以前、明晰夢を見る方法に関する体験をまとめた記事を書いたことがあります。
記事にて紹介した手法は、“手の平を見て今が現実か否かを確かめるクセを身につけ、夢の中で同じ動作を行った際に気付く”というものでした。
昼寝などの眠りが浅いタイミングで成功することが多いですが、確実性は保証できません。
今回、そんな明晰夢についての面白いデバイスが現れたので紹介しようと思います。
海外の科学情報サイトFortuneよりまとめていきます。
参考サイト)
参考記事)
・'Halo' Device Coming in 2025 Is Designed to Induce Lucid Dreams(2023/12/05)
ベンチャー支援を受けた新興企業が、明晰夢を見ている間に生み出される生産性を活用しているとFortuneは報じています。
明晰夢とは、睡眠サイクル中に夢を見ていることを認識し、夢の物語を制御または操作できる状態です。
70%もの人が生涯に少なくとも一度はこの現象を経験するとされています。
新興企業であるPROPHETICは、“Halo”と呼ばれるヘッドギアデバイスを開発しました。
Fortuneによれば、「明晰夢を利用できるようになれば、夜間の生産性向上への道が開かれる可能性がある」と述べています。
例として、エンジニアが夢の中でコーディングをすることを挙げ、現実世界でのスキルアップに活用できるとしています。
個人的な経験からも、明晰夢中に思考することは可能なことだと言えます。
現実世界の延長として学習に使うことも有意義かもしれませんね。
Propheticは、イーロン・マスク氏が所持する脳インプラント会社“Neuralink” の設計者であるアフシン・メヒン氏と協力し、デバイスのデザインを行っています。
このデバイスは、EEG(脳波)およびfMRI(磁気共鳴機能画像法)のデータを使用して作成された超音波モデルと機械学習モデルを組み合わせて動作し、ユーザーがレム睡眠状態にあることを検出すると、明晰夢を誘発し安定させるとされています。
2024年春に研究所(オランダのドンデルス研究所)からデータを提供し、2025年春にデバイスを出荷する計画で、デバイスの価格は1,500ドル~2,000ドルが予定されているとのこと。
同社の取り組みはかなりの関心を集めており、予約開始から最初の数週間で数十万ドルの予約収入を生み出しており、このサービスに期待しているユーザーがいることを示唆しています。
しかし、一部の専門家は、明晰夢を便利なツールに変えることができるかどうかに懐疑的であるとされています。
個人的には、眠りの質の妨げにならないか心配ですが、今後の研究によって懸念が払拭されれば面白い体験ができるだろうと思います。
動物がなぜ睡眠を必要とするのかは現在でも判明していませんが、多くの睡眠科学は、「睡眠には脳の老廃物を洗い流す作用がある」と主張しています。
過去の研究では、睡眠と認知機能との関係が深いことも示唆されており、強制的に明晰夢の状態を起こすことは、生物の通常のサイクルから逸脱することでもあるため、必ずデメリットもあるはずです。
長期的には脳にどのような影響があるのか、月に1、2度程度なら問題がないのかなど、リスクや安全面が明らかになることを密かに期待しています。