2歳の時、西川口に住んでいた。
この時、家の目の前には公園があった。
すぐ隣には、電車が走っていて凄くうるさい公園でもあった。
俺は、よくこの公園で1人で遊んでいた。
この公園は、西川口でも辺境の地にあり子供たちは、滅多にここで遊ばい。
いつもこの公園で遊ぶ時は、1人だ。
砂場があり、ブランコがあり、滑り台がある。
ただこれだけが設置してある小さな公園。
母親が買い物に行く時は、いつもこの公園に迎えに来て一緒に行っていた。
この頃自転車が無いので、おんぶか、乳母車で買い物に行く。
それか、近所のトヨちゃんと言う人に預けられてそこで遊ぶ。
おんぶされている時は、毎回母親がアニメの歌を歌ってくれた。
グレンダイザーや、ライディーンや、マジンガーZ等、色々歌ってくれた。
そしていつも、すぐに寝てしまう。
ある時俺は、家の目の前の公園で遊んでいた。
いつもの砂場に行き1人で山を作って遊んでいる。
そうしたら、3人の幼稚園児が砂場に遊びに来た。
その子たちは、この辺境の誰もいない公園を新発見した様子だった。
その事が嬉しいせいか、公園中走り回って遊んでいる。
そして俺が1人で遊んでいる砂場にも来た。
その子達は、俺の姿を見て「あっちいけ」と言ってきた。
俺は、嫌だと断ってそのまま遊び続けていた。
そうすると、その子たちは、俺に向かって砂をかけ始めた。
俺は、3人に砂をかけられ砂まみれになってしまった。
そして泣き出し、家に逃げ帰っていく。
この時、悔しくて母親にこの事を言い、あの3人を叱ってもらいたかった。
俺はこの時、母親に叱られ、いつも俺が悪い事になるのを思い出していた。
だから母親は、あの子たちを叱って砂場から追い出してくれないだろう。
いつもの様に「我慢しなさい」と言われるのだろうと思った。
家につき、母親に砂だらけの姿を見せ、砂場の3人の事を話した。
そうしら、叱ってくれないだろうと思いとは逆に、母親はマジ切れした。
そして凄い形相で走って砂場に行き「砂をかけたのは貴方達!」と叫んだ。
俺は、母親のその姿を見て「期待に応えてくれた!」と感じ嬉しかった。
そんな母親の姿を見て、俺に砂をかけた3人は、走って逃げて行った。
この時俺は、あの3人が逃げる姿を見て、悔しさがスッキリした。
俺は、まさか本当に母親があの3人の子を叱ってくれるとは思わなかった。
その訳は、近所に住むトヨちゃんの家に遊びに行って断られる時がある。
この時トヨちゃんは、勉強に集中していて遊べない時。
俺は、家に帰り母親にいつもトヨちゃんが遊んでくれないと言っていた。
そうすると毎回、トヨちゃんの邪魔はしちゃだめだと言われ俺が悪くなる。
だから今回も、砂をかけた3人の事を言っても対応してくれないだろう。
そして、また俺が悪い事になるんだと、そう思っていた。
でも今回は、ちゃんと相手が悪い事にして敵を取ってくれた。
俺は、そんな母親の姿を見て「やるじゃん!ママ!」と感動した。
俺はこの後、砂を払ってもらい裸になってタオルで拭いてもらった。
この日の夜。
俺は、超ご機嫌になり、いつもの父親の真似ごとをして遊んだ。
台所に四角いちゃぶ台が置いてあり、父親がいつも座る席も覚えていた。
夜食の支度が初まり、机の上にお皿とお猪口が乗せられる。
もちろんまだお酒は、入っていない。
そうすると俺は、父親の席に座りお猪口を持って「酒うめぇ~」と叫ぶ。
父親の食事をする1言目は、いつもこれだったので覚えてしまった。
そうすると母親が「はいおつまみ」と言ってかきの種を少し出しくれた。
俺は、柿の種に混ざっている赤い奴は辛いと知っていた。
以前赤い奴を父親に食べさせられ、あまりの辛さに悲鳴を上げて泣いた。
これほど嫌な人生経験をしていたので、赤い奴だけは食べなかった。
こんな事があったから、この頃の俺はピーナッツだけしか食べない。
そして、ピーナッツだけをモシャモシャ食べてまた「酒うめぇ~」と叫ぶ。
こんな真似事を、よくやっていた。
そして父親が帰ってくると、すぐに父親に抱っこされて銭湯に向かう。
食事は、銭湯から帰ってきてから食べるのが習慣になっていた。
銭湯から戻り食事をする時は、必ず父親の膝の上で食べさせてもらった。
この当時は、こんな毎日を過ごしていた。