三重生まれ、
関西に親族多数、
学生時代は関西圏、
イントネーションはもちろん関西風、
学校で偉いのは笑いがとれるやつ、これ常識。
伊勢弁特有のなんでも最後に「さ」をつける癖はあったものの、関西移住後はさっくり言葉にも慣れ、ずっとこの文化圏で生きていくと思っていたあの頃。
就職で、東京に移住することになってしまった。
最初は関西人でかたまり、
東京やばいで、男子が「超~」とか言ってるで!「やばくない?」ってまじな顔で言われたけどあれ突っ込むとこなんか?
と、困惑していたのも今となっては良い思い出。
仕事ではさくっと東京弁に切り替えることができた私は、ビジネス上はさして苦労がなかった。が、やはり日常会話となると、関西弁のリズムと東京弁のリズムの違いにむずがゆさを感じる日々。
そんなある日、忘れえぬ悲劇が起こる。
会社で仲良くなった同僚とお茶していた時のことだ。
彼女は埼玉生まれの東京育ち。
穏やかな外見に、
裏切らぬ穏やかな性格。
オフィスでは「サンクチュアリー」の異名をほしいままにしていた。
そんな彼女に、控えめな関西弁で話すMALIS。
なんだったかな?
話した内容は忘れたけど、とにかく
つかみ→エピソード→おち
この流れで話をしていたのだ。
当然のことながら、「おち」に向けてエピソードを盛り上げる、そりゃ当然だ、こいつは全力疾走だぞ。
さてと、エピソードをそろそろ話し終えるかな、という頃だ。
彼女が微笑みを保ったまま、
私に向けて言葉をはなった。
それ、うける。
それ、うける、って?
それ、うける、って、何!??!!??!
生まれて初めての体験に
完全なるパニックに陥るMALIS22歳。
ここまでの話、単なるエピソードだよね?まぁまぁ面白いと思うけど、いや今から「おち」くるってわかるやん?もしかして私、日本語喋れてない...?もう話きった方がいいん?なんか怒ってるん?えぇ?どうなってるんや!!!!
「サンクチュアリー」からの、まさかの鉄槌。
困惑、悲哀、憤怒、殺意、、、
様々な感情が瞬時に沸き上がったが、ぐっとこらえお茶を飲む。
そう、ここは東京砂漠。
MALISはマイノリティ。
伊勢生まれは静かにすべし。
帰宅後、関西人グループに泣きつき、全員から驚愕と慰めの返信をいただいた。
東京怖い、怖すぎる。
その後、徐々に東京文化に慣れた私は、無理に笑いをとらない穏やかな会話にも心地よく参加できるようになった。そうか、みんなそんな感じでお茶するのか。
ぎゃははは笑って机たたかなくても、楽しい時間は共有できるんだな。
知らなかったよ。
ちなみに、「サンクチュアリー」とは今でもお友達である。
私のことをなぜかマリリンと呼んでくれる彼女は、今も女神のような微笑みを絶やさない。
「そのお話、おもしろいねー」
と言われ今でもドギマギするけど、そこに一切の悪意がないことを私は知っている。
だって、彼女は聖域なんだから。
MALIS