皆さんこんにちは、実はエネルギー政策専門家のMALISことマリ、大学院卒業後ぼんやりしすぎて自分の専門を危うく忘れるところでしたが今日はエネルギー関連の記事にトライです。
仮想通貨とエネルギー問題、今日は前編をお届けします!
さて、仮想通貨とエネルギー問題、と言われたとき多くの人が思い浮かべるのはマイニングの電力消費量ではないでしょうか?
ビットコインのマイニング消費量データについて、世界で一番引用されているのはDigiconomistというウェブサイトなのですが、このサイトによるとビットコインマイニングは現在、年間71.1TWh(テラワットアワー)の電力を消費しているそう。
71.1テラワットアワー???という方も多いと思うので、分かりやすく例えると、スイスやオーストリアといった国が年間に消費する電力より多いです。世界の国別電力消費量ランキングで行くと40位くらいに食い込むレベルです。
(昨年末あたりにアイルランドより多いと話題になっていましたが、その時は70位くらいだったと思います。)
とはいえ既存の金融システムだって電力使うでしょ?という疑問にこたえるべく、このウェブサイトにはVISAのトランザクションとの電力消費量比較も載っています。
左がビットコイン、右がVISA。
ビットコインはVISAの4.5倍くらい電力使うのかなーと思ったあなた、よく読んでください。これ、一回のビットコイントランザクションと10万回のVISAトランザクションを比較しています。
ようはビットコインはVISAの45万倍くらい電力使うってことです。
しかしこのデータ、多くの科学者から疑問が投げかけられています。
このDigiconomistというウェブサイトでの数値は、"Bitcoin's Growing Energy Problem"という論文をもとに作られているのですが、使っている数式にあまりに多くの前提が含まれている点、論文著者がそもそもエネルギーの専門家でないという点について指摘を受けています。
そして、多くのエネルギー専門家たちが我こそは!と再試算を試みています。
例えば、オランダのラドバウッド大学の教授が試算した結果によると、ビットコインマイニングの電力消費量は1から4GW(ギガワット)ではないか?と言われています。
1で紹介したのは、2018年6月19日時点のビットコインマイニング年間消費電力量71.1TWh(テラワットアワー)でした。ラドバウッド大学の教授が1から4GWでは?と言ったタイミングの数字で単位をそろえると、
・Digiconomist説:36TWh
・ラドバウッド大学教授説:8.7-35TWh
(TWhへの変換:1から4GW*8760h=8,760-35,040GWh=約8.7-35TWh)
となります。
なので、Digiconomist説はラドバウッド大学教授説の最大値よりも更に上振れてて、ちょっと煽りすぎじゃないの?ということですね。
、、、、とはいえですね、VISAとの比較についてはどうなるんでしょうか?
45万倍も開きがあると、ここで述べている差なんか誤差に思えてきますよね。やはりビットコインは従来の金融サービスに比べて環境に悪いのでしょうか?
と、長くなってきましたので続きは後編で↓
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MALIS
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