きっかけは、「イシューからはじめよ」の文中でこの本の一文が引用されていたから。エッセイだし、知らない世界を覗いてみるにはちょうどいいかなと思って図書館で借りてみた。
とにかくとても読みやすい。
情景が浮かぶように文章が綴られていて、スルスルと読み進められる。
さすが噺家さん!文章になっても読ませるツボを心得ていらっしゃるのかなと思った。技術は応用できるんですね。
ただ、残念なことに落語の世界に対して何も知らないので、何がすごいのかが全く伝わってこなかった。師匠の立川談志さんがどんなに革新的であるのか、二つ目や真打になることがどんなに意味があることなのかよく分からなかったのは自分の勉強不足の致すところなのですが、内輪の話になると蚊帳の外という感じで文字を読み進めるだけになってしまった。
反対に、知らないからこそ落語の世界が新鮮に感じられもした。
10年以上も前の話なので変わっているのかもしれないが、弟子入りや階級制など私の周りには存在しない世界で、まだそんな世界が日本にあるなんてびっくりした。
落語はリズム!本当にそうだな。
話の上手い人はリズム感があり、抑揚がある。声の大小ではなく、話の長短でもなく耳に心地良いリズム感で話されるとつい耳を傾けたくなる。
リズム感のある話し方を今後は心掛けてみよう。
最後に、この本の続きを私が企画するとしたらどんな内容にするだろうか考えてみた。人の書いた本を好き勝手に評論することは容易いが、では自分ならどうするか。
多分、落語の世界の知見を広める話にするかな。
落語を好きな方や立川談志さんや談春さんが好きな方が読めば面白いのはわかるが、落語好きや読書層を広げる意味でも、噺家さんになる前の「落語にハマった!」瞬間の話から、プロとしての目線で語る落語の世界の話を読んでみたいです。
もしくは落語の面白さを知るための事前知識や予備知識なども教えてもらえれば、更に落語の世界を広く知ることができて楽しそうだ。
採点するとしたら・・・・3点/5点満点
┗購入してまで欲しいとは思わないが、知識としては知れて良かった!