今回はTEDにて学んだ、がん治療についてのスピーチをアウトプットしていこうと思います。
【参考スピーチ】
スピーカーはスタンフォード大学人文科学教授のキャロリン・ベルトッツィ氏です。
細胞と糖質
2000年以前の研究では、細胞は糖質によってコーティングされていることが分かっている。
丁度このM&Mチョコレートのように。
これらの糖質は、細胞を保護し強くする役割があると思われてきたが、現在の研究ではそんな単純なものではないということが分かってきた。
複雑な化学構造を作り、この化学構造によって血液型が決まったり、がんの有無を知られてくれる可能性が示唆されている。
がんと糖質
がんと関係があると思われる根拠は、糖質はがんが発症するときにその形が変化するということ。
なぜがん細胞と普通の細胞に違いが出るのかなど、細胞表面の糖質とがんの関係は何度も検証されてきた。
この変化ががんの治療に応用できるとしたら、がん治療の分野で大きく進歩することになる。
シアル酸(Sialic acid)とがん
研究から分かったことの一つは、がんが発症する細胞には特定の変化が現れることがわかっている。
それは、シアル酸と呼ばれる特定の糖の密度が上昇するということである。
これかがん研究において、このシアル酸は重要になるであろうことから覚えておくことをオススメする。
シアル酸は体の中のあらゆる細胞で発見されており、一定の密度で存在する物質である。
このシアル酸の密度が上昇するとなぜ悪いのか…?
それは自己免疫系(白血球)との関係が深い。
免疫細胞(Immune cell)とシアル酸
血液の中を巡る白血球は、異常な細胞を発見すると点検をして必要であれば攻撃し死滅させる。
がんを予防するためには、この免疫細胞の点検能力を強化することが選択の一つとされる。
死滅させる力が強すぎると正常な細胞を攻撃してしまい、自己免疫疾患になってしまう可能性があるため、攻撃能力の他に点検(予防)能力を高めるほうが効果的である。
この方法を利用した治療薬でガン予防(治療)をした例もあり、その薬の名前は「がんのペニシリン」と揶揄されるほど。
しかしこれと糖質がどのように関係しているのか…?
現在分かっていることは、免疫細胞(Immune cell)ががん細胞であることを確認すると、攻撃指令を出して死滅させることができるが…
シアル酸ががん細胞表面に高密度で存在すると、正常な細胞と勘違いしてそのまま放置してしまうということ。
もしこのシアル酸を取り除くことができたら…?
キャロリン教授らはこのシアル酸についての研究から、がん予防&治療についての根本的な治療薬の開発を目指している。
…という内容です。
海外ではがんとシアル酸の関係は2019年以降も盛んに行われている模様です。
軽く調べてみると、がん細胞を覆うシアル酸の存在は、NK細胞の不活性化に繋がる可能性もあるようです。
参考文献)