思い出「現実カルタ」

【天使幼稚園】

4歳の時。

埼玉県の三郷団地に住んでいた。

そして俺は、三郷団地の「天使幼稚園」に入学する事になった。

この頃の俺の家は、貧乏生活で、幼稚園に入学するお金も厳しいはず。

俺には、3歳離れた弟がいるけど、お金がないという理由で保育園だった。

なのに俺は、幼稚園に入学させてもらった。

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【面接】

幼稚園の入園時、面接みたいな事をした記憶がある。

その時色々聞かれて、だんだん面倒くさくなってきた。

そして幼稚園の先生に「住んでいる場所教えて」と聞かれる。

この時、母親が面接の時に答える、メモ書きを渡されていた。

俺は、答えるのが面倒くさくなり、そのメモ書きを先生に渡した。

そして「ここに全部書いてあるからこれ見て」と答えた。

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【低理解力】

面接に答えるメモ書きを、先生に見せたら、ビックリしていた。

そして、大爆笑されて母親は、顔を真っ赤にして先生に誤っている。

俺は、何が悪いのかさっぱり解らず、そのまま面接が終了。

その後、母親に「あのメモ書き見せたらだめじゃない！」と叱られた。

俺は、先生の言う通りにしたのに、叱れら事が納得いかなかった。

「先生が住んでる所を知りたいと言うから、メモを渡したのに」と。

そして、ふてくされてしまった。

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【待ち合わせ】

数日後、幼稚園から入園合格通知が来た。

この時の母親は、もの凄く喜んでいた。

そして、お祝いに、お婆ちゃんが会いに来てくれる事になった。

この頃お婆ちゃんは、東京の荒川区町屋に住んでいる。

我々は、三郷だから、中間地点の新松戸で、待ち合わせする事になった。

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【待ち合わせのメッカ】

当時、三郷に走っていた電車は「武蔵野線」

しかも、新三郷なんて駅は、まだ無くて最寄駅は「三郷駅」だった。

更に今は、東京駅まで行っているが、当時の終点は「新松戸」

なので三郷人は、ここが東京から来る人との待ち合わせのメッカだった。

そしてお婆ちゃんが来て、お土産を持って来てくれた。

それは「いろはかるた」と言う物だった。

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【いろはかるた】

俺はこの時、生まれて初めて「いろはかるた」と言う物を知った。

家に帰ったら、これをやろうと言うので、何だかワクワクする。

そして家に到着し、早速「いろはかるた」を見てみた。

お婆ちゃんが「いろはかるた」のやり方を説明してれる。

かるたには、1文字のカードと、文章が書いてあるガードがあった。

そして文章側の、最初の文字と同じ文字のカードを見つけるみたいだ。

俺は、やり方を理解して、早速初めて見た。

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【高理解力】

文字を書いてあるカードは、お婆ちゃんが読んでくれた。

俺は、その最初の文字のカードを、必死に探して取っていく。

何だか、凄く面白い。

そして取るのは、全然遅いけど、迷わすルール通りに出来るようになった。

そこで俺は、ある事に気がついた。

お婆ちゃんが読んでくれているカードの、文章の意味が解らない。

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【架空の現実】

俺は、かるたを一度辞めて、お婆ちゃんに文章の意味を聞いてみた。

そうしたら俺に解るように、丁寧に説明してくれた。

「犬も歩けば棒に当たる」や「猿も木から落ちる」や「頭隠して尻隠さず」

色々な意味を、現実の事を例えに教えてくれた。

でもこの頃の俺には、全然ピンとこない。

「実際に、こんな事が本当にあるのかな？」と、疑問に思っていた。

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【不思議な世界】

俺は、この事が実際に起こるのか、お婆ちゃんに聞いてみた。

そしたら、お婆ちゃんは「これを作った時代には、実際に起こった事だよ」

そう答えてくれた。

この時、隣で父親がこの会話を聞いていた。

そして、父親が俺に、話しかけてくる。

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【大人の世界】

父親が言うには「大人になれば、わかるよ」

「会社や社会でカルタに書かれた事を全部、身をもって思い知らされる」

そう言ってい笑っていた。

俺は、父親の言う事が、全く理解できなかった。

そして「カルタに書かれている事は、大人の世界の事か」と、納得した。

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【身に染みたカルタ】

今考えると、確かにこの時、父親が言っていた事は、本当だった。

今はもう、いろはかるたに書かれていた事を、全部身をもって味わった。

いや、それ以上の事もか・・・

俺は、この後ずっといろはかるたをやり続けて、凄く楽しめた。

そして、眠くなるまで続け、途中でお婆ちゃんに抱っこされ寝てしまう。

夕食後、疲れ果てたお婆ちゃんにねだって、またカルタをやってもらった。

そしたら今度は、お婆ちゃんの方が寝てしまって、かるた遊びが終了した。