この本を読むきっかけは、「サピエンス全史」「ホモ・デウス」の作者の最新作だからです。前作では過去・未来について、本書では現代にフォーカスされているということでとても楽しみにしていました。
しかも今回は1冊!前作はどちらも上下巻で読み応えたっぷりで面白かったのですが、情報量が多すぎてインプットするのにとても時間がかかってしまいました。
さて、本を読んでの感想ですが、意外な結びという感じでしょうか。
全体の流れは前作同様、なるほどと頷きながら自分の感覚と擦り合わせをする感じだったのですが、最終章の最後が「瞑想」で終わるのは予想外でした。
なぜ予想外だったのだろうと、少し考えてみました。
つまり、私のはこの本に何を期待していたのかということですが、期待していたのは明確な答えや方向性ではなく、新しい視点だったのかなと。
前作までが「なるほどそう考えることもできるのか!」と気づきを得られることが多く、その視点の鋭さを楽しんでいたのですが、今回はあまり気づきが得られなかったことで予想外という感想を持ったのかなと思います。
予想外というか、想定内もしくは他の誰かも提示していた結末という印象でした。
ただ、内容的にはとても共感できる部分が多かったです。
特に常に己を内観することは、これから先AI中心の世でメタデータによりアルゴリズム化されていく中で、自分らしく生きるために重要になってくると感じています。
本書で、確固たる自分がなければAIの提案によって流されていき、気づけば人間がAIにハッキングされている未来がやってくるかもしれないと予想されています。
ものすごく同意です。
未来は、筆者が予想している姿と大きく変わらない私も思っています。
その中で自我を保つためにできることは、常に自分をバージョンアップし、今の自分は何をしたいのかを問い続けることなのでしょうね。
また、年齢が上がるにつれ思考の柔軟性や好奇心が下がるってくるのだとしたら、新しい価値基準や判断にどこまでフレキシブルに対応できるのかも重要なんだと思います。これまでを手放せないと、自己崩壊の危機に陥るのは年齢が高ければ高いほどその可能性が高まるということですね。明日から瞑想始めようかな。
最後に自分がこの作品の続編を作るとしたら、少しスピリチュアル要素を含めた視点を上げる思考法というのを提案するかもしれません。
書いていてとても怪しい感じになりましたが、スピリチュアルな視点を得ることで自分の見ている視点よりも少し高い鳥の目のような俯瞰した視点で物事を見れる思考法ができれば、目の前にある問題を解決に導く方法が見つかる気がするんです。
ただ、鳥の眼・虫の眼と言われるので、視点を上げるだけでは片手落ちなんですけどね。