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「外側」からの刺激

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  • かんたろー
  • 2020/01/03 10:45

 

カルロスゴーンの逃走劇

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2000年6月の日産社長就任から数年で奇跡とも思えるV字回復を成し遂げたカルロスゴーンさん。

しかし、2018年11月に東京地検特捜部に金融商品取引法違反の容疑で逮捕され、かつてのスーパーマンは日本では一瞬にして「容疑者扱い」されるようになった。
 

そして、保釈中の2019年末に日本からレバノンに逃亡し、現在、「逃亡犯」として生きている。

ぼくは、そんな彼の逃亡劇は日本を変える強烈なパンチだと考えている。「内側から」変わらない日本の検察に対して、「外側から」変わるキッカケを与えたのが「カルロスゴーン脱出劇」だとおもう。

すでに変わりつつある日本

かつて、日本にいる人の大半は、少数キー局が覇権を握るテレビという媒体から情報を得てきた。そのため、みんなが同じようなニュース、バラエティ、ドラマを見て、みんなが同じ話題について話せるようになっていた。

たとえば、年末年始だと「ガキ使派」と「紅白歌合戦派」「格闘技派」に分かれて各々で語り合う、みたいな。

これは内輪同士だけで喋るにはいい環境だが、国境の枠が溶け始めている現代のグローバル社会においてはかなり不都合なのかもしれない。そういう環境によって「外側」との接し方がわからない人がかなり多かった。

しかし、そんな時代がずっと続くのではなく、NetflixやYouTubeなどの台頭でテレビ離れが続き、娯楽の種類が多彩化した。YouTubeやTikTokなどのSNSによって、情報を写真するだけでなく誰でも発信できるようになった。

もちろんテレビが「消える」わけではないが、観る層も、観る頻度も、観る対象も変わり続けていることはハッキリしている。

変わらない「検察」

そんな感じで、世の中の環境も日本に住む人間の価値観も変わりつつあるのだが、もちろん変わらない部分もある。その一つとしてあげられるのが日本の「検察」なのかもしれない。

立法、司法、行政で成り立つ三権分立のひとつである「司法」を担う検察は、名の通りに「法」を使って日本の平静を保つ役割を担っている。

しかし、その大きな役割があるがゆえ権力が暴走し、明らかに人権を侵すことがある。

国民の人権を守るための検察が大っぴらに人権を侵すというなんとも滑稽な話だが、これは事実である。

2006年1月に証券取引法違反容疑で逮捕された堀江貴文さんが語る検察の暴走は、年々情報リテラシーを身につけていく現代人によって、世間に認識されつつある。

そもそも「法」なんてものは、ある時代の一部の人間が作り上げたものなので絶対的なものではない。とても曖昧なものなので、解釈次第でいくらでも変容しうるものである。

そんな「法」を使って権力を振りかざしていた検察は、マスコミを利用して正当性を主張し、ほとんどの情報をテレビから得ていた国民をある意味「洗脳」していた。

だが、先ほども言ったとおり、世の中の環境も日本に住む人間の価値観も変わりつつあるため、多くの人が「検察」に対して疑問を持ち始めている。

にも関わらず、検察は変わらず、ライブドア事件と似たような「カルロスゴーン逮捕」を演出した。なかなか頑固なものである。

「内側」の変容

そういった流れがあっての「カルロスゴーン脱出劇」だとおもう。

かつてのテレビ最強時代に今回の「脱出劇」が起こっていれば、世間はカルロスゴーンを悪者扱いする人で溢れかえっていたはずだが、いまや、彼を応援する人は一定数いる。ぼくも彼を応援している人間の1人である。

ちなみに、メンタリストDAIGOさんは出国前のゴーンさんと会食していたらしく、ゴーンさんが日本人からも応援されているというお話を紹介している。

そんな感じで、日本という国の「内側」からも検察への疑問は出ていて様相は変わりつつある。

外側からの強烈パンチ

そういった感じで「内側」の様子が変わりつつある中での、カルロスゴーンさんの「脱出劇」は完全に「外側からの強烈パンチ」となっている。

もしかしたら、ペリー来航によって起こった明治維新のときよりも「変わるための土壌」はできているかもしれない。規模はちがうが。

ゴーンさんの「脱出劇」によって、海外からの日本の検察への見方はかなり変わりつつある。

検察が容疑者を監視し情報をシャットダウンする対応について、以前から「拷問みたいだ」と言われ続けていたが、今回の一件で、日本の裁判所が電子ブレスレットやアンクレットのような被告人の位置を特定できるツールを使っていなかったことにも、海外から驚かれている。

さらに、ゴーンさんが日本の「外側」に出たことでこれから日本の検察の実態はどんどん暴かれていくだろう。

現時点でゴーンさんが本当に不正をしていたかどうかはわからないが、日本の検察が変わらないといけないのは明確になった。完全に「外側からの強烈パンチ」をくらい、顔面は腫れあがっている。

検察だけでなく、世の中がどういう方向を向いて変わっていくかはわからないが、「内側」だけでなく「外側」からの作用によってもカタチは大きく変わっていく。

「法律」なんていう虚構に絶対的なものは存在しない。真相はわからないけど、ぼくはゴーンさんのことを応援してます。あと、脱走はおもしろい。



 

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25歳。関学卒。現在は、YouTube動画投稿とnote記事投稿とウーバーイーツの配達をやってます。

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