世界的な課題である認知症。
現在、世界では推定5,700万人がこの病気に苦しんでおり、2050年までに世界中で1億5300万人に増加すると予想されています。
認知症は、食習慣や運動習慣など様々な要因が重なった結果引き起こされる病気です。
アルツハイマー型認知症は親から子へ遺伝することがありますが、多くの場合、遺伝とは関係なく発症します。
逆に言うと、生活習慣に注意することで、この病気を遠ざけることも可能です。
この記事では、最新の研究分析から分かった、認知症のリスクを下げる14の習慣と記事から読み取れることをまとめていきます。
参考記事)
・Dementia Risk Can Be Cut by 45% If Together We Do These 14 Things(2024/08/13)
参考研究)
・Dementia prevention, intervention, and care: 2024 report of the Lancet standing Commission(2024/07/31)
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究者らが、医療誌総合サイトであるランセットに発表した研究では、14のリスクに対象することで、世界中で発症する認知症の有病率を45%減少させる可能性があることが示されました。
気をつけるべき14のリスクは以下の通りです。
【幼少期】
①良い教育を受けていない
【中年期】
②難聴、③うつ病、④外傷性脳損傷、⑤運動不足、⑥糖尿病、⑦喫煙、⑧高血圧、⑨肥満、⑩過度のアルコール、⑪高LDLコレステロール
【壮年期】
⑫社会的孤立、⑬大気汚染、⑭視力喪失
これに加え、新しい研究では、大気汚染への曝露などの環境的な要因に対処すると、認知症の改善と認知症リスクの軽減が可能であることも示されています。
また、認知症の有病率は高所得国では減少する傾向にある一方で、低・中所得国では増加し続けています。
これは、低所得国の教育水準の低下に加え、安価で質の悪い食事を摂取していることからくるものと考えらています。
健康格差を減らすことで、認知症のみならず、がんや糖尿病などの多くの生活習慣病のリスクが低減できる可能性があります。
さらに、この報告書で引用している臨床試験では、薬理学的なアプローチではなく、個人の興味や能力に合わせた活動を使用することで、認知症関連の症状を軽減し、生活の質を向上させることができることが示されています。
委員会は、このレポートは、世界的な公衆衛生と研究に影響をもち、臨床医や政策立案者へのガイドラインとして機能することが期待される一方、更なる危険因子を特定し、個人や政策に対して適切な公衆衛生を整えるガイダンスを提供するためには、より多くの研究が必要であるとしています。
経済の格差が、認知症のリスクに繋がることは中々興味深い話だと感じます。
お菓子が高級だった時代に比べると、現在は少し手を伸ばせばあらゆるところから甘いものを手に入れることができます。
特にコンビニやスーパーで販売されているお菓子のほとんどに植物油脂が含まれており、酸化による有害な化学物質の生産や、健康の根幹である腸内細菌へ悪影響があります。
直ちに影響がないため国が規制していないというだけで、長期的に見ると、がんや糖尿病、アルツハイマー、うつ病などを引き起こす原因になります。
血糖値を上げない夢の成分ともてはやされた人工甘味料でさえも、摂取し続けることで体内のインスリン抵抗性に影響を与え、血糖値が正常にコントロールされないことで、糖尿病などの病気につながる危険性があります。
そういった食への関心も、教育格差によるものなのだと思います。