の続き……。
前回記事では、気分や感情をコントロールする神経伝達物質やホルモンについてまとめていきました。
ドーパミンによる強力な幸福感やノルアドレナリンによってやる気などが現れる反面、出過ぎると統合失調症などの害も現れることが分かりました。
それらをコントロールするためには、神経伝達物質であるセロトニンが必要となります。
コントロールを失うと一時の多幸感によって、人生が狂ってしまうこともあります。
では、これらセロトニンなどの神経伝達物質を作り出すには、どのようなことに気をつければ良いのでしょうか。
著書から学んだ、ドーパミンやセロトニンなどを増やす「食べのも」と「行動」を元にまとめていきます。
オススメの食事
まず共通して推奨されることは、タンパク質を摂取することです。
ドーパミンの原料となるのは、必須アミノ酸のフェニルアラニンと準必須アミノ酸のチロシンです。
セロトニンの原料となるのも、同じく必須アミノ酸のトリプトファンです。
必須アミノ酸は体内で作り出すことができないため、食べ物や薬などから摂取するしかありません。
トリプトファンの豊富な食べ物として、肉、魚、大豆製品などタンパク質が多いと言われる食材の多くに含まれています。
上記の神経伝達物質の合成には、これらの食品と共に、ビタミンB群(ビタミンB6、ナイアシンなど)が必要です。
中でもビタミンB6を多く含む食べ物として、「お米、にんにく、とうがらし、マグロの赤身、レバー」などがあります。
参考)Medi Palette ビタミンB6を豊富に含む食べ物は?効果や食事摂取基準も解説
また、ビタミンB6は体内の100種類もの酵素の働きを助ける「補酵素」としての役割があります。
免疫力にも深く関係し、ビタミンB6の不足は、肌荒れや皮膚炎、口内炎など現れます。
イライラと同時に肌荒れなどが気になるときは、このビタミンB6が不足しているかもしれません。
個人差はありますが、一日の推奨量は30〜49歳の男性で1.4mg、成人女性ではほとんどの年齢で1.1mgとされています。
これは玄米(0.45mg/100g)で茶碗1〜2杯とされています。
ちなみに一日の摂取上限は、男性で50〜60mg、女性で45mgと結構な余裕があります。
オススメの行動
ドーパミンを増やす行動としては、達成したい目標を掲げるというものがあります。
本来は目標を達成した際に多く分泌される神経伝達物質ですが、目標への取り組み中にご褒美を想像するだけでもドーパミンが増えることが分かっています。
また、一日を振り返って、自分の行動を褒めることも効果的です。
その他に、瞑想を行ったり新しいことに挑戦してみるということも、ドーパミンの分泌に関連していることが分かっています。
セロトニンを増やす基本的な行動としては、太陽の光を浴びる、ウォーキングをする、一定のリズムを刻む反復運動をするなどが挙げられます。
セロトニンは日が沈むに連れて作られなくなり、夜間になるとメラトニンという睡眠を促すホルモンの材料になります。
メラトニンには催眠作用があるため、昼間にセロトニンをしっかり放出しておくことで、夜の睡眠の質が上がるとされています。
メラトニンは体内時計と明るい光によって放出が抑制されます。
朝、光を浴びることでスッキリ目覚めることができるので、朝の目覚めが悪い人は、積極的にカーテンを開けて陽の光を浴びると良いかもしれません。
また、陽の光を浴びると、今度はセロトニンが分泌され始めるので、太陽の光によって生活リズムが整うというのは、人間にとって理にかなったシステムなのです。
実践
自分が実践しているセロトニンを増やす行動としては、ウォーキング、咀嚼をしっかりする、音楽を聴く、楽器を演奏する……。
などがあります。
中でも最も手っ取り早く取り組めるのは、咀嚼(ものを意識的に噛むこと)です。
咀嚼も一定のリズムを伴う反復運動なので、セロトニンの放出に一役買います。
その他、タンパク質を意識して納豆、卵などを頻繁に取り入れたり、ビタミン類の豊富な玄米を中心とした食事を習慣にしています。
たまに食事の代わりにファストフードなどを食べて済ましてしまった時などは、美味しくて嬉しいはずなのに、寝付く前や翌日などは明らかに体の調子が悪いと感じることが多かったりします。
そういったこともあって、色々試した中で最も体に合ったと感じる食事が納豆、卵、玄米でした。
野菜なども色々試したのですが、結局この三点セットに落ち着きました。
日本人が古くから食べてきた、大豆や精白され過ぎないお米などはやはり体に合うのかもしれませんね。
何はともあれ、まずは食事と運動、この二つが気分や感情引いては、幸福感をコントロールする大きな要因であることは間違いないでしょう。
まとめ
・ドーパミンやセロトニンなどを増やすポイントは食事と行動
・食事は、肉、魚、大豆などのタンパク質中心
・行動は、陽の光を浴びる、リズムを伴う運動
・セロトニンとメラトニンをコントロールして日常の幸福感をコントロール
ちなみにメラトニンは、抗酸化物質として名高いビタミンCやビタミンEよりも高い抗酸化作用があるというされています。
近年のメラトニンとエイジングの研究では、本来分泌される脳の松果体以外の様々な器官においても、合成され、活性酸素やフリーラジカルを除去する抗酸化物質としての性質をあわせ持つことが明らかになりました。
マウスやラットに対し、加齢に伴って減少したメラトニンを補充することで、寿命を延ばすという報告もあります。
人間は、10歳をピークに、その後はメラトニンの分泌量は激減していきます。
若々しく健康でいるためには、意識的にメラトニンの材料となるセロトニンを生み出す習慣が大切だということですね。
以上、「幸福論 〜ただし、令和時代を生きる日本人専用〜」から学びでした!