皆さんこんにちは。
今日も再エネに気を取られ塩漬けしたトピックをお届けしましょう。
さて、先日「ブロックチェーン、仮想通貨に対するアメリカ人の反応」としてこんなツイートをしました↓
皆さん4番に反応されていましたが、、
そう、結構いるんですよね陰謀LOVEな方。
特に政府機関の方や教授など権威ある方に多く、極めてスマートにこの陰謀を解き明かしにくるので、
「あの、ごめんなさい私は悪の中枢の者では」
と困惑した顔をするはめになります。
一方、アメリカ人がこの陰謀説を気にするのも無理はない側面も。
というのも、アメリカにとって仮想通貨は「地政学リスク」を高めるかもしれない存在だから。
最近のトピックも交えながら見ていきましょう!
まずは陰謀論とはなんぞやを見ていきましょう。
よく聞かれるのは
「サトシナカモトは何者だ?」
「中国の技術者なのか?」
頼む、北尾会長に聞いてくれ(笑)
ただ、質問の背景はよくわかります。
まずアメリカが強大な力を持っているのは世界の「カネ」を握っているから。
顕著なのは「コルレス銀行」。
コルレス銀行とは、海外送金の時にいろんな金融機関を中継してくれる銀行を指します。世界で最も流通量が多い通貨は米ドルですよね?つまり、アメリカはニューヨークにあるコルレス銀行にちょいと頼めば特定の国の海外送金を止めることができるのです。
これこそがアメリカが北朝鮮やイランにくだす経済制裁の仕組み。
アメリカの権威ある方々は、仮想通貨がこのパワーを失わせるのではないか?さては中国に仕組まれた罠ではないか?と心配しているんですね。
ところが、お国が違えば全く違う視点も。
このニュースみよると、欧州中央銀行から
「地政学リスクに備え、欧州は世界的決済サービスを独自に構築すべきである」という意見が出されたとのこと。
ここで気にしているのは、ドルが支配的なコルレス銀行だけではありません。
マスターカード、VISA、アメックスといった各種クレジットカードから、Paypalやアップルペイといった決済サービスに至るまで、ほとんどの決済手段がアメリカ企業により行われています。
欧州は米国トランプ大統領と貿易戦争状態。
そんな相手国に決済サービスを牛耳られていてよいのか?というのが欧州の懸念なんですね。
紹介したニュースでは仮想通貨には触れられていません。しかし欧州は仮想通貨の活用に積極的ですし、今後この背景からサービス開発が進むかもしれません。
では日本は?
先日の「仮想通貨交換業等に関する研究会」で特定の委員から、リップルの中立性について手厳しい意見が出ました。
これはいち委員の意見なので金融庁の見解ではありませんが、中立性をどう担保していく(説得していく)かはリップルが国際送金の要となっていく大きなキーでしょう。
詳しくはこちらをどうぞ↓
読みたくない方はこちらを↓
ただ、議論の方向が「リップルへの疑念」に集中していたのは残念です。
本来は「既存の金融機関の仕組みと比較して、どちらが信頼できるか」を検討すべきだったはず。そもそもコルレス銀行が信用できないからこんな議論が出てきているわけですから。
(それ以前に、議論を深めるのは無駄といった発言はわざわざ時間を割いてプレゼンをしてくださった方にあまりに失礼です)
少々不安になった勉強会議事録でした。
ここまで見てきた通り、この記事のタイトでもある問い、
「仮想通貨vs金融機関、地政学リスクが高いのはどっち?」
への答えは、国の持つ力や国際関係によって大きく変化します。スーパーパワーを脅かす存在として仮想通貨を見る米国と、米国のスーパーパワーを脅威とみなしだした欧州。
この世界情勢の中で日本はどこに向かうのか。
議論が深まることを願っています。
MALIS