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Ocean Protocol:ブロックチェーンを活用した物流データマーケットプレイス

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  • Celo Japan
  • 2020/09/13 00:37

運輸・物流業界向けのオムニチャネル・データ・マーケットプレイスは、Ocean ProtocolとdexFreightの共同開発によるものです

著:Ocean Protocol Team

By dexFreight and Ocean Protocol

運輸・物流業界向けの初のWeb3データマーケットプレイスが登場しました。Ocean ProtocolとdexFreightによって作成されたこのデータマーケットプレイスは、企業がブロックチェーン技術を活用することにより、コスト効率が高く安全な方法で業務データを集約・収益化する事を可能にします。

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概要

このブログ記事では、物流データマーケットプレイスとその機能性について紹介します。Ocean Protocolが提供するWeb3アーキテクチャを見ていきましょう:

ブロックチェーン上でのデータ公開

エスクローサービスとしてのスマートコントラクト

データ提供者(パブリッシャー)と購入者(ユーザー)間の資金移動

クリプトウォレットを使用したサービス契約の締結

今後数ヶ月間、両チームはマーケットプレイスの改善を続け、理想的なユーザーエクスペリエンスがデータ売買プロセスに最適化されるように取り組んでいきます。

 

データの公平な収益化

15兆ドル規模の物流業界は、膨大なデータの蓄積の上にありますが、そのロックを解除して収益化する術が未だにありません。 dexFreightとOcean Protocolは、物流企業(貨物ブローカー、荷主、運送業者、テクノロジープロバイダー)が、追加ビジネスとしての収益やコストの節約を生み出すことができるだけでなく、より良いプロダクトとプロセスを構築し、環境への影響を最小限に抑えながらコミュニティがデータを有効利用することができるWeb 3.0マーケットプレイスを協力して提供していきます。

このマーケットプレイスは、毎年何十億ドルもの価値を創造する機会を開くことになるでしょう。

多くの企業にとってデータは低プライオリティ

Journal of Commerceのエリック・ジョンソン氏こう述べます。
“物流会社がデータを過小評価しているのは、データが外部と共有されていないからです。それらは会社の中に留まったままになっています”

業界が新たなビジネスチャンスを発見するためには、これらの埋もれたデータをサイロから解放しなければなりません。残念ながら、中小規模の物流企業(SME)にはデータ公開技術やリソースがありません。また、データ公開は中小企業のコアコンピテンシーではないため、公開するための金銭的なインセンティブもありません。多くの中小企業にとって、業務データの取引はビジネス上後回しになっています。私たちは、このようなパラダイムに変革を与え、企業が技術やリソースに投資することなくデータを取引できるようにしたいと考えています。

価格の発見とデータの価値

データ・マーケットプレイスが規模を拡大する前に、次の3つのプリミティブを解決しなければなりません:

データの公正な市場価値の設定:例えば、100件の出荷予約データの価格はいくらでしょうか。ここには出発地-到着地、機器の種類、運賃などのデータが含まれています。この質問に対する答えは未だ明確ではありません。これは、トラック運送会社にデータを販売するように説得したとしてもデータに価格をつけることができないため、マーケットプレイスの採用に大きな摩擦をもたらすでしょう。データ購入側にも同じジレンマが存在します。特に、既存のマーケットプレイスが存在しない場合のデータの価格発見は困難です。

トラック輸送関連の運行データを魅力的なものに:ほとんどの中小規模のトラック運送会社は、月に100~1000件の荷物を移動させています。企業が生成する出荷データ量は多くはありません。しかし、市場でデータをプールして、比例した販売価格を受け取ることができるとしたらどうでしょうか?

データの品質管理:出荷データの出所が輸送管理システム(TMS)を介していることが必要です。企業の会計システムや従業員の業績管理などと統合されていることが多いため、企業はTMS内部のデータの公開を制限している事が多いのです。

私達は、これら3つのプリミティブを解決するための明確な答えを未だに持っていないことを認めます。さらなる調査が必要となりますが、答えを探しだすための最善の方法は、マーケットプレイスの構築だと考えます。

物流データマーケットプレイスの導入

dexFreightとOcean Protocolは、このWeb 3.0の分散型物流データ・マーケットプレイスを構築するために手を組みました。Web 3.0とは、マーケットプレイス自体がユーザーの取引可能なデータを保持せず、ブロックチェーンに基づいた基礎となるプロトコルを提供することで、買い手と売り手がデータを取引し、トークン化された支払いを実行するためのスマートコントラクトを作成することを意味します。マーケットプレイスは、データを人質にしてレントシークすることなく、データを取引するための物流のための公共事業のインフラとなるのです。公共事業は協力して維持しなければならないため、他のマーケットプレイスのように販売価格の一定割合を課金することになります。

Ocean Protocolのエンジニアリング担当副社長であるAlex Coseru氏は、次のように述べています。

“私たちは、データの直感的な公開と消費を可能にするマーケットプレイスを、ユーザーフレンドリーなUIで設計しました。Oceanのテクノロジーには、データ提供者と消費者の両方に透明性と信頼性を提供するという本質があります。私たちは、これらの利害関係者に有益なデータサービスを低コストで提供することで市場のニーズを満たしていきます。”

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基盤アーキテクチャ

データ資産が公開されるたびに、以下のサービスが添付されます:

Metadata — データ資産の内容

Provenance —データ資産の出所

Consume — データ消費に必要な条件

Compute — データ上にComputeを実行するための条件

マーケットプレイスは、Ocean Protocolによって開発された基礎アーキテクチャ上で動作し、以下の3つのレイヤーが含まれています:

レイヤー1 — ネットワークレベル(EVMノードとスマートコントラクト)

レイヤー2 — コンポーネントレベル(Oceanメタデータストレージ、Oceanプロキシ及びライブラリ)

レイヤー3 — エコシステム別のdApps(マーケットプレイス、データ管理プラットフォーム)

マーケットプレイスで公開されたデータは、OceanProtocolのパリティEVMのブロックチェーンノードネットワークによって、一意の分散型識別またはDID(メタデータの)の形で提供されます。これは、データ資産の暗号化されたURLの断片を格納します。URL全体を復号化するためには、ノードのコンセンサスが必要となり、DIDはKeeperスマートコントラクトに登録されます。

Ocean Proxyは、公開データにアクセスする唯一のコンポーネントであり、買い手の許可と支払いに関するチェーン上のチェックを実行します。また、買い手に代わりURLを解読し、データストリーミングすることでデータ資産へのアクセスを提供します。Oceanプロキシは通常、データパブリッシャーにより実行されます。Ocean Protocolには、全てのコンポーネントに接続し、発行/登録や消費/購入のフローを簡易化するためのライブラリが含まれます。

データ資産の購入

買い手がデータ資産を購入したい場合には、まずDIDを参照してProxyに通知します。買い手とパブリッシャーの間では、Metamaskウォレットを使用してサービス契約が締結されます。Oceanトークンは、買い手のウォレットからKeeperコントラクトに転送され、エスクローとして機能します。パブリッシャーが購入に同意すると、マーケットプレイスを経由して購入者にデータがストリーム配信され、購入の履行をKeeperコントラクトに通知します。マーケットプレイスの開発者は、インフラを維持するために資金の一部を保持することになります。

このアーキテクチャにより、データ資産をマーケットプレイスにオフロードすることなく、誰でも物流データを公開することができます。Oceanプロキシは、パブリッシャー自身が実行し、データを発信するノードとして企業システムにアタッチすることができます。

“このマーケットプレイスが他のデータマーケットプレイスと大きく異なるのは、データがストレージから出ていくことがないため、第三者が知らないうちにデータを販売したり操作したりすることを防ぐことができるという部分です。これは分散型のデータマーケットプレイスが為せる業です ”
dexFreightの共同創設者 Rajat Rajbhandari氏はこう述べています。

TMS、FMSをデータマーケットプレイスに接続

米国の貨物ブローカーやトラック運送会社の大部分は、TMS を使用して出荷データを作成し、管理しています。TMS は、出荷データ(住所や顧客の詳細を匿名化することで)を API 経由でマーケットプレイスに公開したり、サードパーティのストレージに転送したりすることができる貴重なノードです。TMSの中には、(匿名性に関わらず)顧客データを提供しないという明確なポリシーを持っているものもありますが、TMSの中には提供できるものもあります。このような取り決めでは、TMSは顧客と収益を共有することが義務づけられています。

データコモンズ

物流企業に対して、古いデータ資産や使われていないデータ資産を無料で公開することを奨励していきます。これにより、開発者やエンジニア、学術関係者は、データに高額な対価を支払うことなく、新たな分析手法や機械学習ツールを構築・研究することが可能になります。企業は、適切なライセンス権を選択することで主張することができ、結果として得られる研究の中で適切に引用され、社会貢献が副次的に可能になります。

今後のリリース

dexFreightとOcean Protocolチームは、データ分散化の強力な推進者であり、Web3ベースのテクノロジーの力を理解しています。まだまだ先は長いですが、私たちは研究者と共に、私たちのプラットフォームをよりユーザーフレンドリーでシームレスなものにするために努力しています。

私たちのマーケットプレイスを補完する可能性のある技術に取り組んでいる方、またはフィードバックを提供できる方は、info@dexfreight.io または info@oceanprotocol.com までご連絡ください。

dexFreightについて

dexFreightは、貨物仲介業者や荷主、運送業者が予約から支払いまでを一か所で処理できる分散型プラットフォームで物流を簡素化しています。詳細はwww.dexfreight.io をご覧ください。

Ocean Protocolについて

Ocean Protocolは、2017年にローンチした、AIのためのデータをアンロックすることを目的とした分散型データ交換プロトコルです。ブロックチェーン技術とOCEANトークンを介して、Ocean Protocolはデータ提供者と消費者を結び、データ共有を可能にする一方で、関係する全ての利害関係者のトレーサビリティ、透明性、信頼性を確保します。これにより、データ所有者は単一のマーケットプレイスにロックインされることなく、データ資産に価値を与え、コントロールできるようになります。

Ocean Protocolの各チャンネルTwitterTelegramLinkedInRedditGitHubニュースレターをフォローして、プロジェクトの最新情報を入手しましょう。DiscordPortで開発者とチャットすることもできます。

Ocean公式日本語TwitterTelegramをフォローしてください

 

 

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