7歳の時の夏休み。
前日の台風が過ぎて、空は朝から快晴だった。
俺は、この日の朝も夏休みの宿題をやらされていた。
こんな綺麗な空の日は、早く外に遊びに行きたい。
その気持ちを抑えながら。
俺は、急いでその日にやらないといけない宿題のノルマを終わらせた。
そして、算数ドリルと筆箱をかたずないまま、外に飛び出した。
空は、台風一過。
周りは、真っ白い壁の団地が立ち並んで、日の光を反射して眩しい。
台風が過ぎ去ったばかりで、生暖かい風が強く吹き、気持ちが良かった。
俺は、特に行く場所を決めて無かった。
あてもなく、外が気持ち良かったので散歩をしていた。
そうしたら、自然に商店街についてしまった。
そこで、段ボールがあるのに気が付いた。
俺はこの時、名案を思い付いた!
「この段ボールで、芝生の山がある公園に行き、段ボール滑りをしよう!」
早速俺は、段ボールを片手に芝生の山がある公園に走って向かった。
その公園につき、段ボール滑りをしたら、想像以上に速度が出る。
この日は風が強く、その追い風で押されて速度が出た。
俺は、これがたまらなく楽しくて何度も滑っていた。
もちろん、何度もバランスを崩して山から転げ落ちた。
それすらも、凄く楽しい。
この頃は、怪我をしようが全く気にならなかった。
お昼の時間になり俺は、いったん家に帰る事にした。
遊びすぎて、もうすぐ12時になりそうだったから急いで帰る。
そして家につき、お昼ご飯を食べ終わり、いつも見ている番組を見る。
それは、13:15から始まる「アタック25」
これは25分番組で、終わるのが13:40分と中途半端な時間に終わる。
そして、また外に遊びに行った。
今度は、団地の近くにある野ざらしにされた広大な空き地。
そこは、子供たちの間で蛇が出るから「へび山」と呼ばれていた。
俺は、この山で蛇を見た事が無い。
この日は、そのヘビを探しに遊びに行った。
ヘビが出そうな、高く伸びた草の中をかき分けて奥まで入っていく。
そこで、かなりの時間ヘビを探した。
でも、結局見つからず終いだった。
ずっとこの蛇山で遊んでいたら、太陽が地平線に沈むのが見えた。
凄く眩しくて、奇麗な夕日だったのを覚えている。
まだ吹く強風の中、俺は家に帰る事にした。
帰る途中、追い風の中、走ってジャンプすると凄く遠くまで飛べた。
まだ体重が軽いせいもあって、飛ぶようにジャンプできる。
それが凄く楽しくて仕方なかった。
家につき、母親の所に行ったら、母親が突然奇声を上げて驚いた。
何かと思ったら、俺の両足合せて50か所位、蚊に刺されていた。
母親は、急いで俺をお風呂に入れさせ、速攻で全身薬を塗りまくっていた。
俺は、全く気になっていなかったが、母親は緊急事態の様な顔をしていた。
そして俺は、全身薬漬けにされ、物凄く薬臭くされてしまった。
翌日、朝起きたら、おかげで蚊に刺された所は全部完治していた。
今思うと、よくあれだけ蚊に刺されて何ともなかったと思う。
子供の生命力とは、こういう物なのだろうか?