
9月25日、ビットコインが1700ドルの下落を記録した。やや不自然に感じたので、下落の原因について調べてみた。
9月は長らく期待されていたBakktのロンチがあったが、取引高が1日で72BTCと残念な結果になったことで、失望売りを誘った。ただ、6月からの大きな三角形持ち合いを割るには至らなかった。
大きく動いたのはその後、ハッシュレートが40%下落した後のことだった。下落の原因は分かっていないが、理論上51%以上のハッシュパワーで分散台帳を改ざんできてしまうことを考えると、40%がいかに異常な数値であることが分かる。
(ただ、ハッシュレートを正確に取得する方法はなく、その時の難易度と承認時間から推測するしかない。たまたま承認に時間がかかってハッシュレートが下落したように見えたとの見方もできる。)
気掛かりなのは、くしくも同じタイミングで中国の大手マイナーが深センのホテルに一堂に会してるという情報だ。
これが事実だとすると、マイナーがなんらかの方法で下落を仕掛けてきたと考えることもできる。
その仕組みを簡単に解説しよう。
マイナーの利益はマイニングにより得たビットコインから電気代や土地代などのランニングコストを引いたものだ。つまり利益がでるか否かにビットコイン価格は非常に重要であり、下落すると困る。
そこでマイナーは、その下落リスクをヘッジするために先物をショートする。現在の難易度と自分の持つハッシュパワーから、先物の期限までにマイニングできるビットコインを計算し、同量を先にショートしておく。価格が上がると、その分の損失が発生するが、マイニングで得られるビットコインの価格上昇分と相殺されるため、安定した利益を確保することができる。逆に下落した場合も、マイニングの利益は減るが、ショートしている先物で得られる利益で相殺される。ノーリスクだ。
問題はここからだ。マイナーは更なる利益を求めて、マイニングで得たビットコインを高く売り、ショートしてる先物を安い価格で清算したいと考える。実はこれを確実にやる方法がある。
先物は期限があるので、それまでにショートしてる先物とマイニングで得た現物を清算したい。つまり貯め込んだビットコインを市場で売り、同時にショートしてる先物を清算する。これを世界の50%以上のシェアを持つ中国のマイナー達が協力して同時に行うとどうなるだろうか?
現在のブロックリワードは12.5BTC/10分であるため、中国マイナーの報酬は
60分×24時間×30日÷10分×12.5BTC×50%
= 27,000BTC(約243億円)
となる。たった1ヶ月でだ。
マイナーはマイニングマシンを止めることで、ビットコインの命であるハッシュレートを大幅に下落させて、ネガティブな相場を演出する。そしてトレンドライン ギリギリのところで、貯め込んだビットコインを一斉に売る。するとマーケットは、ロスカットを巻き込みながら完全にクラッシュする。(実際にBITMEXでは7万BTCのロスカットが発生した)そして暴落した所でショートしていた先物を利確する。ミッションコンプリートだ。
もちろんこれは推測に過ぎない。ただ、下落したハッシュレートはビットコイン暴落の直後に綺麗に回復している。そして、27日・28日には、待ってましたと言わんばかりに先物の期限が来る。偶然にしては出来すぎていないだろうか。
過去のチャートでCMEのSQのタイミングを見てもらえば分かるが、このような価格操作は日常的に行われている。ビットコインが真に分散化された暗号資産になるにはもう少し時間がかかるようだ。










