も一切ありません。

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3月24日から開始する「グランサガ:アンリミテッド」の1stテストには500人しか参加できません。ほとんどのブロックチェーンゲームは、これらをOGとみなし、NFTのホワイトリストを配布するでしょう。 しかし、METAPIXELは違います。参加者に報酬が提供される予定はありますが、それは「名誉的な称号」に過ぎないことを明言しています。

彼らのコミュニティ運営方法は「ゲームファースト」です。コミュニティのパワーは爆発的であるとは言えないかもしれません。なぜなら一切のお金を絡ませないからです。METAPIXELは自社のゲーム品質に対する自信を持っており、Web3ゲームを少ししかプレイしたことがないというユーザーでも納得できるクオリティを誇っているため、これによってコミュニティの核心は維持されます。

最近、様々なWeb3ゲームスタジオがそれぞれの運営モデルを標榜しています。現在、最も好まれる運営モデルは「ゲームリリース前に無料でNFTをリリースして、チームメンバーやVCのネームバリューでジェネシスNFTの価格を上げて、強力な価格モメンタムでコミュニティを拡大する」というものだと思います。 もちろんMETAPIXELのモデルとは一線を画しています。

Web3の可能性はコミュニティを基盤に花開きますが、最終的にはプロダクトを通じて実を結ぶものであるといえるでしょう。

Free to Ownモデルが悪いというわけではありません。 それは素晴らしいコミュニティの運営方法ですし、指標で成功を証明する一つのモデルです。 しかし、誰もが口をそろえて言うことがあります。 「結局、そのコミュニティはゲームがリリースされたときに崩壊するか、維持されるかが決まる」ということです。 その点で、METAPIXELと「グランサガ:アンリミテッド」は大きな違いを持っています。

「グランサガ:アンリミテッド」はオフチェーンとオンチェーンを行き来する仕組みになる予定で、それをスムーズにするためにゲームをプレイする際に別途ガス代を要求しません。 企業側が負担する仕組みです。 つまり、彼らの目標は「ゲーマーをオンボーディングすること」に近いと思います。これはWeb3のスタンダードとは異なるかもしれませんが、彼らは最も強力な武器である「品質」で勝負を挑んでいます

もちろん、METAPIXELがPFPやWLを完全に排除しているわけではありません。 Aptosチェーン上で、今後「Catcha」というネコをモチーフにしたPFPコレクションをリリースする予定です。ここでも「ゲーム内に影響のないPFPである」と公表されていますが、何らかの関連性は生まれてくるかもしれませんね。

以上、「グランサガ:アンリミテッド」に興味を持つべき3つの理由についてお話しました。

多くのゲームがそれぞれブロックチェーンを導入する理由と、Web3に可能性を見出した理由、そして自分たちだけの差別化について強調しています。少なくとも、NPIXELと彼らが牽引するMETAPIXELは、上記のポイントについて、明確な理由を提示していると思われます。

もちろん、ゲームがリリースされてから「また騙された、またこんな運営だ」というバッドエンドになる可能性もあるでしょうし、これまでのグランサガで傷ついたユーザーは「おまえらが何を言っても信じない」と剣を抜かないかもしれません。

チームは「グランサガのBMには従わない」と話したのはもちろん、METAPIXELの記事では「パワーバランスに影響を与える商品は非常に限定的である」と、違いをアピールしています。
 

🔴では、今後私たちはMETAPIXELと「グランサガ:アンリミテッド」とどのように付き合っていくべきなのでしょうか?

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「グランサガ:アンリミテッド」は、一人より一緒にプレイする方が楽しいゲームです。様々なコンテンツでそれぞれのキャラクターの役割が分かれるでしょうし、組み合わせの重要性が大きいかもしれません。まるで、ロストアークをプレイするときにそれぞれのポジションを分けるのと変わらない未来が展開されると思われます。

しかし、Web3ゲームにポジティブな集団を見つけるのは難しいです。 私もMMORPGを楽しんでいたゲーマーとしてコミュニティに所属しています。ほとんどのゲーマーの友人はまだWeb3やブロックチェーンを知りませんが、この記事を読んでいるような人たちにとっては、Web3やブロックチェーンに好意的なゲーマーグループに興味をもつのは必然でしょう。

そこでNFTカルテルが登場します。

コミュニティはコンテンツを作り、共有しします。何よりも私たちはオープンコミュニティなので、情報を欲しければ誰もがコミュニティで情報を確保することができます。

NFTカルテルは、韓国で最も活発なコミュニティであることはもちろん、技術力も併せ持ったゲームギルドであると自負しており、それは指標としても、成果としても表れていると思います。 今後、私たちはMETAPIXELをあらゆる面から研究して、わかりやすい形で皆さんに情報をお伝えしていくつもりです。

おそらく、その始まりは3月24日からの「グランサガ:アンリミテッド」の最初のテストになると思いますので、みんなで楽しみましょう!

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編集・翻訳:Takeshi@Think Globally, Act Locally

 

 

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