わたしたち、ホモ・サピエンス、いわゆる現生人類(以下、人類)は、歴史上、最も平和な世界で生きている。
もちろん、いま、紛争が目の前で起こっている人たちにとっては、世界が平和かどうかは関係ない話だし、それどころではないだろう。また、メディアは米中や日韓の貿易問題で騒がしいし、今後大きな争いが起こる可能性も全くないわけではないだろう。さらに、災害などで被害に遭われた方にとっては、今が生きづらく酷な時かもしれない。
しかし、世界全体を俯瞰してみると、現代は歴史上で争いによる死傷者が最も、しかも圧倒的に少ない時代である。天災による被害も最も少ない。生活水準や平均寿命は歴史上最も高い。過去と比較すると、今の世の中は圧倒的に穏やかで住みやすい世界である。
にも関わらず、現代人の多くは、今の世の中や将来に対して悲観的になっている気がする。紛争や災害に直接関わっている人は今が大変だろうけど、平和で安全に生きている人ですら、常に不安や恐怖を感じながら生きている気がする。
テロや殺人事件のニュースをみて、世の中が物騒だと感じたり。年金問題のニュースをみて、そもそも生きているかもわからない将来のことを不安に思ったり。
身の回りにいるひと、テレビのコメンテーター、メディアの記事など、そういう意見や考えを持っている人の割合が高い気がする。
そして、この記事を書いている僕自身もたまーに悲観的になることがある。(年金とかは興味ない)
しかし、冷静になって論理的に考えたら間違いなく世界は、より良くなっている。悪い部分はあるかもしれないが、ここ50年間、世界は確実に良くなった。
第二次世界大戦以降、世界大戦はなく、ほとんどの国で貧困の解決が進み、治安が良くなり、教育を受けられるようになった。
今の日本に関しては、夜中に1人で歩いてても何の問題もない。平和すぎる。
こんな素晴らしい世界で生きているにも関わらず、なぜ私たち人類は悲観的になってしまうのか?不安や恐怖を感じながら生きているのか?
それは、人類に備わっている本能によるものである。その本能は、「恐怖本能」である。
これは、ながーーーい人類史をへて、人類が身につけた本能である。いっけん、邪魔な本能に思えるかもしれないが、とても大事なものである。この本能が無ければ、人類は生き残っていないだろう。
ライオンの鳴き声が聞こえたら本能的に恐怖を感じるし、雷が鳴ったら本能的に不安を感じる。じぶんと同じ種の人類が無残な目に遭ったら恐怖におちいるし、高くて不安定なところにいれは不安を感じる。
人類はこの恐怖本能によって、あらゆる危険を回避してきた。欠かせない本能である。
しかし、この本能をながーーーい年月をかけて身につけたにも関わらず、人類は、科学や文化を進歩させることで、できる限りの危険をとっぱらってきた。
人類はこの「恐怖本能」を何万年という単位で身につけたにも関わらず、あらゆる危険を何十年という短い期間でとっぱらってきた。
それによって、科学や文化から本能が置いてけぼりにされるという現象が起きてしまっている。
要するに、本能がアップデートされていない。そもそも、人類は本能から逆らうことで文明を発展させてきたのである。
だから、どれだけ平和で安全な世の中になっても、どこかしらで不安や恐怖は感じるものである。人類は皆メンヘラである。
なので、周りの声やニュースの情報から暗い話を聞くと過剰に反応してしまう。
しかし、ここで重要なのが、その「恐怖本能」を認識して向き合い、冷静になって論理的に考えることである。
メンヘラであることは悪いことではなく、本能は生まれもって備わっているものであり、自然なことである。
大事なことはそのことを悲観することなく認識し、事実を冷静にみることである。
冷静になって1周まわって考えると、キレイな水が飲めて上手いメシが食えて風呂に入られてフトンで寝られたらそれで幸せなんじゃないんかな。
一応、この記事はファクトフルネスを途中まで読んだ上で書いたものなので、以下、貼っておきます。
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