皆様こんにちは、MALIS@ニューヨークです。
現在、国連本部のあるニューヨークでは、HIGH-LEVEL POLITICAL FORUM 2018が開催されています。
このサイドイベントとして
"Blockchain for Transformation towards Sustainable and Resilient Societies"
"持続可能で強靭な社会に向けたブロックチェーン"
が開催されました。
私も参加してきたので今日はそのレポートです。
長いので今日は第一回。
「国連かー公共セクターに興味ないよ」って方、いえいえ、企業とのコラボレーションも含めてお話されていますので、ぜひ最後まで読んでください!
SDGsってご存知ですか?
"The Sustainable Development Goals"の略称で、日本語だと"持続可能な開発目標"を指します。国連開発計画のウェブサイトによると、
"持続可能な開発目標(SDGs)、通称「グローバル・ゴールズ」は、貧困に終止符を打ち、地球を保護し、すべての人が平和と豊かさを享受できるようにすることを目指す普遍的な行動を呼びかけています。"
とのこと。2030年までの達成を目指しています。
国連でピコ太郎が踊ったってニュース覚えている方もいるのでは?
あれです↓
今回開催されているHIGH-LEVEL POLITICAL FORUM 2018は、この開発目標の達成度や活動状況をレビューし共有するためのもの。
その中に、ブロックチェーンに関するイベントが入っていたのですね。
豪華な登壇者一覧はこちら。
ブロックチェーン技術に詳しい方なら聞いたことのあるだろうConsenSysのBenjamin Siegel氏も参加しています。
しかし、今回私がお会いしたかったのは、
国連で積極的にブロックチェーン活用を推進している山本芳幸さん。
山本さんの取組みについては、星 暁雄さんの記事がとてもよかったのでご紹介しておきます。
ブロックチェーンによる世界の変革を信じる方にはぜひ読んでほしい。
さて、イベントに話を戻します。
まずは国連欧州経済委員会のExecutive Secretary(日本語だと事務局長?)であるOlga Algayerovaさんの冒頭挨拶で開始。
(写真の真ん中に座っている緑の服の方です)
SDGsのイベントということで、"世界の持続可能な発展に向けて"という言葉が強調されていたのが印象的でした。
国連機関は国境を超える活動が多く、様々なそして多くの中央集権的機関と関わっていくことになります。そしてそういった機関が常に協力的なわけでもないしスピーディであるわけでもない。
そう考えると、国連機関が掲げるミッション/活動とブロックチェーンという技術は非常に親和性が高いんだなぁ、、と改めて感じます。
また、Algayerovaさんが
"ブロックチェーンは若くてまだまだ疑問も多い技術ではある、しかし活用に向けては公共セクターと民間のコラボレーションを促進していくことが重要"
とおっしゃっていたのも、立ち位置のよくわかる言葉で印象的でした。
続いて、スロベニア政府国務長官(or官房長官)のTadej Slapnikさんからプレゼンテーションです。Slapnikさんは欧州ブロックチェーンハブの委員会メンバーでもあります。
スロベニアはビットコインのモニュメントができるほどブロックチェーン技術に力を入れている国。
Slapnikさんからは、(1)ブロックチェーンスタートアップの紹介と(2)EU(欧州連合)におけるブロックチェーンへの取組み、そしてその中での(3)スロベニアの位置づけ、を紹介されていました。
(1)ブロックチェーンスタートアップ
勉強不足で知らなかったのですが、スロベニアって政府が後押ししているだけあってブロックチェーン関連のスタートアップが本当に多いんですね。
ご紹介されていたのは、
Suncontract
太陽光発電と消費者をスマートコントラクトで結ぶプラットフォームを提供
DataFund
個人情報を企業ではなく個人が管理できるプラットフォームを提供
Hashnet
安全、高速、そして省エネなDLT(分散台帳技術)
(あともう一社サプライチェーン系の企業を紹介されていましたが聞き取れず。わかったら追記します)
政府の方がここまでスタートアップを推して説明しているのは、日本の現状をみると驚くべきことかもしれません。
次にお話されていたのは
(2)EUにおけるブロックチェーンへの取組み
EUでは、2018年4月のデジタルディ2018でブロックチェーンパートナーシップイニシアティブが宣言されました。
このイニシアティブでは、EUがブロックチェーン分野で世界をリードしていくことを目指し、そしてEU諸国の中でブロックチェーンを活用し国境を越えた協業やサービス提供を可能にすることを宣言しています。
(3)スロベニアの位置づけ
については、当然のことながら、EUの中でもブロックチェーン技術をリードしていく国家として位置づけている、とのこと。
このあたりは、以下の記事がわかりやすいです。
印象的かつ注目すべきポイントは、
"ブロックチェーン技術についてはスロベニア政府の各省庁が2年かけて勉強し、スタートアップ支援を行ってきた"
と仰っていたこと。
いいですか?
各省庁が
2年かけて
ですよ?
日本でも政府機関内に多くの勉強会が立ち上がってはいますが、まだまだ、、ですよね。
スロベニア政府のこの推進力は見習いたいものです。
というわけで、今日はここまで!
次回はお待ちかねの山本さんが登場です!↓↓
私たちはいつこの技術を使うべきか?国連ブロックチェーンイベント(2)
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