この記事は、これまでまとめてきた“国富論”シリーズへのアクセスページです。
経済学の父と言われるアダム・スミスが、どのような考えで当時の経済大国だったイギリスを見ていたのか、彼が考えた経済とは何なのか……。
それぞれの記事にて解説しています。
まとめも併せて記載したので、気になる記事があったら見てみてください!
【国富論①】分業の効果と貨幣の起源~分業と貨幣~
・分業=生産物の作業手順を分解し、個人が取り組む生産活動
・分業によって生産力と専門性の強化ができ、専門技術は研究対象にもなる
・分業が確立すると、自分の生産物では生活ができず、物々交換が起こる
・物々交換では不便なため、価値の保存が可能な金属貨幣が生まれる
【国富論②】市場価格はいずれ自然価格に向かう~需要と供給~
・交換価値=労働、地代、利潤
・自然価格=生産にかかった労力やコストによって決まる妥当な価格
・市場価格=需要と供給によって決まる価格
・市場価格は自然価格に向かう
【国富論③】労働者の団結の禁止と賃金が上がる条件~労働と賃金~
・かつては労働で得た生産物は労働した者が獲得するものだった
・土地が私有財産化されると、地主や資本家によって土地代や利潤を吸い上げる構造が出来上がる
・法律は雇い主有利、労働者不利であり賃金が引き下がることが普通
・ただし、労働者不足の場合は賃金が引きあがる可能性もある
【国富論④】賃金が決まる5つの要素~富と資本~
・資本の増加は賃金の増加につながる
・一方、資本を回収する際の利潤の低下つながる
・利子は富の潤滑油
・労働賃金は5つの性質をもっている
①快・不快
②習得の難易度
③雇用安定・不安定
④信頼の大小
⑤成功の見込
【国富論⑤】収入をもたらし得る資材=資本~流動資本と固定資本~
・直接消費する以上の資材があると、余った資材から収入を引き出そうとする
・収入をもたらす可能性のある資材=資本
・資本には流動資本と固定資本がある
・流動資本=所有者の手を離れ、交換によって利益を得ることができる可能性のある資本
・固定資本=農具や機械など所有者が変わらない資本(流動資本を効率的に生産する目的がある)
・国としての資本も上と同じようなものとなる
【国富論⑥】国の富は金・銀ではなく消費財~貨幣と紙幣~
・貨幣(金貨や銀貨)は金属としての価値と物と交換できる価格の両方が混在している
・個の収入における貨幣は、生活に必要なものをどれだけ購入できるかを表している
・個人が収入として受け取った貨幣を全て集めても、国の総収入にはならない(重商主義批判①)
・貨幣は個人と個人の間で財貨を得るために行き来しているため、実際の収入額面よりもはるかに少ない流通量で足りている(重商主義批判②)
・よって国の豊かさとは金属の量ではなく、消費財の蓄積量(重商主義批判③)
【国富論⑦】規制と自由によるコントロール~富裕の進歩~
・都会と田舎の良い関係が富を生み出す
①都会が田舎の生産物に市場を提供
②商人が田舎の土地を購入し、改良
③秩序によって個人の自由と安全を確保
・外国商業と製造業の発展は、自由と秩序を生み出す
・規制ではなく自由によってバランスを保つ
【国富論⑧】アダム・スミス「経済学は、人民と主権者との双方を富ますことを意図しているのである。」
・経済学は、国と人を富ますための学問
・富と貨幣は同じ意味ではない
・ロック「富とは金・銀貨幣だ。」
・スミス「富とは需要のある消費財だ。」
【国富論⑨】国家として必要な経費〜防衛費~
・主権者の第一の義務=自国の防衛
・防衛するに当たり、本来の収入がなくなる人が出てくる
・その点を補うことが防衛費のはじまり
・戦争によって火器が発達する
・火器の使用、訓練に経費が掛かる
・しかしこれらによって作られた常備軍は、軍事的にも外交的にも有利
【国富論⑩】国家として必要な経費〜司法費~
・主権者の第二の義務=財産を守るための秩序を保つ
・財産の所有が司法を生み出すきっかけ
・財産の保護ために市民政府が形作られる
・富者と市民が相互に守られるための規律が文明社会の進歩になる
・特別な規制が無い状態では、賄賂などによって司法の腐敗が現れる
・それを防止するために司法に対して財産を与える仕組みが作られる
・その財産を安定して賄うのが司法費
【国富論⑪】国家として必要な経費〜公共の経費~
・国(主権者)の第三の義務=公共事業
・国がやるべき公共事業としては三つある
・公道や港など商業に関わる事業
・青少年の教育のための施設
・人民の教化のための取り組み
【国富論⑬(終)】国の信用でお金を借りる〜公債と償還~
・国の信用で企業や国民などからお金を借りる=公債
・戦争などによる突然の出費は公債で対応できる
・無計画に借りることは国の破産にも繋がる
・そうならないためには税制度の改善が必要
・それが無理なら国として経費削減をするべき(植民地を手放す)
その他関連記事→カール・マルクス 資本論