8歳の時、三郷の立花小学校に通っていた。
そこに、どんぐり学童クラブという場所があった。
俺の親は共働きで、学校が終わって家に帰っても誰もいなかった。
その為、この学童クラブに入っていた。
この学童クラブのそばには、「蛇山」と言う所にがあった。
「蛇山」とは、蛇がいる広大な空き地で、子供達が通称「蛇山」と呼んでいた。
ここは、三郷団地に隣接していたマンション開発予定地区の空き地。
三郷団地から三郷駅まで広がる、広大な土地だった。
ある時、その「蛇山」に、学童のみんなで四葉のクローバーを探しに行った。
俺たちは、蛇山を探索してクローバーが沢山ある個所を探した。
そして、その場所を別の子が発見した。
その子は、当時責任者だった土屋先生に伝え、みんなでその場所に向かった。
そこは辺り一面三つ葉があった。
その、無限に広がっていそうな三つ葉畑で、四葉を探すのは物凄く大変だった。
でも、誰かが四葉を探し当てた。
みんなびっくりしてその近辺に行ってみた。
そうしたら、四葉どころか、五つ葉、六つ葉、七つ葉、まであった。
俺はこんなに葉っぱが多いのは生まれて初めて見た。
俺はその複数枚のクロバーを、土屋先生の所に持って行き、自慢した。
そうしたら土屋先生は、それ奇形じゃないのか?と言っていた。
でも、俺は嬉しくて沢山取りまくっていた。
そして俺は、徐々にみんなから遠ざかって行った。
みんなの声が聞き取り難くなり、俺はふと後ろを振り返りかえってみた。
皆のいる所から、だいぶ離れてしまっていた。
焦って戻ろうとしたら、突然、片足が沼地にはまってしまった。
俺は、力いっぱい足を引っ張ったが、沼地から足が引き出せない。
それどころか、暴れるたびに、どんどん沼地に沈んでいく。
そうしている内に、もう片方の足も沼地にハマってしまった。
抜こうともがいても全く抜けない。
俺はパニックになった。
そして腰まで沈んだ辺りで、ようやく1人じゃ助からないと感じた。
そして俺は、土屋先生に「底なし沼にはまって抜けない!」 と叫んだ。
そうしたら、土屋先生がすっ飛んできて、俺を沼地からひっこ抜いてくれた。
俺はマンガ日本昔話で見た底なし沼とは、こういう物かと恐怖した。
俺は腰まで泥だらけになり、学童クラブまでみんなと戻った。
蛇山とは恐ろしい所だと痛感した。
俺は、全身泥だらけの状態で学童クラブに到着した。
そして、玄関の水場で洋服を着たまま水をかけられ、ジャブジャブ洗われた。
そこで洋服を脱ぎ、学童にあった予備の服を着て家に帰った。
この底なし沼にはまった子は、俺だけでは無かった。
友達にこの話をすると、何人か犠牲者が出ていた様だ。
でも自力で脱出するか、友達に助けられて抜け出す事に成功している。
子供の頃は背が小さくて、沼地の深さが浅い割に、体が結構埋もれた。
大人がはまった時も見た事がある。
その時は膝上位迄まはまってた。
それでも十分深い。
俺は、あの時沈んが恐怖は、今でも思い出すと怖い。
結構トラウマになっている。