映画『ジョーカー』のホアキン・フェニックスが気候変動に関するデモ活動中に逮捕された。
ヴィーガン(完全菜食主義)で知られるホアキンは、デモ活動では肉食および酪農産業を批判していたという。
今回の記事では、
「ヴィーガンの人たちは何を訴えたいのか」
「肉食や酪農産業の人たちは批判に対してどう対抗しているのか」
などといったことについて、独断で書いていく。もしかしたらホアキン逮捕とはあまり関係ないかもしれないが。
まず、ヴィーガンの人たちが主張することは何なのか。簡単に言うと
「動物を搾取するな!」
「環境汚染をやめろ!」
ということである。
現代社会を生きる多くの人間は、肉食および酪農産業が生産する食肉や乳製品、加工食品を消費している。
そういったものは、「大量の家畜を狭い檻にぶち込む」「家畜から出るオナラやゲップによるメタンガスで温室効果ガスを大量に排出している」といった過程があって大量生産されている。
そういった動物虐待や環境汚染を問題視して声を上げているのが、ヴィーガンという思想である。「食肉を食べるのはやめて野菜を食べて生きよう!動物を守ろう!環境汚染を止めよう!」という主張である。
アメリカの肉食や酪農産業の人たちは、かつて食糧不足に苦しんでいた時代において、超生産性の高い産業を起こし、巨万の富を得た。そして、財力を活かして政治家とつながり、法律や規制を操作している、と言われている。
(Netflixでは、環境問題のタブーに鋭く斬り込むドキュメンタリーが見られるので機会があれば見ていただきたい。↓)
肉食や酪農産業の人たちはそういった既得権益を活かしているため、彼らはヴィーガンだけでなく世界のあらゆる人間から批判されがちである。
たしかに、現代の肉食や酪農産業には批判されるであろう理由はいくつもある。
しかし、かつての肉食や酪農産業が、人類全体に食糧を供給し大勢の命を救ったことは忘れてはいけないとも思う。
もしかしたら、ヴィーガンが「動物を虐待から守る」「環境汚染を止める」という正義を掲げるのと同じように、かつての肉食や酪農産業にも「人類を食糧不足から救う」という正義があったのかもしれない。
いろんな正義がぶつかり合う中で、人間は学び、よりよい世界をつくろうとしている。ときには、各々の正義がズレ込むことで争いがあるかもしれない。しかし、ぼくたちホモ・サピエンス(現生人類)という動物種は、飢饉などの課題をひとつひとつ乗り越え、前に進んでいるのである。
そう、「賢い人間」の意味である「ホモ・サピエンス」という名の通りに。