日光浴と言われるように、太陽の光に当たることは昔から健康に良いとされてきました。
科学的に有名な健康的な要素は、皮膚が日光に当たることによるビタミンDの生成です。
しかし、日光によるUVA等が皮膚にダメージを与えたりとデメリットとして挙げられる事もあります。
今回は、そんな日光の健康と害について調べた研究があるので、まとめていきたいと思います。
2014年、国立環境研究所と東京家政大学の研究チームによる発表です。
「ビタミンD生成に必要な日光照射に伴う皮膚への有害性に関する推定評価」
この研究は、人間が一日に必要なビタミンDを日光だけで生成しようとすると、どれくらいの時間日光に当たる必要があるのかをまとめた研究です。
また、日本人の肌をベースに皮膚に害を与えてしまう日照時間も測定してあります。
それでは以下まとめになります。
体内におけるビタミンDの役割
・カルシウム代謝の正常化
・骨軟化症や骨粗鬆症等の予防
・高血圧、歯周病の予等の生活習慣病予防
・結核、癌、多発性硬化症のリスク軽減
など、身体の健康に大きく貢献しています。
厚生労働省の「平成21年国民健康、栄養調査報告書」によると、食べ物から摂取できる一日のビタミンD量は、約5.5μgとされています。
1日の日光照射によって生成される量が約10.0μgであることから、1日の必要量は約15.0μgと計算して調査しています。
1日に必要なビタミンDを生成する日射時間
本研究では、食べ物からビタミンDを摂取しない場合、どれだけの日光照射が必要なのかや、逆にどれだけの日光を浴びると、有害なのか(肌に紅斑などができてしまうのか)を調べてあります。
調査地は、日照研究でよく使用される札幌、つくば、那覇を拠点に調査。
その結果、以下の表の通りになりました。
日本の標準的な夏場(7~8月)の日照時間である、つくば市を参考にすると。
野菜からビタミンDを摂取せずに日光のみで賄うには、7~8月は朝であれば16分、昼であれば9分、夕方であれば27分となっています。
皮膚に紅斑をもたらすであろう日照時間については、朝では35分、昼では20分、夕方では57分以上日光に当たると皮膚に害があることが分かりました。
夏場では日焼け止めが必須なことが分かりますね・・・。
紫外線に当たる際の許容時間
以上のことから、夏場に日焼け止め等の紫外線予防をしない場合、肌に影響の少ないと思われる日照時間は・・・
・北海道(札幌)等の日光が比較的弱い地域では・・・最低でも27分以内
・茨城県(つくば)等の標準的な日光の強さの地域では・・・最低でも20分以内
・沖縄県(那覇)等の日光が比較的強い地域では・・・最低でも17分以内
となっています。
冬場になるとこれらの許容時間が2.5倍~10倍以上に上がるので、如何に夏場の紫外線が強いかが分かります。
肌の状態を気にする方は、やはり日焼け止めは必須なようです。
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